kiske3の絵日記

一コマ漫画、トホホな人の習性、

映画批評、恐怖夜話、あらゆる

告知をユルく描いて書いてます。

春風亭昇太 オレスタイル Vol.9

2007年08月13日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

ネタバレを好まない方は、読まない方がいいかも知れません。(そうでもないか)

桂 かい枝『ときうどん』
春風亭昇太『ろくろ首』
~生着替え~
春風亭昇太『野ざらし』
~中入り~
春風亭昇太『死神』


毎回昇太師匠は、独演会の時はその季節に合った演目をされるんだけれど、さすがに夏だけあって幽霊ものでしめてました。

前回のアルカイックホールでの独演会と同じく、桂 かい枝さんがゲスト。今回、この人がゲストだって事を知ってる人はあまりいなかったのではないでしょうか。いつもギリギリに決まるそうなので。かい枝さんは、前回スゴく面白かったので楽しみにしていたのですよ。今回もまくらで「ときうどん事件」の話をして笑わせてくれました。

実は、昇太師匠はうどんをすする音を出すのが苦手という事で、かい枝さんが稽古をつけてあげたらしいのです。で、しばらくして落語雑誌の昇太師匠の特集を見ていたら「私の18番」のところに、ちゃっかり「ときうどん」を入れていたという・・・。そうとは知らずに昇太師匠の「ときそば」を見た事がるんだけれど、今にして思えばちょっと得意気だったな、練習しはったんやろなーなんて考えると、ちょっとおかしかったりするわけです。

『ろくろ首』
師匠の噺には「しがみつく人」ってのが出て来るのだけれど、これはその元祖だそうで、しっかりしがみついてました。どんだけしがみつくのかっちゅうくらいに。ホントにこんな人がいたら、スゴく鬱陶しいと思う。お話はオーソドックスで良かったですよ。

『野ざらし』
こういう頭のおかしい人をやらせると、師匠はホントに上手いなぁと感心するのだけれど、もう、最後の最後で思わず爆笑してしまってサゲ聞き逃した。ありえん。くっだらない事なのに昇太師匠がやると何故か笑える。アホすぎです。

『死神』
このお噺はブラックなネタ。トーンを落とした師匠の落語も良いわぁ。サゲをどうアレンジするか、色んな噺家さん達によってサゲ合戦になるというこのお噺。さぁどうなる?と、とってもワクワクしてたのですが、これまた師匠らしくてマンガっぽい終わり方でした。ハッピーエンドが好きなあたり共感出来るので、こういうサゲも良いなぁ~と思いました。

最近、昇太師匠をゲストでしか見てなかったので、ちょいと不満なところもあったりしたのだけれど、今回は見応え充分で楽しめました。そういや、いつもは冒頭に「携帯撲滅キャンペーン」のビデオを流すんだけど、今回はなかったな。忘れたのかもな。でも、いきなり携帯鳴らしてるお客さんに「ぶっ殺しますよ」って言ってました。そういうところも愛している。



桂あやめ落語家25周年

2007年06月12日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

笑福亭瓶成「いらち車」
桂 あやめ「アタック! ナンバ一番」
春風亭昇太「愛犬チャッピー」
桂 あやめ「ちりとてちん」
~中入り~
桂 あやめ「桜姫桜姫花菖蒲文章」

例のニョコハマから帰阪して次の日、お世話になっているBarウーニーポンポンカウカウさんのお店に個展の搬入。夕方、ボスがニョコハマで怒りに任せて描き切った特大サイズの「龍動」のセッティングをミワンコフ達に託し、スマヌと言いながら私は一人繁盛亭へ。今回は『桂あやめ落語家25周年「五日のあやめ~一日三席相勤めます~」』を見に行ったのです。一度、女の落語家さんを生で見てみたいというのもあって出向いたのですが、見事期待を上回る面白い落語を見せていただきました。

どうしても女の人が落語をやるには限界があり、短髪・男装した事もあったけれど、それでは男の偽物でしかないと色々工夫されたそうです。今回の演目「ちりとてちん」も、このお噺に出て来る両極端な男2人を芸鼓さんに置き換え、上手くアレンジしいて演じてはりました。これが違和感なくて、思った以上に良かったのですよ。さすが!

昇太さんの演目は「愛犬チャッピー」でしたが、大阪での高座が増えて来ているという事をふまえて、出来れば違う演目をしてもらいたかったな~(私が昇太さんの高座に行き過ぎてんのか?)舞台やテレビ出演が多い中、たくさんの高座をこなしているだけでも凄いと思うので、文句は言いません。昇太さんを見られるだけでも満足なんだけれども、慣れというのは恐ろしいもので要求が増えてしまうものなんですなー。

今回初めての繁昌亭で、自分でも呆れたのですがまた道に迷ってしまいました。近所の酒屋のオバチャンの「今やったらまだ天神さんの中、通り抜けられるで」という言葉を信じて全く人気のない天満天神さんに入り込んだものの、どこも開いてませんがな。仕方なく今来た道をもどり、商店街を通って繁昌亭へ。

すでに昇太さんの高座が始まっておりました。2階席なら途中からでも入れるという事だったので、すごすごと2階へ。とは言え、なかなか良い眺めでしたよ。ゆっくり見るなら2階席でも良いんじゃないかと思います。今回は時間がなかったので途中で帰って来たのですが、あやめさんの高座、また見てみたいです。


春風亭昇太 独演会

2007年04月19日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

4月14日 春風亭昇太 独演会

「ハル子とカズ子」桂かい枝
「壷算」春風亭昇太
~仲入り~
「紙切り」林家二楽
「人生が二度あれば」春風亭昇太

MiDiANでのイベントを終え、トイレに行きたいのを我慢しながら歌うマキエロを鑑賞しながら、朝までカラオケで歌いまくったその数時間後。そんな昨日の今日で昇太師匠の独演会へ。ACCEPTを観に行った時から数えて十数年ぶりに尼崎のアルカイックホールに行って来ました。こんな事でもない限り、絶対に足を運ばない場所ですよ。

今回の出だしのトークでは師匠は皮のジャケットにジーパン、 ハンチングという普段のスタイルで登場。このアルカイックホール・オクトという会場が微妙な感じなので(多目的ホールで客席がどんな形にも変わるらしく、この日はムダに横に広がってスカスカだった)どうなる事かと心配されていたようです。

しかし、桂かい枝さんも林家二楽さんもお客さんを和ませるのがとても上手なようで、土曜日のお昼というまったりした時間帯も相まって会場は和やかムード満載。昇太師匠もホッとしたそうです。今回の師匠の演目「壷算」は一度観た事があるものの、やはり動きがコミカルで面白かった。二つ目の演目「人生が二度あれば」これはCDでしか聴いた事がなかったので、まくらでこのお噺をやると分かった時は期待に胸膨らみました。もち、GOOD!面白くないわけがない。この噺を聴く時はいつも「師匠がおじいさんになったら、こんな感じになるんだろうな~」と思いながら聴いております。

今回は「切り絵」の二楽さんが登場して、見事な手さばきでお客さんのリクエストに応えて行くのが面白かった。この人、切っているあいだ体をずっと前後左右に揺らしていたのですが、試しに一度、全く体を動かさずに切ってみると凄くいじけた感じに見えたのが驚きでした。お客さんも退屈してしまうわな。んなワケで、ホントは静止していた方が切りやすいのだけれど、ずっと体を揺らしているのだそうです。動物が動く物を見てしまうという習性を見事に生かしています。そういやボスのライブペインティングも、飲み屋でやってるわりにみんな酒を飲みもせずじっと見入っているお客さんが多いのは、何かが出来上がって行くさまを見るのが面白いからなのではないでしょうか。私の職人萌えもそういうところから来てるし。

今回は、桂かい枝さんの噺が聴けたのが良かったな。自然体なところがツボにはまって面白かった。こうやって少しずつ好きな噺家さんが増えて行けばいいなと思う今日この頃です。

Iron Maiden / Iron Maiden

 うっかり押して。
 
 

「桂小米朝十番勝負」その壱

2007年04月17日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

4月10日 ミナミ花舞台「桂小米朝十番勝負」その壱

対談 : 桂小米朝、立川志の輔(ゲスト)
小米朝「米揚げ笊」
志の輔「八五郎出世」
~仲入~
小米朝「三枚起請」

生の志の輔さんが観たい!と行って参りました。十番勝負の初回が志の輔さんて、いきなり大胆やな。正直なところ、素人判断ではありますが・・・互角ではなかったと思います。小米朝さんは上手いのかも知れん!知れんけれども、確実に志の輔さんの方が引き込まれ率が高く、爆笑する場面も多かった。

最初の対談で、志の輔さんが客席側の照明が明るいと気にし出し、多数決で照明を落とす事に。上方の寄席は噺家さんが出て来ても、殆ど暗くならないのです。志の輔さん的には「集中できるのかい?」と不思議だったようですが、演出とは言わないまでも雰囲気を気にするのは東京の落語家さんらしいかも。

志の輔さんがそう言うのだから、たぶん人情噺をやるのだろうと期待が高まります。この「八五郎出世」は「妾馬」とも言われる噺なんだけれど、案の定、泣きました。哀しいとかそういうんじゃなくて、映画の「寅さん」を観て泣くのと似てる。おばちゃんたちも泣いています。なんか切ないんだな~、志の輔さんの人情噺は。「ためしてガッテン」では絶対に見せない、めちゃくちゃ男前な部分なのですよ。で、このお噺のサゲは志の輔さんにかかると本来のサゲとは違うものになっているのですが、今回はそれとはまた違うパターンに変わってました。試行錯誤してるのだそうで、そういう部分も面白いのです。

小米朝さん、今回は初回だったせいか緊張してらしたのかも知れません。まだあと九番勝負残ってるけど頑張れ~。後には昇太師匠も控えてるよ。だけど、言っとくけど昇太師匠は最強だぜ!


春風亭昇太独演会 オレスタイル Vol.8

2007年03月13日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

『お見立て』
『ストレスの海』
~中入~
『崇徳院』
『愛犬チャッピー』

今回もワッハホールで行われた昇太師匠の独演会。
オープニングは、いつものごとく「携帯撲滅キャンペーン」のムービーが流れます。今回は極道編。舎弟役には、最近師匠のお話によく登場する弟弟子の柳好さん。なんとなく「立ってるだけで笑える」感が漂ってました(落語は面白くないそうですが)

『お見立て』の花魁、今回はちょっとオッチャンぽくて冒頭では花魁だという事が分かりませんでした。たぶん、極上の花魁とそうでない花魁の区別をつけると、ああいう風になるのではないかと。まぁ「お金のために結婚の約束をしたものの、相手が気持ち悪くて嫌だから私は死んだって事にしてくれ」なんていう姑息な花魁なので、オッチャンぽくて良いのかも知れません。今度は「紺屋高尾」をやって欲しいなー。このお噺の花魁を演る昇太師匠が見たい!内容も絶対合うと思うんだけどなー。

3席目の『崇徳院』は内容は知っていても、ちょっとしたドラマみたいに「これからどうなるんだろう?」とワクワクするんですよ。今回の独演会のテーマが何故か「病気」だという事で、このお噺は若旦那の恋煩いから始まる物語なのですが、次々と偶然が重なって結局はハッピーエンドとなります。「んなアホな!」って噺なんだけど、それがきっちりまとまってるので聴いててのめり込むんでしょう。これは大好きなお噺なので、聴けて良かったな~。

今日は何と、時間が余ったということで4席も演ってくれたのですよ(本来は3席)しかも、最後のおまけはあの「愛犬チャッピー」わー、生チャッピーが聞けて嬉しい~!!これもCDでしか聴いた事がなかったので「このシーン、どういう動きなんだろう?」と想像を膨らませていたのですが、やはり本物は面白かった。「この噺は、馬鹿馬鹿しいのに、やるのにすごい気合いが要るんですヨ」と師匠が言っていた意味が分かる。とてもアクティブでした。終演時間をおしての演目でしたが、これって開演時間が遅れたおわびも兼ねてたんじゃないのかなぁと、昇太贔屓の私は思ったりするわけです。

今回は新作、古典を織り交ぜたとても楽しい独演会でした。またモジモジする可愛い師匠が見れて良かった~。いつもの事ながら、すごくエネルギッシュで見てる方もパワーをもらった気がします。あー、もう今から次の独演会が楽しみでしょうがない。

Marty


春風亭昇太独演会 オレスタイルVol.7

2006年12月16日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

「時そば」
「伊予吉幽霊」
 中入
「明烏」

今回も「携帯電話撲滅キャンペーン」のムービーで始まった昇太師匠の独演会。毎回、携帯電話に対するミニコントを作られているのですが、今回は林家たい平さんがゲスト。会話してる最中なのに携帯に出るたい平さんが師匠の逆鱗に触れて殺されておりました。そんな笑えるオープニングムービーが終わると、いよいよ師匠の登場です。

今回は古典を3つされたのですが、どれも良かった。特に『伊予吉幽霊』には泣きました。落語で泣くってどないだと思われるかも知れませんが、私、結構落語で泣くんです。泣ける話があるんですよ、意外に。

<船に乗る仕事をしていた伊予吉が遭難して死んだあと、自分の母親が心配で成仏できずに友人の所に化けて出る。仕方なく友人は、伊予吉を連れて母親の所に行く。母親は、これからしばらく旅に出ると嘘をつく伊予吉にお金を渡し、送り出す。しかし母親は息子が死んでいる事が分かっていて「今度は三途の川の渡し船が転覆すれば良いのにねぇ、そしたらまた帰って来られるかも知れない」と言う。>

って、これを打ってる時点で思い出したら泣けて来た。だって昇太師匠が、いつものハイテンションとは違った、少し静かな感じでしんみりとこの演目をやるもんだから、たまらんのですよ。落語の人情話は、ドラマよりも泣けます!

『時そば』は、上方落語のお話をアレンジしたもの(上方だと「そば」が「うどん」になります)誰もが知っているお話なのですが、師匠がやると、ちょっと『壷算』っぽいアホさ加減で笑えました。アホな人を演じるのがまたお上手で、実際師匠も上方の変な人をやるのがお好きなのだとか。上方冥利に尽きるっつーか、変な人(=アホな人)と言われて悪い気がしないのは大阪人くらいのもので、そこがまた変な人と言われる所以なのかも知れません。

最後の『明烏』は「こんな可愛いおっちゃん、見た事無い」って言うくらい、師匠のかわいらしさが満載の演目でした。いつも師匠が演じる女の人っていうのは、それが何歳の設定であっても色っぽくてエエわぁと思っていたのですが、今回のおいらんは可愛らし過ぎ。ちょっと、何?あれ!?くそー。女である自分ですら、あんな可愛らしい有り様になった事がないので、正直ジェラシーがメラッとしました。

真面目な若旦那にも萌えました。子パンダがコロコロしてる様な、そんなかわいらしさ。いや師匠自体が子パンダっぽいのか。いかんせん、師匠は子パンダではなく47歳のおっちゃんだと言うのが驚くべきところです。憎い。でも、あんなぬいぐるみがあったら欲しい。

今回の独演会は、演目は渋いところをやって、その合間のまくら部分で爆笑をとる、といったスタイルでした。特に師匠が話す、柳昇師匠や弟弟子のエピソードは笑えます。あー、昇太師匠は本当に落語と柳昇師匠の事を愛してるのだなと、ほのぼのしたりして。

今回も、演目の合間に高座で生着替えをやってくれました。男の人が着替えてる場面なんて珍しくはないのだけれど、着物となると滅多にない事ですからね。その着替えの時に、舞台の袖から羽織が飛んで来たのですよ。しかも、何度も。なんだろうと思っていたら、桂 文珍師匠がいたずらしてたんです。遊びにいらしていたようで、ちょっとだけ舞台にも顔を出していました。たまに笑い声とかも聞こえて来たりして。

今年のシメにふさわしい、和気あいあいとしたとても楽しい独演会でした。もう次が待ち遠しいです。

Richard Galliano / Piazzolla Forever


船場上方 噺の会

2006年11月15日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

今日は船場の御堂会館まで落語を観に行って来ました。

実は、昨日も御堂会館には行ったんですけどね。ええ、日にちを間違えて。なに通ってんだよ、って話ですよ。今日はちゃんと行けましたけどね。お祭りムード満点でしたよ。ロビーには、お菓子やお酒、ブラスバンドなんかもいたり、寄席文字の実演なんかもあったりして大変にぎやかでした。お客さんも大入り満員で、立ち見席まで出てたようです。

「軽業」・・・林家染雀
「壷算」・・・春風亭昇太
「涙をこらえてカラオケを」・・・桂 三枝
仲入
「釣道入門」・・・笑福亭福笑
「お玉牛」・・・桂 春團治

毎回、面白い面白いと書いておりますが、今回も本当に面白かった。大御所ばかりですよ。具がいっぱいつまってる豚まんみたいなもんです。

林家染雀という噺家さんは、落語以外に漫才をやったりと多芸な人のようです。演目も三味線や太鼓の音が入り、にぎやかで楽しいお話でした。お目当ての昇太師匠の「壷算」は、CDを聞いて覚えるくらいに好きな演目だったので期待していたのですが、やはり期待を上回ってました。後ろの席のおっさんが「壷算をああいう風にやるとはねぇ。目からうろこですよ」と言っているのを聞いて、本来はどういった感じなのだろうと、また興味が湧きました。落語には、内容は同じでも人によって変わるのが面白いところです。

三枝師匠は風邪をひいてしんどそうだったけれども、今回のお話には爆笑してしまった。さすがです。福笑師匠は、飲み屋なんかにいる、よう喋るおっさんといった感じだったのですが、やはり笑わずにはいられない雰囲気が漂っておりました。春團治師匠は、なんだか分からないけど後光がさしてましたよ。「眠りを誘う春團治」と、誰かが言っていたくらい静かな喋り方なのに、グッと引き込まれるあのオーラみたいなものは、何なんでしょうか。もの凄く上品でかわいらしくて、おじい大好きの私にとって萌えポイントが非常に高かった。

今回も最前列で穴があくほど噺家さんを見ていたのですが、みんな凄いお洒落です。昇太師匠は、着物の色と眼鏡の色はいつも同じだとか、襦袢の色や半襟の色なんかも粋で、それはまぁ当たり前の事なのかも知れないけれど、大御所になればなるほどお洒落になって行くような気がする。春團治師匠の羽織紐なんて金細工だもの。

いや~、今回も良いもん見せてもらっちゃったよー。

Dream Theater / Score


桂 雀々 独演会

2006年11月04日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

行って来ました「やる気満々!!桂 雀々 独演会」

桂 吉の丞・・・「開口一番」
桂 雀々・・・・「口入屋」
春風亭昇太・・・「お楽しみ」
ゲスト・春風亭昇太・・・「対談うだうだ」
桂 雀々・・・・「蛸芝居」

雀々師匠の落語を観る機会もあまりなく、どんな感じなんだろう、とまぁ今回も昇太師匠みたさに出向いたわけですが。

雀々師匠の落語、面白かったです。
正直なところ、テレビで見ている時点では面白い人だと思った事はなかったのですが、落語をやってる雀々師匠は面白い。お話の中に出て来るキャラクターが立っているのです。そのコミカルさは、マンガを見ているような感じ。大量の汗をかきかき、高座を所狭しと動き回る様は観ている者を飽きさせない。そんな落語でした。

昇太師匠の演目は、以前テレビでもやっていた創作落語でした。これも面白かった~。
落語には「まくら」という、本題に入る前のイントロみたいなものがあるのですが、そのまくらも大体演目によって決まっているようです。今回も昇太師匠の弟弟子と、今は亡き柳昇師匠の会話のネタがあって、個人的に私はそのお話が聞けただけでも満足でした。

久々に着物を着て行ったのと、1列目でかぶりつきという状態だったのでかなり疲れたのですが、帰りの道すがら落語ってホントに不思議な芸能だと考えておりました。昇太師匠いわく、着物を着た人が座布団に座ってただ喋るのを、ニヤニヤしながら観るというだけの事なのに、何でこんなに引き込まれるのかよ。
しかも、古典落語なんて同じ内容の話を色んな噺家さんが演じるのにも関わらず、それぞれの色があって全く違う雰囲気になる。そんな、伝統を守る部分と型を破る自由さが入り交じった不思議な芸能にますますハマっていく私です。

春風亭昇太 / 御神酒徳利


そごう寄席

2006年09月10日 | カノリンヌの「落語っておもしろい!」

昨日は心斎橋のそごう劇場にて「そごう寄席」を観に行ってまいりました。

・・・・・・・・・演目・・・・・・・・・
桂ちょうば 「鉄砲勇助」
桂 梅團治 「おごろもち盗人」
春風亭小朝 「ヴィンテージ・オブ1985」
春風亭昇太 「権助魚」
林家 染丸 「浮かれの宵より」

もちろん昇太師匠を観に行ったのですが、他の噺家さんの落語も非常に面白かった。江戸の落語と上方の落語ではテンポや話し方が全く違うので、その対比も興味深かったです。今回は小朝師匠だけが新作落語で、他の四人は古典落語。小朝師匠のお話は、落語とフォークソングのミックスでトレンディドラマ仕立てでした。最後のサゲもベタにズッコケる感じ。やはり東京の落語家さんは喋り方も内容もスマートです。

で、いよいよ昇太師匠の出番です。お囃子が鳴ります(あ、ちなみに今回は夢オチじゃありません)静岡出身の師匠本人いわく、ミカンを意識したオレンジ色の着物とグレーっぽい袴姿で登場です。本題に入る前のまくら部分も面白いわぁ。あれ?このまくらは聴いた事がある。もしかして・・・!

師匠の落語をCDで聴いている私は「これ『権助魚』のまくらだ!」と気付いた瞬間からもうワクワクですよ。師匠の古典落語の中でも、この「権助魚」はお気に入りだったのです。CDを聴きながら「こんな格好しながら、あんな感じで喋ってるのかしら」と想像する事しか出来なかったお話を実際に観てみると、これが期待してた以上に面白い。私の想像力なんてそんなもんです。さあ、お話も佳境に入り、ますます盛り上がるぞと思った瞬間でした。

「ピリリリリ」

私の斜め後方から聞こえてきます。ババァの携帯でした。「あらら」と慌てて携帯を出すも、止め方が分からない。いつまでも携帯は鳴り続けます。殆どのお客さんが眉間にしわを寄せて振り返る。それでも師匠は、お話を続けなければいけません。女将さんが、権助(ごんすけ)という下働きの小僧にガミガミ言ってるという内容でした。

「権助や、権助、あんた・・・携帯を切りなさい!!」

女将さんが突然、携帯を止められないババァに言いました。ムカついていたお客さんは爆笑です。小遣いが1円だ2円だと言ってた時代の、それこそ携帯なんて想像も出来なかった頃の女将さんが吐いたセリフだと思えば、滑稽さもひとしおです。そのままテンポが狂う事なく、違和感もなく、携帯の音に気を取られたお客さん達を引き戻したその手腕は、さすが師匠だと感心するばかりでした。

その後も、オフにする操作が分からないババァの携帯は2回ほど鳴ります。私の隣のジジィが「いい加減にしろ」とキレてました。そういうあんたが持ってるビニール袋もガッサガサうるせーんだよ。そんな半ボケ老人天国の中でしたが、心を無にして何とか師匠の落語に集中する私。だけど、一番やってられなかったのは師匠なんじゃないでしょうか。可哀想に。



その後、私は心配になって師匠の楽屋に行こうとしたら花魁のかつらをガボっと・・・なんてあるワケありません。でも今になって思えば、騒ぐババァに「うるせぇ!」と言う師匠だとか、演目を終えてそでに引っ込む様子だとか、先日(8月28日)に書いた日記の内容と殆ど同じでした。あれは予知夢だったんでしょう。そんな日もあるもんです。

気を取り直して、最後は林家染丸師匠の落語です。踊りに長唄、歌舞伎みたいに見栄を切ったりと壇上を所狭しと動き回り、見事な伝統芸能を見せつけます。これがまた格好良い!こんな落語もあったんだ。滅多に伝統芸能に触れる事がない日々を過ごしている中、たまにこういう卓越した芸を観せてもらうと、もっと頑張らなければと思う私でした。

DREAM THEATER / SCORE

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