墨工房日記

墨職人の楽しみながらの、奮闘記

松煙焚き

2007年10月11日 | Weblog
松煙焚きをしました。
朝6時に火を入れます。
肥松を小割りにして13個ある大きな鍋くらいの土窯の中で燃します。


各窯に次々に松を加えていき、また小割して燃していく・・・・
この繰り返し、


松煙が全盛期の昭和初期は松を燃す担当は老人か高等小学校を出たての子供の仕事でした。
あまりに単調な仕事のため、壮年の人には向かなかったようです。

松煙を焚く設備を紹介します。

1つの設備は1坪の床の上に幅1,2メートル、奥行2メートル、高さ2.7メートルの金網を被せた鉄骨つくり、その床の中心に土窯があり、ここで燃えて、煤になったものが金網に付く、
この着いた煤が、松煙です。

私は、8時間を基準にして仕事をし、8時間過ぎたら、火を消して、次にまた火をつけます。
10kgの松煙を作るのに100時間かかります。


なかなか、忍耐がいて、目にしみる作業,
黒いのは当たり前、背中に心棒を入れて、もくもくとこなす仕事です。