上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

韓国の動物は何と鳴くか?

2010-05-16 | 動詞
前にイヌは韓国では何と鳴くのか話したことがありますが,覚えていますか。
鳴き方も国によって違いますよね。바우와우(bow-wow)はアメリカ式で韓国では멍멍です。そして韓国のネコは야옹 아옹と鳴きます。

「頭隠して尻隠さず」ということわざがありますが,韓国語でも同じような意味の눈 가리고 아웅한다.という言い方があります。直訳すると「目を覆ってニャアと言う」と言うんですけど。

¶ 그런 소리 해봤자 눈 가리고 아웅하는 격이야.
(そんなことを言っても,すぐにばれてしまうよ)

そのほかの動物の鳴き声は次の通りです。

・ウシ:음매 ・ウマ:히힝 ・ブタ:꿀꿀
・ヤギ:매매 ・ネズミ:찍찍 ・ニワトリ:꼬끼오

ブタが꿀꿀と鳴くとは日本人と語感が違いますね。驚きです。
ニワトリは꼬끼오と鳴くのは何となくわかります。

새타령〈-打令〉という民謡があります。「鳥歌」です。この中に꾀꼴,꾀꾀꼴と鳴きながら,あちこちの山々を飛び回っている鳥が登場します。この鳥はその鳴き声から꾀꼬리といいますが,われわれが考えている日本のきれいどころのウグイスとは違い,コウライウグイスという,黄色いカラスのような大きさの鳥です。

日本のウグイスは휘파람새といいます。휘파람새は口笛を吹くように「ホーホケキョ」と鳴くのでそうに命名されたようです。

では韓国のスズメはどう鳴くのでしょうか?昨日もテレビでスズメがこのところ減り続け,そのうちには見られなくなってしまうのではないかというニュースを流していました。

次の笑い話を見てください。これは참새 시리즈(スズメシリーズ)と言って,1970年代ころに人々の口に上り,80年代から90年にかけて韓国中で大流行した一連の넌센스 퀴즈(ナンセンスクイズ)です。

■スズメシリーズ1
옛날에 사이좋은 부부참새가 살았다.
그런데 어느 날 엄마참새가 사냥군의 총에 맞아서 죽었다.
엄마참새는 죽으면서 곁에 있는 아빠참새에게 뭐라고 말했을까?
참새가 말은 무슨 말? 그냥 짹하고 죽지!

참새と포수〈砲手〉(ハンター)の戦いをユーモラスな謎かけで描いていますが,この中にスズメの鳴き声が出てきますね。そうです,짹짹です。この小咄はスズメは庶民を,また狩人は権力者をそれぞれ象徴しています。この時代の韓国はまだ政治的に揺れ動いていたころでしたから,庶民たちは政治に対する不満をこのようなユーモアで吐き出していたんですね。

■スズメシリーズ2
참새 한 마리가 전기줄에 앉아 있었다.
그 아래로 포수가 지나가다가 공교롭게 참새 똥을 맞고 말았다.
포수: 넌 팬티도 안 입니?
참새: 넌 팬티 입고 똥 누니?
포수: ???

これはまさに블랙 유머(ブラックユーモア)です。権力者は武器として총〈銃〉を持っているのに,スズメは攻撃手段としては똥(糞)しか持たないというのもおもしろいですね。

■スズメシリーズ3
어느날 빨간 참새와 파람 참새가 전깃줄에 앉아 있었다.
빨간참새는 총알 두 방, 파람 참새는 총알 한 방으로 잡을 수가 있다.
포수는 총알 두 방을 갖고 있는데 어떻게 하면 두마리를 다 잡을수 있을까?

まず青いスズメを撃ち落とします。すると赤いスズメはそれを見て身震いしながら真っ青になるので,そこを1発で打ち落とします。

このユーモアシリーズは,その後いろいろと名前を変えて90年代の終わりまで続くのですが,さすがに現代においてはその影もありません。

当時は携帯もコンピュータもない時代でしたから,このような言葉遊びが盛んでした。식인종 시리즈〈食人種-〉,최불암 시리즈〈崔佛岩-〉,사오정 시리즈〈沙悟浄-〉などと続きましたね。

当時,日本でもこれに似た「世紀末クイズ」がはやりました。

■世紀末クイズ
F­1 레이서는 남성 밖에 될 수 없습니다, 왜 그럴까요?
 -그것은요, 생사를 거는 일이니까요.

どうですか。笑えましたか。「ヤバイ」ので直接答えを言えないのですが,ヒントは생사를 거는 일というところです。日本語で考えてみてください。

みなさんは‘An apple a day keeps the doctor away.’という言葉を知ってますか。毎日リンゴを一個食べると医者しらず,すなわち健康に過ごせるのだという西洋の古いことわざだそうです。このAn appleのところをA jokeに替えても通用しますね。笑う角には福来たると言いますが,笑うことは健康にいいそうですよ。血糖値も下がりますし…。

韓国のスズメは何と鳴くのか…から始まって,きょうは話がずいぶんと脱線してしまいました。
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6 コメント

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ウグイスについて (ikenoue)
2010-05-16 01:28:27
참새 시리즈,勉強になりました。大変な時代があったのだな…と感じます。
ウグイスについてですが,私が授業で使っている教科書の「文字と発音」のページの,濃音のところに「꾀꼬리:ウグイス」と出てくることもあり,数年前,꾀꼬리について少々調べたことがあります。
꾀꼬리は,コウライウグイスと呼ばれる黄色い鳥で,日本で一般的なウグイスとは別の鳥であるようで,それ以来,生徒たちには「ウグイス:휘파람새」と教えています。
辞典上での知識ですので,本当にこれで合っているのかな?と疑問を感じながら教えています。
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画像を見てびっくりです (きょーすけ)
2010-05-16 03:04:09
ぼくも調べました。画像を見てびっくりです。なんと꾀꼬리というのは学名がOriolusという,私たちが「ホーホケキョ」と鳴く「ウグイス」とは似ても似つかない,目を疑うほど鮮やかな黄色の鳥なんですね。ですから새타령の歌の中では森の中を左右に飛びながら華麗に「ケッコル,ケッコル」と鳴いているのですね。今までは꾀꼬리=ウグイスと機械的に訳していましたがとても参考になりました。ありがとうございます。きょうも一つ得した気分でぐっすり眠れます。ちなみにこの꾀꼬리は「高麗ウグイス」というそうで韓国、中国、インドなどに棲息しているらしいです。
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なるほどそうなんですね (ryuji)
2010-05-16 06:10:23
なるほどそうなんですね。「鶯」の漢字が指す鳥は日本と中国で異なるということも知りました。日本で,わたしたちがウグイスといっているのは学名Cettia diphoneというスズメ科の小さな鳥で,朝鮮半島や中国に棲むウグイスは「黄鸝」または「黄鳥」と表記するコウライウグイスというカラスのような大きな鳥なんですね。動植物の現地語を調べたいときには学名を参考にするといいと思います。
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ご指摘ありがとうございます (ちょんげぐり)
2010-05-16 06:19:28
日本のウグイスはご指摘のように휘파람새です。本文の内容を一部替えました。
今回もまたいろいろな書き込みをありがとうございます。このようにみなさんの持っている知識を集めて,あらゆる角度からもう一度ことばを見直すと,さらに充実した,生きた韓国語の知識が身につきますね。
これからもただブログを「眺める」だけでなく,どんどん貴重なご意見を投稿してください。
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動植物の名前  (しんのすけ)
2010-05-16 07:46:43
最近はPC検索が発達しているので,多言語での対照比較が可能です。たとえば「ウグイス」をフリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)で調べて,その左横の「他の言語」の「한국어」をクリックすると,その項目の韓国語バージョンの위키백과に自動的に移行します。
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Unknown (ikenoue)
2010-05-16 12:31:06
しんのすけさん,ウィキペディアの使い方を教えてくださり,どうもありがとうございました。非常に便利で感激しています。
昨日5月15日は스승의 날でした。1日遅れてしまいましたが,素晴らしい学習の場をいつも提供してくださっている古狸案先生に,心から感謝申し上げます。감사합니다.
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