この町に来て『みてとる』という言葉を度々耳にします。
「よおみてとれよ」と言われた時は、
「よく見ておけよ」程度に考えていました。
先日、友人の家で彼の父親と一緒にお酒を飲んだとき、
「大工仕事はだいたいみてとれるけんな」とお父さんが言いました。
お父さんは大工ではありませんが、
家の構造をよく見ると、教わらなくても自分で出来るそうです。
それが『みてとる』。
お父さんが改装したという玄関。風情があります。
友達が作ったかまど。これもみてとったもの。
大工に限らず、職人の世界では良く「技術は見て盗め」と言います。
料理人の世界でも良く聞く言葉。
テレビの世界でも昔はそんな事をいう先輩がいました。
それが最近では、新人教育は「親切・丁寧」があたりまえ。
でも、この町に来て本来仕事とは、
『見て覚える』ことが大切なのだと改めて考えさせられました。
例えば農作業のお手伝いをしていても、
農家さんは必要最低限の注意を言うだけで、
あとはほとんど指示をしません。
手際や出来が悪くても、
注意をするのはよっぽどの時だけ。
草刈りの手伝いをして、僕が上手く出来ていなくても、
農家さんは黙ってもう一度刈り直すだけ。
最初はなぜだろうと疑問に思っていました。
効率は悪いし、時間も余計掛かります。
農家さんが黙っている理由、
一つには「耳で聞いた事は、結局身に付かない」という事だと思いました。
でも、いろいろと作業をするうちに、
それだけではないと感じるようになりました。
それは「全く同じ仕事は、何一つとしてない」という事。
草刈り一つをとっても、
全てが同じ草ではないし、
山の傾斜もまちまち。
季節も違えば、使う鎌も違う。
もし付きっきりで手取り足取り教えたとしたら、
一番大切な事が身に付かないからではないでしょうか?
山で仕事をし、生きて行くためには、
一つとして同じ事が無い状況の中で、
どんな時でも対処できる能力を身につける必要があります。
様々な状況、仕事のしかた、その出来具合を自分でしっかりと見て、
自分の手で試し、失敗を重ねながら身につける。
この町の人たちは、それが一番大切な事だと、
経験的に知っているように感じます。
だからいちいち口で教えたりしないし、
いちいち聞こうともしない。
今、借りている家の横で小さな畑をやっているのですが、
「頑張っとるなぁ」と言われるくらいで、
「こうした方がいい」と言う人は誰もいません。
(多分心の中ではいろいろ言いたい事はあると思うんですが・・・)
だから他の人の畑を見ながら、いろいろとやってみる。
どんなに失敗をしてもいいから、
なにか一つでも身に付くよう、自分なりにやってみる。
そして畑の変化を良く見ておこうと思っています。
うちの畑。ジャガイモ、トマト、茄子、ピーマン、キュウリ、唐辛子、枝豆、ネギ、サラダ菜などを植えています。
『みてとる』
最近よくこの言葉を心の中でつぶやきます。
すると物の見え方が少し変わってきました。
『みてとる、みてとる、みてとる・・・』
どうでしょう、いろんな物を見るのが楽しくなってきませんか?
「よおみてとれよ」と言われた時は、
「よく見ておけよ」程度に考えていました。
先日、友人の家で彼の父親と一緒にお酒を飲んだとき、
「大工仕事はだいたいみてとれるけんな」とお父さんが言いました。
お父さんは大工ではありませんが、
家の構造をよく見ると、教わらなくても自分で出来るそうです。
それが『みてとる』。
お父さんが改装したという玄関。風情があります。
友達が作ったかまど。これもみてとったもの。
大工に限らず、職人の世界では良く「技術は見て盗め」と言います。
料理人の世界でも良く聞く言葉。
テレビの世界でも昔はそんな事をいう先輩がいました。
それが最近では、新人教育は「親切・丁寧」があたりまえ。
でも、この町に来て本来仕事とは、
『見て覚える』ことが大切なのだと改めて考えさせられました。
例えば農作業のお手伝いをしていても、
農家さんは必要最低限の注意を言うだけで、
あとはほとんど指示をしません。
手際や出来が悪くても、
注意をするのはよっぽどの時だけ。
草刈りの手伝いをして、僕が上手く出来ていなくても、
農家さんは黙ってもう一度刈り直すだけ。
最初はなぜだろうと疑問に思っていました。
効率は悪いし、時間も余計掛かります。
農家さんが黙っている理由、
一つには「耳で聞いた事は、結局身に付かない」という事だと思いました。
でも、いろいろと作業をするうちに、
それだけではないと感じるようになりました。
それは「全く同じ仕事は、何一つとしてない」という事。
草刈り一つをとっても、
全てが同じ草ではないし、
山の傾斜もまちまち。
季節も違えば、使う鎌も違う。
もし付きっきりで手取り足取り教えたとしたら、
一番大切な事が身に付かないからではないでしょうか?
山で仕事をし、生きて行くためには、
一つとして同じ事が無い状況の中で、
どんな時でも対処できる能力を身につける必要があります。
様々な状況、仕事のしかた、その出来具合を自分でしっかりと見て、
自分の手で試し、失敗を重ねながら身につける。
この町の人たちは、それが一番大切な事だと、
経験的に知っているように感じます。
だからいちいち口で教えたりしないし、
いちいち聞こうともしない。
今、借りている家の横で小さな畑をやっているのですが、
「頑張っとるなぁ」と言われるくらいで、
「こうした方がいい」と言う人は誰もいません。
(多分心の中ではいろいろ言いたい事はあると思うんですが・・・)
だから他の人の畑を見ながら、いろいろとやってみる。
どんなに失敗をしてもいいから、
なにか一つでも身に付くよう、自分なりにやってみる。
そして畑の変化を良く見ておこうと思っています。
うちの畑。ジャガイモ、トマト、茄子、ピーマン、キュウリ、唐辛子、枝豆、ネギ、サラダ菜などを植えています。
『みてとる』
最近よくこの言葉を心の中でつぶやきます。
すると物の見え方が少し変わってきました。
『みてとる、みてとる、みてとる・・・』
どうでしょう、いろんな物を見るのが楽しくなってきませんか?