墨工房日記

墨職人の楽しみながらの、奮闘記

新しい水墨画

2009年01月23日 | Weblog
まだまだ、寒い日が続きます。

嬉しいお話があります。
ガラスに絵を描くって、どんな印象でしょうか?

いま、新しい技術が開発されました。
サンドブラストしたガラス(曇りガラスに近い)に墨を磨って描くと、

墨のおもむきを残したまま、絵が描けるのです。
そして、その絵は水がかかっても落ちないのです。

落ちないのには、少し手品があるのですが。
墨を磨る時に水でない専用の液体でするのです。

   作品名 ”開”

友人の長田百合子さんが作品にして、
“アジア創造美術展”に出展しました。
長田さんからいただいたメール抜粋です。

”7日に90x30のガラスが4枚届きました。
4枚しかないので、絶対失敗,描き直しは出来ませんし、
試作も出来ないので、時間もあまり無い、凄い緊張感でしたが、
何とか、17日の午前2時頃には出来上がりました。

今日初日を無事迎える事が出来ました。
展示場所も良いスペースをいただく事が出来ました。

アジア創造美術展の母体が水墨画の会と言う事もあって、
参加の作家さん方も凄い興味を示されています。”


長田さんは水墨のみならず、切り絵、ガラス細工など等多くの技術を持つ作家で
それらを結集した作品を創りました。

水墨画が主体の作品展で、これを出展する長田さんと受け入れる主催者はすごい!!
いまは、技術のみならず、鑑賞する方々の目線もドンドン変わっています。

作家にも新しいものを取り込む姿勢が大事に思います。
長田さんが、彩煙墨と松煙墨でこの作品を描いてくれたのが嬉しかったです。

紀州松煙ロゴ