視覚障害者きうっちの自立への道

視覚障害者きうっち(S52年生)が気の向くままに日々の生活をツラツラとつづるブログ

音声読み上げソフト『AOK Office』ってこんなソフト

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 11月の初旬、8月頃から自分が注目していた音声読み上げソフト、とある販売店から購入していた『AOK Office』がようやく手元に届きました。
ところでこのAOK Officeという音声読み上げソフト、自分自身も事前にあったこのソフトの体験会で実際にソフトを触ってみるまでほとんど実像が分からなかったのですが
とにかくネット上での情報が少ないんですよね。googleなどの検索サイトで検索をかけても、ほとんどその網に引っ掛からない。わずかに拾ってくる情報といえば
AOk Officeが対応しているPCのCPUやソフトなどの、いわゆる『文字で簡単に表せる情報』のものばかりです。

 なのでせっかくこのAOK Officeを手に入れたことですし、全国の視覚障碍者に情報を還元するという意味もこめて(←そんな大げさな(汗))
自分なりにこのAOK Officeというソフトを開設していってみたいと思います。
ま、どこまでこのソフトの機能を説明し切れるのかは分かりませんが…。
なお、解説は以下の項目に沿ってしていきます。

1. ソフトの基本的な概要
2. Word2007やExcel2007なのにメニューバーが使える!?
3. 各種Officeソフトを使った際の読み上げ方を強化
4. テンキーを使ってマウスカーソルを動かせるようになった
5. 10種類もある音声エンジン(サンプル音声あり)
6. 点字ディスプレイをPCと接続した際の機能が強化された…らしい(汗)
7. このあたりはAOK Officeのだめなところかも…
8. 結論



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ソフトの基本的な概要

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 まずは、おさらいの意味も込めてこのソフトの基本的な概要の説明から。
↓に記してあるような説明は、恐らく発売前でも様々なサイトに記されていた情報だとは思うのですが、まぁ確認のため一応掲載。

標準価格:\134,400(税込)
複数ライセンスのご購入に際しては、別途ご相談ください。
メーカー:高知システム開発

【概要】

「AOK Office」は、ビジネスユースに適した高知システム開発社製スクリーンリーダーの最高峰モデルです。
複雑なビジネス文書をスピーディーに把握、編集するために新たに採用したクイックビュー機能をはじめ、ダイレクトコマンド、仮想カーソル操作など、Microsoft Officeをより快適に使いこなすための機能を豊富に搭載しています。
さらに発売以来ご好評をいただいているVoiceWorks、BrailleWorksの機能も搭載しているので、豊富な音声エンジンからお好みの音声をお選びいただきご利用いただけることはもちろん、点字ディスプレイ出力にも対応しています。

【主な特徴】
●Microsoft Officeを使いこなす
複雑化するビジネス文書をスムーズに編集できるクイックビューなど、Microsoft Officeをフル活用できる機能を満載しました。マクロ編集(VBA)など、スキルに応じた高度な利用が可能です。
仕事のスキルアップに有効な日商PC検定試験にも対応しています。(Word文書作成)
●ビジネスに最適なパッケージ
AOK Officeは、Microsoft Officeに最適化されたPC-Talker 7、PC-Talker Vista、PC-Talker XP、VoiceWorks、BrailleWorksの5つの商品がセットになった、ビジネスユーザーに最適なパッケージソフトです。
●USB辞書で快適な音声
USBメモリの音声エンジンを利用することで、ハイレスポンスな音声操作を実現しました。ハードディスクへの集中アクセスが無くなり、ビジネスアプリケーションへの負担が軽減、省電力にも優れています。

【動作環境】
●対応OS
・Windows 7 (32bit および 64bit)
・Windows Vista (32bit のみ)
・Windows XP (32bit のみ)
●CPU/メモリ
対象のOSが推奨する環境
●ハードディスク
インストール時に3GB以上の空き容量が必要
●対応Microsoft Office シリーズ
Microsoft Office 2003・2007・2010(32bit/64bit) (Word・Excel・Outlook・PowerPoint)
●製品媒体(メディアの種類)
USBメモリ (16GB USB3.0対応)
※AOK Officeのインストールとご利用にはUSBメモリの装着が必須

 …とまぁ、ソフトの概要としてはだいたいこんな感じ(実はこの説明、自分がこのソフトを購入した販売店の説明文からほぼそのまま転載してきているのですが(汗))。
この中で一番目を引くのはやっぱり『ソフトのお値段』でしょうかねぇ。やはりJAWSにも比肩する、13蔓延超のお値段はちと手軽には手を出せない金額です。例え自治体から購入するための助成金が出ていたとしても。

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Word2007やExcel2007なのにメニューバーが使える!?

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 ではここからは自分がこの音声読み上げソフトを実際に使ってみての感想。自分が『このあたりがこのソフトのウリかな…』といったあたりの機能を中心に解説していこうと思います。
まずは、上の小見出しのタイトルにもあるようにAOK OfficeではWord2007やExcel2007でもメニューバーを使うことができます。
まぁ正確には、2007以降にあるリボンと同時に、2003までのようなメニューバーも扱うことができる、というもの。
……は?-。パッとこれを聞いただけではたぶん全く意味が分からないと思うので、ちと補足説明。

 見た目上、どうなっているのかわたしが目が見えないので(汗)分からないのですが、少なくとも音声上では
AOK Officeを用いて各種Officeソフトで作業をしている場合、2003以前のメニューバーと2007以降のリボンが並列した形で呼び出されることになります。
まだどういうことなのか分かりにくいと思うので、ここではExcel2010を例にして説明していきます。

 まずExcel2010で無題のbookを起ち上げます。ここでAltキーを押すと『メニュー』という音声が流れます。
さらにこの状態で十字キーの→を押すと『ホーム』という音声が流れます。少し分かりにくいですが、ここがExcel2007以降でのリボンの一番左側にあたります。
また『メニュー』の音声が流れた後に十字キーの↓を押すと、『ファイル』という音声が流れます。これがExcel2003以前にあったメニューバーの一番左側にあたります。
音声では少し分かりにくいのですが、ここまでの説明を一応図で解説しておくと

メニュー(ここで→を押すと一行下のリボンへ、↓を押すと2行下のメニューバーへ)
ホーム→挿入→ページ レイアウト→数式→データ→校閲→表示→Microsoft Office ナビ 2010→リボンの最小化→Microsoft Office のヘルプ→ファイル→(以下一番左へ戻る)
ファイル→読み→編集→表示→書式→データ→挿入→ツール→ウィンドウ→ヘルプ→(以下一番左へ戻る)

ちなみに、リボンの『ホーム』で←を、メニューバーの『ファイル』で↑を押すと
Excel上でAltキーを押した際に一番最初に流れる『メニュー』という音声に戻ります。
つまり、Excel上でAltキーを押した際、2007以降のリボンか、2003以前のメニューバーかを選択できる状態になっており
そこで→を押すとリボンへ、↓を押すとメニューバーに行くようにメニューが枝分かれしているようなイメージと考えてください。
Excelに限らず、AOK Officeでは各種Officeソフトで作業をする際、このようにリボンとメニューバー、好きな方を選んで作業をすることができます。

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各種Officeソフトを使った際の読み上げ方を強化

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 AOK Officeでは、全体的に各種Officeソフトの読み上げ方が強化されました。ではどのように強化されたのか?-。
これから以下に、Microsoft Officeの主なアプリケーション5つについて、別添のダウンロード資料『AOK Officeを用いた際のExcelの読み上げ方.xls』と合わせて説明していこうと思います。
また、以下の説明の大前提として、AOK OfficeはOffice2003、Office2007、Office2010に対応しています。

・Word
正直、普通に文書をWordで作成している時はこれまでのPCトーカーとそれほど変わらないような気がします(汗)。
一番読み上げ方が強化されたと思われるのがWordで表を作成した場合。JAWSほどではないですが、表の内容を確認することがだいぶ楽になりました。
まず、Alt+win+tで表の構造を把握することができるようになりました。
また表のセル間をタブキーなどで移動した場合、『1行2列』などカーソルが今、表のどの位置にあるのか、だいぶ分かりやすくなりました。
またこれは旧バージョンのPCトーカーからあった機能なのかもしれませんが、shift+Alt+kで表に引かれている罫線を確認することもできます。

・Excel
カーソルをセル移動させた際に読み上げられる、セルの情報が格段に増えました。その詳細については別添のダウンロード資料を参照してください。
ただ、Excelの入力規則を設定した際のコンボボックスの内容を全然読み上げてくれないだとか、表示形式の通貨を選択した時『¥』の記号だけ何故か読み上げてくれなかったりだとか、いくつか気になる点はあるのですが……このあたりは今後のバージョンアップで解決されるのでしょうか…?

・PowerPoint
これまでPCトーカーは、PowerPointの読み上げには基本的に対応していませんでしたが、
AOK Officeではしっかり読み上げに対応しています。ただし『スライドショー』でスライド間の移動をロールアップ、ダウンで行なった際(というかこれしか方法がない)
次(前)のスライドに切り替わった際には『スライド01』『スライド02』のように、スライドをページ数でしか読み上げてくれないので、スライドショーを行う際には、事前に自分の頭の中に作成した各スライドの構造を把握しておくことが必須だと思われます。

・Outlook
これまでPCトーカーは、Outlookの読み上げには基本的に対応していませんでしたが、
AOK Officeではしっかり読み上げに対応しています。正直、それほどAOK officeの読み上げでOutlookを使いこんだわけではないですが
少し使ってみた感じでは、キーボードでカーソルが動かせる場所は全部読み上げてくれるはずです。

・Access
残念ながら、AOK OfficeはAccessには対応していないそうです(涙)。

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テンキーを使ってマウスカーソルを動かせるようになった

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 AOK Officeの大きな特徴の一つとして、テンキーを使ってマウスカーソルを操作できることが挙げられます。
そのテンキーでのマウスカーソルの詳しい操作方法は、*以下に記してある、AOKメニューのマニュアルから引っ張ってきた説明文を読んでいただきたいのですが
AOK Officeではテンキーを用いて行う作業モードを3つの中から選ぶことができます。

 まず普通のテンキー入力ができる『テンキー』モード。そしてクリップボードを様々な用途で使用することができる『クリップボード』モード。
最後にマウスカーソルをテンキーで操作できるようにする『マウス』モード。AOK Officeではこれら3つのテンキーのモードを
Alt+Ctrl+Home
で切り替え、選択できるようになっています。

 このテンキーの『マウス』モードを使えば、これまでキーボードのみの操作では押すことができなかったボタンや
今まではフォーカスを当てることさえできなかったウィンドウへカーソルを合わせて色々作業することができたり、これまで全盲の視覚障碍者が操作することが難しいとされていた、
大半のウィルス対策ソフトの操作が、このテンキーの『マウス』モードでできるようになりました。
自分なんかはこれまで、『そこにボタンがあることは分かっているのに』キーボードの操作だけではカーソルをそこに合わせることができない、ボタンを押すことができないなんて歯がゆい思いを散々してきたので
この『マウス』モードの存在は本当にありがたいですね。

 また、同じような機能のある音声読み上げソフト、JAWSとの最大の違いは
キーボードの操作をしながら並行してマウスの操作もできる、というところでしょうか。JAWSではキーボードのカーソルにあたる『PCカーソル』とマウスカーソルにあたる『JAWSカーソル』を
イチイチ切り替えないと、キーボードとマウスを扱うことができませんでした。でもAOK Officeではキーボードの操作はフルキー、マウスの操作はテンキーでとほぼ切り離されているので(ただしテンキーでの数字入力は『マウス』モードではできなくなってしまいますが)
このあたりはAoK OfficeのJAWSに比べてのいいところなのかな、と自分は感じています。また当然といえば当然なのですが
テンキーが存在しない、一部のノートPCではこの機能を使うことができないので、その場合は外付けのデスクトップタイプのキーボードを接続してこの機能を使ってください。

* * * *
◆◆◆ テンキー マウス操作モードコマンド

Windowsの基本概念では、マウスでもキーボードでも、同じような操作ができることが基準となっています。
しかし、画面情報を主体としたWindowsのソフトは、マウス操作を主体としたものとなっています。
そして、キーボードでは操作不可能なボタンの多用など、マウス操作だけを考えたソフトが増加しています。
そこで、PC-Talkerでは、テンキーの操作だけで、ボタンに自動的にマウスカーソルを移動してクリックできる機能を装備しました。
マウスカーソルのガイド音声と共に、Windowsのマウス操作を支援します。

●マウスカーソルの音声ガイド 切替・・・・・・・Ctrl+Alt+_(アンダーライン)
 マウス操作中、マウスカーソルのあたった項目について自動的に音声ガイドします。
 マウス操作モードを使用する場合、この設定を『読む』にしておくと便利です。

●マウスカーソルの移動
 上へ移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー8
 下へ移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー2
 左へ移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー4
 右へ移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー6

 移動スピードを速くする
 上へ高速移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー8
 下へ高速移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー2
 左へ高速移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー4
 右へ高速移動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー6

●マウスカーソルのブロック移動
 現在アクティブなウィンドウの四角形領域を3段3列に9分割したブロックに見立て、それぞれのブロック位置に移動させます。
 左上ブロック(1段目1列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー7
 上ブロック (1段目2列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー8
 右上ブロック(1段目3列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー9
 左ブロック (2段目1列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー4
 中央ブロック(2段目2列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー5
 右ブロック (2段目3列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー6
 左下ブロック(3段目1列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー1
 下ブロック (3段目2列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー2
 右下ブロック(3段目3列)へ移動・・・・・・Ctrl+テンキー3

●マウスカーソルの自動移動
 現在アクティブなウィンドウ内にある、ボタンなどのコントロールへ自動的に移動します。
 次のコントロールへ移動・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー0
 前のコントロールへ移動・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー0
 ※テンキーモードに関係なく、マウスカーソルを次のコントロールへ移動は Ctrl+Alt+] で実行できます。
  前のコントロールへ移動は Ctrl+Alt+[ で実行できます。

●マウスボタンの操作
 左ボタンのクリック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー7
 右ボタンのクリック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー9
 マウスホイールを押す・・・・・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー7
 マウスホイールを上へ回す・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー9
 マウスホイールを下へ回す・・・・・・・・・・・・・・Alt+テンキー3
 ※テンキーモードに関係なく、左ボタンのクリックは Ctrl+Alt+@ で実行できます。

●マウスカーソルの位置読み上げ
 マウスカーソルの位置を垂直方向・水平方向の順にドット単位で読み上げます。
 全画面中の位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テンキー.(ピリオド)
 現在アクティブなウィンドウ内での位置・・・・Alt+テンキー.(ピリオド)
 ブロック単位を基準とした位置・・・・・・・・・・・・Ctrl+テンキー.(ピリオド)

●ウィンドウサイズの切り換え・・・・・・・・・・・・・・テンキー1
 現在アクティブなウィンドウのサイズを 大中小 の順に自動的に切り換えます。

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