喋々喃々小川 糸ポプラ社このアイテムの詳細を見る |
「食堂かたつむり」で大好きになった小川糸さんの第二作目。
東京谷中でアンティーク着物のお店をしている一人の女性のラブストーリーです。
行間に流れる穏かで優しい時間。
季節の移り変わりと共に、
街を包む香りを感じさせてくれます。
もの静かで自制心の強い女性の中に潜む、
激しい情愛に魅せられます。
プラトニックな恋愛が
こんなにエロティックに感じられるなんて…。
エロスの奥深さを教えられました。
作品を通して感じることは『一期一会』。
人にしても、食べ物にしても、風景にしても、花にしても、雨にしても……
自分が出会った全てのものを慈しみ、しっかりと受け止め、
真摯な気持ちで向き合う、
そんな生き方がとても魅力的に感じられます。
『一期一会』
そんな思いで世界を眺めると、
もっと素敵な世界が見えてくるような気がします。
こんな女性と出会ったら、
惚れてしまうだろうなぁ…。
でも、最後の一線を越えるかどうか?
悩むだろうなぁ…。
久しぶりに“恋”について考えました。
それにしても糸さんの小説に出てくる料理は美味しそう。
糸さんはとんでもない食いしん坊なんだろうなぁ…。