海藻のうた

kimuhamuの日記でございます。since 21.9.2009(3.3.2005)

氷菓新作 いまさら翼と言われても 後編

2016年01月19日 | Weblog
小説誌 野性時代を購入し、
以前アニメ化された米澤穂信さんの氷菓シリーズ(正しくは古典部シリーズ)の新作「いまさら翼といわれても」の後編を読みました。

前編が読めてないので、
後編だけ読んだ感想で
さらにネタバレしないように書こうと思います。

誰も殺されない学園推理モノ。

これが氷菓だったりします。
しかし、その事件の内容は、高校生の主人公たち4人にとって、
切実な悩みが起因するものであり、

今までの内容では、
氷菓が、絶対多数の期待という名の暴力
万人の死角が、祭り上げられ落とされる人
クドリャフカが、持たざる者の無力感
持久走が、誤解とレッテル
あとは、恋愛や進路といったところでしょうか。

そして、主人公たち四人が、
ホータローの推理、考察
えるの感覚、状況観察
さとしのデータベース
まやかの矛盾点の気付き
という、それぞれの得意な部分を持ち寄り
絶妙なバランスで、
問題を解き明かしていくというところが
魅力だと思います。

さて、前置きはこれまでとして、
今回の内容は、

メンバーの一人が
これまで築いてきたものが
ガラガラと崩れ落ちていく様を描いています。

それは、客観的にはそのメンバーにとって良かれと思われることですが、
その主観的な部分では、
思春期の若者にとって、すぐに受け入れることは難しいものなのでしょう。

そして、今までのイメージを覆すような行動に出ます。

そして、別のメンバーが、まぁ、ここはホータローしかいないことは、氷菓を読んだ方ならお分かりでしょうが、
これも今までの主義を覆す働きっぷりで、
ことの原因と、メンバーの心情まで解き明かします。

他愛もないことに込められた、思春期ならではの切実な思い

さて、物語が終わった後、
どうなったのかが

私、気になりますっ!

後、前編の「甘すぎる砂糖」がどんな話だったのかも
気になりますっ!

なるべくネタバレしないように物語を振り返ってみましたが、
感想としては、
高山の街並みを思い浮かべながら
あの大好きな主人公たちが
相変わらず悩み、後悔する様を読むにつけ
昔の友人と再会したような懐かしさを感じました。

全体的に暗めな内容でしたが、
人が殺されない推理モノは好きですし、
主人公たちの新たな一面が見られて、楽しかったです。

この舞台が岐阜県だってことを
すごく嬉しく思います。
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