※希少植物の情報が拡散しないよう、以下の文章の植物名には一部不要な文字をわざと入れて検索避けを行っています。
日本の最果ての地とでも言えそうな場所に荒々しい岩山があります。
登山道はなく、一般登山者にはほとんど知られていませんが、野草ファンには大変有名な花の名山。
盗掘者が暗躍し、貴重な植物の自生地を荒らしまくっているそうです。
この日も車一台やっと通れる程狭い、山麓の農道で福岡ナンバーの怪しいミニバンを見かけました。
その先は行き止まりになっており、普通の人がこのような場所に来るはずもない場所なんですが・・・
山のあちらこちらに盗掘者への警告文が記載された杭が打たれており、この山の盗掘の深刻さが伺えます。
ブログに山名を記載すると、検索され盗掘を助長しかねないので止めておきますが、画像であれば大丈夫ですので、以下の山頂標識をご覧ください。
最近設置されたこの山頂標識。以前から登っていた方はどのような感想をお持ちでしょうか?
登山道もなく、荒々しく人を寄せ付けない厳しい岩山の威厳が、この山頂標識によって失われるような気がするのですが・・・
さて、私が登るルートは多くの方が使うルートとは違い、主尾根を挟んで逆側から登る独自ルートなのですが、近ごろある事情で非常に遠回りを余儀なくされて困っています。
以前のルートに合流するまでに、尾根を登ったり下ったりを繰り返えさなければならず結構きついんです。
と、ぼやいてばかりいてもしょうがないので、出発しましょう。
林内に入るのも一苦労。
尾根に取りつきます。
アップダウンを繰り返し、尾根をひたすら歩くと展望の良い小ピークに到着します。
これから向かう山体が遠くに望めます。
このあたりには、すでにお目当てのイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウやチ・ョ・ウ・セ・ン・ノ・ギ・ク、ダ・ン・ギ・クが沢山見られ、花だけが目的ならここで任務終了なのです。
ここのイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウはなぜだか全部蕾でした。
小ピークから先へ進み、鞍部の峠へ到達。ここで、ようやく本来のルートと合流です。
ここにも盗掘者への警告が掲示されています。
ここは、国立公園の特別地域なので指定植物の採取は自然公園法で禁止されています。
それを犯して盗掘する者は犯罪者といってもいいでしょう。
峠から谷へ下ります。
沢沿いにどんどん進みます。
この付近でよくイノシシと遭遇するのですが、今日は留守のようですね。
ここから谷ルートと尾根ルートの選択なのですが、行きは花が沢山咲いている尾根ルートを選択。
この崖を登り、尾根へ取りつきます。
とんでもない急斜面。木の根につかまりながら登ります。
さぁ~ 尾根を登って行きますが、この道のりは茨の道。
灌木が生い茂り、匍匐前進を余儀なくされる場面も多数。
また蜘蛛の巣が顔面を直撃する事度々で、思わず声を出して叫んでしまいます。
棘植物に絡まれたり、女郎蜘蛛にまとわりつかれたりして気がめいりますが、岩場の展望や可愛い花に癒されて頑張ります。
これから登る迫力の岩塊。
この尾根には希少な植物が群生しています。
チ・ョ・ウ・セ・ン・ノ・ギ・クやイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウが林内で花を咲かせている事を意外と思う人が多いかも。
一般の皆さんが訪れる山では日当たりの良い岩場で咲いてますからね。
尾根の林床はこのような植物で埋め尽くされています。
ところどころイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウの花茎がでてるので、これらはイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウの葉なのか?
よくわかりません。
チ・ョ・ウ・セ・ン・ノ・ギ・クも沢山咲いてます。
そうこうしているうちにようやく不快度指数100%の苦しい尾根歩きが終了し、岩場に出ました。
素晴らしい展望が広がり、解放感満点です。
もうすぐ山頂に到着しますが、お腹が減ったのでイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウを見ながら昼ご飯。
天気も良くてまったりします。
さてさて、山頂に向けて出発しますよ
登ってきた方向はこんな景色
山頂方向の主稜線をどんどん進む
雄大な景色に目を奪われ、足元の花々を見逃しそうでした。
強烈に爽快な香りを放つイブキジャコウソウ
無数のイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウ
オトメさんが見当たりませんが、お留守かな?
惜しい! これは薄っすら色がついているので、さしずめオトメモドキ!
滑落しないよう慎重に尾根を進み山頂到着(*^^)v
山頂のイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウの脇に枯れた花茎が見えますが、貴重なネ・ズ・ミ・シ・バかな?
雄大な展望をご覧ください。
チ・ョ・ウ・セ・ン・ノ・ギ・クの咲く風景
さぁ~ 本日は山頂からさらに先の険しい岩場に降りてみましょう。
この断崖の上が先ほど居た山頂。
こうやって見ると凄まじい場所に居たんですね!
ここに来た目的はこれ。希少なミヤマビャクシン。
海岸、高山の岩場などに自生する針葉樹で、地を這うように生えてます。
うちの近所に植えてあるハイビャクシンとの違いが今一わかりませんが。
木々を潜り抜け、さらに先に進むと断崖の先端に到達します。
断崖絶壁でここから先へは到底進む事はできそうもありません。
花々を見ながら山頂へ引き返します。
こんな素敵な場所に居ると時間を忘れてしまいそうです。
気が付けばかなり長居してしまったようで、そろそろ下山しなければ暗くなってしまいます。
しばらく来た道を引き返しますが、途中で谷ルートへ進路をとります。
この崖を懸垂下降にて、谷へ降下。滑落しないよう慎重に。
両側を岩壁に挟まれた峡谷を降りていきます。かなりの急勾配なので気を付けて。
途中、エビネが落ち葉に埋もれていましたので救出。
猪突猛進、どんどん降りていきます。
いててっ、左足をかるく捻挫。左足は捻挫が癖になっていて、よくくじいてしまいます。
幸い軽症で済み、足をかばいながらゆっくり降りていきます。
まだまだ峡谷は続きます。
やがて小さな沢に到達し、尾根ルートとの分岐点に戻ってきました。
ここから来た道を引き返します。
再び小ピーク付近に戻ってきました。
ここにはイ・ト・ラ・ッ・キ・ョ・ウが群生していますが、全部蕾。
岩場から景色を眺めます。
さっきまで、あの断崖の上に居たんだなぁ~ と感慨にふけります。
ここから進路を誤り、海岸に突き出る断崖絶壁へ出てしまいました。
GPSで進路の確認を怠るとこうゆう目に合うので気を付けましょう。
もとに戻るのも面倒なので、ここから尾根を外れ谷へ向かい、海岸へ降りる事にしました。
痛む左足をかばいながら、猛烈な藪を突進しなんとか海へ脱出。
幸い潮が引いてましたので、海岸をたどり戻る事ができました。
再び、日本のエアーズロックとでも形容されそうな岩山の雄姿を眺めます。
近づく事さえ難しい厳しい岩山。
希少な植物を守るため、立ち入り禁止にしてもよいぐらいのところだと個人的には思います。
安易な入山は危険ですので、ルートを熟知した地元のガイドと同行するようにしてください。
最後までご覧いただきありがとうございます(=゚ω゚)ノ