墨工房日記

墨職人の楽しみながらの、奮闘記

墨の型 (その2)

2007年10月17日 | Weblog
墨型について続けます。
では、どのようにして使うのでしょう?

普通の型は6個の部分で構成され,墨の形が直方体の場合は、
下の写真の構成になります。


鍵形が2個、平面が2個で墨の形を決めます。
鍵形の2個を固定するために、さらに2個の部品があります。
計6個です。

鍵形を2個組んで、固定し、長方形の枠を作ります。


その枠に平面の部品を組み込み、粘土状の墨を入れる準備をします。


決められた量を測って、墨をいれ、もう一枚の平面の部品を組み込み
ますと、なかの墨は直方体に成型されます。

この状態のままですと、ズ~~と押さえていなければならないので、
万力などで固定します。


しばらくすると、中の墨は、にかわが硬くなり直方体に成型されます。

今度は、墨を取り出す番です。

先ず、万力から墨型を外します。
次に平面の一枚を外します。

職人は、この状態で墨の表面を見ると、墨の練り具合などの良し悪しがわかります。

また、墨の量を間違うと、少ない場合は隅々までいきわたらない為に角が丸くなります。  この状態を“”ぼうず“”といい、失敗です。


確認したら、2個で組んでいる鍵形を分解して、中の墨を取り出します。
外側の型を分解することにより、墨に傷をつけずに取り出せます。

これを何回も繰り返して、墨を成型するのが、墨の型入れ職人の仕事です。