上海滞在最終日、なぜだかぽっかりと時間が空いた。
ホテルの部屋に閉じこもって仕事の整理を続けるが、
頭の中の混乱はまだ整理がついていない。
普段なら山積みになった仕事に優先順位を付け、
ひとつひとつ片付けて行くのだが、
その優先順位が見えない。
ぽっかりと空いた時間、混乱の理由を考えた。
自分の頭の中には、この仕事の完成型はイメージされている。
仲間も同じ目標に向かって進んでいる。
しかし、この仕事に関わる大きな意思は、
おそらく違った結末をイメージしている。
別に僕たちの邪魔を使用としている訳ではない。
ただ思い浮かべるイメージが違うだけだ。
大きな意思に飲み込まれてイメージを変えれば話は簡単だが、
その大きな意思は一つではなく、複数存在するようだ。
それぞれが違った目的を達成するために動いている。
そして自分たちの目的を達成すること以外に興味を持っていない。
とても複雑で混沌とした世界。
でも考えてみれば当然のことかもしれない。
日本ではあまり感じることはないが、
世界情勢を見渡せばなんの不思議もない。
一人でじたばた騒いでも仕方がない。
でもなんとかして突破口を見つけ出さなければならない。
世界は自分一人の目的のために存在している訳ではないのだから。
突破口はどこにあるのか?
一つ一つ目の前にある扉をノックしてみよう。
勇気を出して未知の扉を開けてみよう。
出てくるのは敵か?味方か?それとも?
なんだか少し楽しくなってきた。
最後の夜、一人で街に出てみよう。
ホテルにこもっていても何も始まらない。
勇気を出して扉を開けるんだ。