バーとホテルと農業と…           ほんまはテレビ

東京から徳島の山奥へ移住したテレビディレクターの田舎暮らしドキュメント。毎日なんやかんややっとることの記録です。

初めてのとりだし

2012年05月08日 09時09分35秒 | いちいち
先日、初めて「とりだし」のお手伝いに行ってきました。
言葉で聞いた時、何を取り出すんだろう?と思ったのですが、
取り出すのはそのままズバリ「鶏」。
「鶏出し」つまりニワトリの出荷のことです。
集合時間は午前2時、農家のおばさんの家に男性5名、女性2名が集まりました。



薄暗い鶏舎には8000羽近いニワトリがいます。
明るくしないのニワトリたちが暴れないようにするため。
今日は夜明けまでに半数を出荷します。



プラスティックのケージに7羽づつニワトリを詰めていきます。
首を掴んで持ち上げるとバタバタと少し暴れます。
「どうもありがとう、美味しい料理になって下さい」
と思いながら1羽1羽詰めていたのですが、やってもやっても終わらない。
4000羽を8人で詰めるとして、1人あたり500羽です。
そのうち両手で2羽の首根っこを掴み、数だけ数えながら詰めるようになりました。
ニワトリたちが暴れて苦しまないように手早く、それだけを意識してひたすらに詰めました。



ケージがいっぱいになったら、3段重ねにして塩ビのパイプで作ったレールに乗せて運びます。
ニワトリ1羽がおよそ2.5キロなので重ねられたケージの重さは50キロを超えています。
Tシャツ一枚で作業しているのに汗がにじみ出てきました。
ひたすらケージを運び、トラックに積み込んでいきます。
今日はこのトラックが3台、作業が終わったのは5時少し前。
空がぼんやりと明るくなり始める頃でした。



ブロイラーはヒヨコとしてやって来てからわずか51日で出荷するそうです。
スーパーなどで「若鶏」と書かれた普段僕たちが口にしている鶏肉です。
初めての鶏出しは想像以上の重労働でした。
でも農家さんは「今日は人手があったから楽やったなぁ」とニコニコしていました。
農家さんにはこの後、鶏舎の掃除や消毒などまだまだ大変な仕事が待っているそうです。

家に帰って服を見るとあちこちに鶏糞が付いていました。
服を全部脱いで一度水洗いしてから洗濯機に放り込み、そのまま風呂に。
手にはニワトリの首を掴んだ感覚がまだ残っていました。

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