墨工房日記

墨職人の楽しみながらの、奮闘記

宿題で墨作り

2008年08月26日 | Weblog
夏休みの宿題で、墨作りをしてみました。割り箸を、炭にして、細かくすり下ろし膠で混ぜて乾燥させる自分流。こんなので本当に墨つくれてますか?専門家からみたら邪道でしょうね。家で、何とかできないものかと、苦肉の策です。まだ乾燥中で、できあがっていません。簡単に家で、できる方法が、あったら教えていただけますか?(ほの)

こんな、ご質問を戴きました。ほのさん、ありがとう

良いです、これが墨です!!割り箸の発想が素晴らしい!!

墨は基本的に煤(炭素)と膠を混ぜたもの、
煤が何かで、松煙、油煙・・・ナドナドありますが

“TV・鉄腕ダッシュ”では煙突にたまった松材を燃した煤を使いましたが、
割り箸を炭にしてでも、立派な煤です。煤でなく炭素かな?

ただし、かなり、むちゃくちゃに粒子が粗いので、
カナヅチで粉にして、さらに乳鉢で細かくすると良いです。

それでも、火を燃した煤よりかなり粒子は大きいのですが、
それがまた、おもしろい線とにじみになります。


もっと、家で簡単に出来る方法は煤を購入すれば良いのですが、
割り箸で木炭を作り、そこから墨を作る行程が素晴らしいのです。

ぜひ、この墨で作品を作ってください。
最高の宿題になります。

私も、試験的に何種類も木炭で墨を作りました。

下の鯖の絵は私が描いたのですが、木炭の墨を主に使って描きました。
拡大図のように、筆の通った後はザラザラ調になります。
滲み部の色がとても青っぽかったのが印象的です。



 拡大図

私は、荒い粒子の木炭の煤と普通の煤をあわせて、描いたときに
立体感の出る墨を作りたいのですが。

先日も、九州からおもしろい素材の木炭を送っていただきましたので、
どんな墨が出来るか、ワクワクしながら試してみます。

ほのさん、もう一息、夏休みも少なくなりましたが、墨作りを楽しんでください。

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書家・堀雅峯さんの書展

2008年08月21日 | Weblog
私の作る墨を、本当に理解し、いつもアドバイスをいただいている、
書家・堀 雅峯さんが主宰する“”墨翠会“”の書道展が
東京で開催されますので、お知らせいたします。

堀さんは私が知る、墨の達人です。
毎日、毎日5時間墨を磨り、作品を製作しています。(堀さんのお話ですが)

私の作る墨 “ 大塔 ”“くまの ”“枯茶墨”
の文字は堀さんに揮毫していただきました。



また、墨の色見本もお願いしております。
墨作りの恩人であります。

雑誌・墨(芸術新聞社)をご存知に方は多いと思いますが、
この本の人気コラム“書壇・辛くち時評”は

歯に衣を着せぬ発言で多くの賛同を得ていますが、このコラミストが堀さんです。
“”ああ~~あの著者ですか!!“”と思われる方も多いと思います。

この機会に、堀さんの書に触れて、

堀さんの辛くち時評を直に聞くのも楽しいです。
堀さんは、厳しい人を想像しますが、モダンなおじさんです。ご安心下さい。

第42回 墨翠会書道展

会期  平成20年9月2日(火)~9月8日(月)
    午前10時30分~午後6時
    ただし、7日は午後5時、8日は午後4時まで

会場  田中八重洲画廊  電話03-3271-7026
○ JR「東京駅」八重洲北口徒歩5分
○ 東京メトロ「日本橋駅」徒歩4分

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お盆の休み

2008年08月18日 | Weblog
皆さん、お盆はイカガでしたか?

当工房のある田辺市は、有名なリゾート地・白浜温泉の隣の為、
観光客で大混雑です。

国道も高速も渋滞でのろのろ、
普段と異なり、この一週間は特別です。

工房の在所は白浜温泉から車で30分ほど離れているので、
混雑は無いのですが、集落には大阪、京都、神戸など等のナンバーを付けた車が目に付きます。

息子、娘が孫を連れての帰省で、近くの河原では、じいちゃん、ばあちゃんが孫と一緒に川あそびで楽しそうです。

私は友人2人が遊びに来てくれて、工房でのんびり過ごしました。
川に仕掛けた網に手長えびの大物が掛かりましたので、


みんなで絵を描いて遊びました。

 私の絵

生きた手長えびをじっくり観察する良い機会です。

のんびり、ゆっくりカラッポになった2日間でした。

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歌人・小黒世茂さんの新著

2008年08月14日 | Weblog
歌人の小黒世茂さんから、お便りをいただきました。
新しく出版された2冊の本とご丁寧なお便りが添えてあります。

小黒世茂さんは歌を詠んだり、エッセーを書いたりとマルチで活躍されています。
先日、NHKの教育番組にひょんなことからチャンネルを回したら、

短歌の解説をしており えっ!すごい!
と思いました。テレビでは、ずいぶんすましていましたが(笑)。

以前から、親交があり、当HPの“熊野の歌”“小黒世茂のエッセー”
をお願いしています。

熊野の歌
小黒世茂のエッセー

出版された本は



1、歌集・雨たたす村落
  熊野の山や川を旅して、詠まれた歌集
  熊野をヨクゾ、少ない字数で表現していると、素人は関心します。
  (世茂さん、ゴメン)
 出版社 ながらみ書房 ℡03-3234-2926
 著者  小黒世茂  〒550-0014 大阪市西区北堀江1-14-5
 価格  2,730円(税込み)

2、熊野の森だより
  熊野を旅して、感じたままを記したエッセー
  写真は、熊野を撮ったら第一人者の楠本弘児氏
  出版社 本阿弥書店  ℡03-3294-7068
  価格  2,200円(税別)

 当HPの“熊野の歌”“小黒世茂のエッセー”を見て、続きを・・
読みたい方、ぜひ、購入してください。

経済、政治、スポーツと頭がコンガリガル今日この頃です。
読書後はきっと、スッキリします。 

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松が届きました。

2008年08月13日 | Weblog
続く時には、続くものです。
昨日、墨作りがしたくなった話をしたら、

今日は、松煙用の肥松をTさんが沢山届けてくれました。



Tさんの松は、とても油ののりが良く、ありがたいです。

『暑くて、どうにもならん』
『もう無い、もう無い!何処にも無い!』

と口癖のように言って、持ってきてくれます。
本当に松煙用の松は紀州では採れなくなりました。

山の下から採るので、下は採りつくし、残るは条件の悪い場所ばかり、
それも、有るとは限らないので、大変です。

Tさんは長年にわたり、林業で働いているので、ある程度、ありそうな場所を知っているのですが、ナカナカのようです。

500キロの松で、松煙が10キロ採れます。
今日は軽トラックいっぱいの350キロでした。

 倉庫には松がたまってきました。

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