視覚障害者きうっちの自立への道

視覚障害者きうっち(S52年生)が気の向くままに日々の生活をツラツラとつづるブログ

点字ってこんなものなんですよ(その2)

2009-10-10 14:11:22 | 視覚障害
 前回の点字の記事を作った時は、日本語の50音と『っ』、『―(長音)』を紹介しました。
もっともあのような稚拙な内容で点字の事が十分伝わったかどうかはかなりアヤしいところですが…。
さらに今回は濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音などを紹介していこうと思います。
そして前回紹介した内容と今回紹介する文字を組み合わせれば、大概の人の名前は書けるようになると思います。
……ま、あくまで日本人ならば、という注釈付ですが(苦笑)。
また前回の点字の記事のリンクを↓に貼っておきます、念のため。
こちらで紹介した内容もちょいちょい確認しながら今回の記事を読んでもらえればより分かりやすいかと思います。

2009/10/03 点字ってこんなものなんですよ(その1) 50音、っ、長音編

■濁音は1マス目に5の点を打って『゛』を表す
 濁音は1マス目に5の点、そのすぐ後ろの2マス目に普通のかな文字を打って表します。例えば『が』という文字を点字で表す場合は

   ・ 
 ・   
    ・

というような感じで表します。見ての通り、濁音の文字は2マス使って表し
まず1マス目に5の点を打ってその文字が『濁音』である事を表し
続く2マス目に50音の『か』の文字を打って『が』という濁音の文字を表します。
ちなみに自分が点字のこの濁音の表し方を知って真っ先に思い浮かんだのは
『まるで初期のファミコンの頃のドラクエやファミスタのキャラの名前の表し方みたいだな』という事(笑)。
でも実際そうだったのだからしょうがないのですよ。現在、自分の年齢(31歳)と同じぐらいの年代の人なら分かる人も多いのかと思いますが
昔のファミコンの頃のゲームソフトは要領の関係で濁音や半濁音の文字を1マスで表せなかったんですよね。しかも大概のゲームは4文字までしか
名前が表記できなかったから、かなりおかしな感じの表記も今考えるとチラホラと散見されてましたが。
『バース』は『は゛あす』だったし濁音じゃないですが『クロマティ』は『くろまて』だったし。
それが今じゃ名前の漢字表記は当たり前だし名前の入力も10文字くらいまで平気でできるゲームもたくさんあるしなぁ…いや、時代も変ったもんです。

…ちょっと話が脱線し過ぎました(苦笑)。話を点字に戻します。
で、上の要領で濁音の文字を点字で表していくと

が     ぎ     ぐ     げ     ご    
   ・     ・     ・・    ・・     ・
 ・     ・ ・   ・     ・ ・   ・ ・ 
    ・     ・     ・     ・     ・

ざ     じ     ず     ぜ     ぞ    
   ・     ・     ・・    ・・     ・
 ・  ・  ・ ・・  ・  ・  ・ ・・  ・ ・・
    ・     ・     ・     ・     ・

だ     ぢ     づ     で     ど    
   ・     ・     ・・    ・・     ・
 ・  ・  ・ ・・  ・  ・  ・ ・・  ・ ・・
   ・      ・    ・     ・     ・ 

ば     び     ぶ     べ     ぼ    
   ・     ・     ・・    ・・     ・
 ・     ・ ・   ・     ・ ・   ・ ・ 
   ・・    ・・    ・・    ・・    ・・

ざっとこんな感じになります。ま、ようは普通の50音の前に5の点がつくだけだからルールさえ分かってしまえば
結構簡単なもんですよね。で、次に紹介するのですが半濁音もこれと同じような要領で書きます。

■半濁音は1マス目に6の点を打って『゜』を表す
 半濁音も濁音と同じ要領で1マス目に6の点を打ってから2マス目に対応する50音の文字を打っていきます。
…ま、対応する50音といってもようはは行しかないのですが。というわけで実際に点字で表してみると

ぱ     ぴ     ぷ     ぺ     ぽ    
   ・     ・     ・・    ・・     ・
         ・           ・     ・ 
 ・ ・・  ・ ・・  ・ ・・  ・ ・・  ・ ・・

こんな感じになります。これもルールさえおぼえてしまえばカンタンなものですよね。
というかちょっとややこしくなるのはこれからだったりするのですよ。みなさんちゃんとついてきてくださいね(笑)。

■拗音は4の点を打って表すのですが……
 拗音、いわゆる『ちゃ』とか『ちゅ』とか『ちょ』などは1マス目に4の点を打って表すのですが
これまで紹介してきた濁音や半濁音とちょっと違うのは後ろの2マス目。例えば『ちゃ』の場合、1マス目に4の点を打ってそれが拗音を表すのは
これまで紹介してきた濁音や半濁音のパターンと変らないのですが、2マス目にくる50音の文字は
『ゃ』の母音である『あ』に対応するた行の文字、つまりこの場合は『た』を打つのです。
恐らくこんな稚拙な説明だけでは分かりづらいと思うので、実際に『ちゃ』を点字で打ってみると

 ・ ・ 
    ・
   ・ 

こんな感じになります。この点字での拗音の作り方は
読む時はまだいいんですけど、実際に自分で点字を打って文章を書こうとすると結構頭がこんがらがるんですよね。
文字を打つ前に一瞬思考がストップするというか。ま、点字で文字を書くのに慣れていけばそんな事も徐々に無くなっていくのではあるのでしょうけど。

 ま、とにかく拗音はこんな感じで打つわけでこの要領で他の拗音の文字を打っていくと下のようになります。

きゃ    きゅ    きょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
               ・ 
    ・     ・     ・

しゃ    しゅ    しょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
    ・     ・    ・・
    ・     ・     ・

ちゃ    ちゅ    ちょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
    ・     ・    ・・
   ・     ・     ・ 

にゃ    にゅ    にょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
               ・ 
   ・     ・     ・ 

ひゃ    ひゅ    ひょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
               ・ 
   ・・    ・・    ・・

みゃ    みゅ    みょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
    ・     ・    ・・
   ・・    ・・    ・・

りゃ    りゅ    りょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
    ・     ・    ・・
                 

ま、確かに普通の文字にはちょっとない、少し変った考え方で公正されている点字の拗音ですが
少し慣れてしまえばそんなに難しいもんでもないです。

■拗濁音、拗半濁音は濁音or半濁音+拗音の組み合わせ
 ちなみに拗音の文字に『゛』や『゜』をつけるとそれぞれ拗濁音、拗半濁音になるわけですが、
これらの文字はそれぞれの文字の作り方のルールの組み合わせで書けてしまうわけです。例えば『ぎゃ』の場合は

 ・ ・ 
 ・ ・ 
    ・

とまぁこのように打つわけです。『ぎゃ』の濁音の部分は5の点、『ぎゃ』の拗音の部分は
4の点を打って表している事が分かるかと思います。この要領で他の拗濁音の文字を表していくと

ぎゃ    ぎゅ    ぎょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
 ・     ・     ・ ・ 
    ・     ・     ・

じゃ    じゅ    じょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
 ・  ・  ・  ・  ・ ・・
    ・     ・     ・

ぢゃ    ぢゅ    ぢょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
 ・  ・  ・  ・  ・ ・・
   ・     ・     ・ 

びゃ    びゅ    びょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
 ・     ・     ・ ・ 
   ・・    ・・    ・・

のようになります。さらに拗半濁音もこれと同じ要領で

ぴゃ    ぴゅ    ぴょ   
 ・ ・   ・ ・・  ・  ・
               ・ 
 ・ ・・  ・ ・・  ・ ・・

このように打って表します。ま、ようは濁音の5の点or半濁音の6の点と
拗音の4の点の位置を組み合わせればそれぞれ拗濁音、拗半濁音になるのだから、ちょっと落ち着いて考えればそんなに難しくはないと思います。

■『ぃ』や『ぇ』を表す方法もあるにはあるのですが
 ここまで紹介してきた文字だけでは表す事ができない言葉ってのは
実は結構ありますよね。『スウェーデン』や『フィンランド』のような国の名前や
『ポルシェ』や『フィット』のようなクルマの車種、『東京ヴェルディ』や『サンフレッチェ広島』のようなサッカーチームの名前もそうです。

 で、こういういわゆる『外来語や外国語のカタカナ表記』のような単語で使われる
『ぃ』や『ぇ』はどうやって表すのかというと、これがまたちょっと特殊で
『ポルシェ』のような単語で使われる『しぇ』と『ティーカップ』みたいな言葉で使われる『てぃ』だけは
下のように1マス目に4の点、2マス目にそれぞれ母音が『い』や『え』のかな文字、ようは上で紹介した拗音のルールと同じような感じで打ちます。

しぇ    てぃ   
 ・ ・・  ・ ・ 
   ・・    ・・
    ・    ・ 

で、それ以外のものの場合は下のように1マス目に2の点と6の点、2マス目にそれぞれ対応する50音の文字を打ちます。

うぇ    ふぃ    ちぇ   
   ・・    ・     ・・
・  ・  ・  ・  ・  ・・
 ・     ・ ・・  ・ ・ 

とまぁここではたまたま例に出した『ウェ』と『ふぃ』と『チェ』の書き方を表しました。
ちなみにこれが『ヴェ』や『ヴィ』、『ジェ』のように濁ると、下のように濁音の点、つまり上の形に5の点を付け足したような形になります。

ヴェ    ヴィ    ジェ   
   ・・    ・     ・・
・・ ・  ・・ ・  ・・ ・・
 ・     ・ ・・  ・ ・ 

とまぁこんな感じで表せる事は表せるのですが、正直
この形の文字は打つ機会が少ない上に『しぇ』と『てぃ』だけは1マス目が4の点、
それ以外のものは1マス目が2の点と6の点を打つ、などという結構ややこしいルールだったりと
ハッキリ言って覚えたわりには見返りがあまりないという、あまり覚えがいのない形だったりします。

というわけで、これから点字を本格的に学ぼう!という人ならともかく『何となく興味があるしちょっと触れてみようかな?』程度に考えている人なら
『そ、こういうややこしい形のものもあるのね』くらいに思っていてもらえればいいです。実はこの形は点字の文字の中でもかなり面倒な部類に入りますし。

■次回は数字と数学記号などを
 ここで次回の予告をちょっと。次回はちょっと毛色を変えて数字やそれに関わる記号などを
紹介していきたいと思っています。実は数字は数字でまた50音のようなかな文字とはちょっと違ったややこしさが
あるのですが……ま、その話は次回に、という事で。そしてまたしても次回の点字の記事がいつになるのかはまったく分からないのですけど(苦笑)。




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