キャノンからもハンディーカムの春モデルが発表となっています。とりあえず、この手の
紹介はやっぱり上位機種の方が変化が大きくて面白いのでそっちを紹介しようかと思います。
キャノンと言うと、昨年
【 フルサイズの素子と大口径レンズが刻む映画のワンシーンのような瞬間を時間ごと切り
取るデジタル一眼レフ EOS 5D MkII 】
を発表し、【 ただ、出すだけではないキャノンと言うメーカー 】 を印象づけたのです
が、ハンディーカムもプロ用機材を投入しているキャノンだけにかなり攻めた作りをしてい
ます。
HDVカムから踏襲されている、キャノンのコンシューマ用のハンディーカムの売りは
【 外部センサーによるハイスピードオートフォーカス 】
にあるのですが、これはずっと踏襲されており、そしてAVCHDになってからは、
【 MPEG2_TSより高圧縮のフォーマットで、MPSG-2_TSと同じビットレートを実現し、
手元に残る瞬間が恐ろしいクオリティーで残るフルビットレート 】
を売りにしてます。圧縮率の高いAVCHDにおいて1.5倍は違うレートとHigh Profileの組み
合わせで、【 圧縮時の弊害をレートが補うと言うアプローチ 】 で
【 コンシューマらしからぬ映像の提供 】
をしてくれる機材が生まれています。そんなキャノンからの新製品は、
【 iVIS HF S10 】 ( 店頭予想価格:16万円前後 )
と言う製品で、【 内蔵32GBメモリ + SD/SDHCカード 】 と言う構成の製品となって
います。
この製品は、CESで発表されていたモデルなのですが、画像エンジンを従来の
【 DIGIC DV II 】
から、新映像エンジン
【 DIGIC DV III 】
に強化し演算能力が大幅に向上したことで、高画質化と高機能化を実現しています。
この変更により、ダイナミックレンジが従来機種に比べて25%拡大したほか、測光時に
撮影領域全体の輝度と色の情報を参照することで、より自然な色再現が可能になっていま
す。また、イメージセンサーの高画素化にも対応しています。
機能としても、処理能力を活用して、人物の顔を瞬時に検出して、綺麗に撮影する
【 フェイスキャッチテクノロジー 】
を新搭載しており、デジタルカメラの 【 フェイスキャッチテクノロジー 】 を応用し、
動画への最適化を図ることで、動いたり横や下を向いた人物も正確に顔を検出できるとして
います。(つまり、人を含めた動画でもフォーカスすると言う訳です。)
従来から搭載している、外部センサーとコントラスト検知で高速なフォーカス制御を行なう
【 ハイスピードAF 】 を組み合わせることで、従来ではピントを合わせにくかった状況
でも、素早くピントを合わせることが可能としています。
複数人を検出した場合は、カメラが主被写体を自動的に選び、主被写体が顔を横や下に向け
たり画面内で移動しても、一定の間、自動的に追尾しピントを合わせ続けるようで、主被写体
を別の人物に切り替えることもできます。
さらに、AFだけでなく、人物撮影に最適な露出制御や、高精度なストロボ制御も行なうよう
です。
また、【 フェイスキャッチテクノロジー 】 を再生時にも活用することで、各シーンで
最初に顔が映るカットをサムネイル画像で表示する 【 顔ジャンプ 】 や、1つのシーン内
で顔があるカットを時間順にサムネイル画像で表示する 【 顔タイムライン 】 といった機
能も備えています。
撮像素子の有効画素数は
■ 動画時 : 約601万画素
■ 静止画時 : 約802万画素(4:3)/約601万画素 (16:9)
で、フィルターはRGB原色フィルターを採用しており、動画撮影時には、約601万画素の映像
信号を読み出して、ハイビジョン解像度(約200万画素)にリサイズして録画しています。
また、中央の1,920×1,080画素だけを読み出すことで、画質を劣化させずに焦点距離を1.7
倍相当にする、
【 デジタルテレコン 】
も利用できます。(つまり、実際のテレ端よりももっと寄れる訳です)
レンズは、従来よりズーム倍率が下がった上で、口径が大きくなりフィルター径58mmの画質
重視設計となっており、レンズ構成9群11枚で、F1.8~3.0。焦点距離は35mm判換算で、
■ 動画時 : 約43.5~435mm
■ 静止画時 : 約39.9~399mm(4:3)/43.5~435mm(16:9)
となっています。
光学系は、収差などが抑えられており、2枚の非球面レンズの採用したほか、新しいグラ
デーションNDフィルターを搭載した光量自動調整システムにより、絞りの回折現象を軽減し、
独自のスーパースペクトラコーティング技術により、全ズーム領域においてゴーストやフレ
アを抑え、クリアで鮮明な画質を実現しています。
ズームの駆動についても静音化を図っているほか、光学式手ブレ補正機能についても、シ
フトレンズの制御に、摩擦が少なく応答性に優れたボール転動制御を採用しています。
最低被写体照度は
■ 約0.3ルクス(ナイトモード、シャッタースピード1/2秒)
■ 約4ルクス(Pモード、オートスローシャッターオン、シャッタースピード1/30秒)
となっています。また、オートゲイン時にリミッターの設定が可能となり、暗いシーンでも、
ノイズと明るさとのバランスを撮影者がコントロールできるようになったようです。
さらに、本体には補助光源としてフラッシュと、ミニビデオライト(高輝度白色LED)を内蔵
しています。
録画モードは
■ MXP | : (約24Mbps/1,920×1,080ドット) |
■ FXP | : (約17Mbps/1,920×1,080ドット) |
■ XP+ | : (約12Mbps/1,440×1,080ドット) |
■ SP | : (約7Mbps/1,440×1,080ドット) |
■ LP | : (約5Mbps/1,440×1,080ドット) |
の5種類を用意しており、SDCHに記録する場合には、 1,920×1,080ドットはSDHC Class4以上、
それ以外はClass2以上のカードが推奨されています。
また、x.v.Color規格に対応したほか、毎秒24コマに加え、毎秒30コマのプログレッシブ撮影
(60i記録)が可能で、静止画記録はJPEG形式で、解像度は
■ 3,264×2,456ドット
■ 3,264×1,840ドット
■ 1,920×1,440ドット
■ 640×480ドット
に対応しており、内蔵メモリに記録した動画や静止画は、SD /SDHCカードへコピーをすること
も可能となっています。
操作面では、使用頻度の高い機能を登録して簡単に利用できるカスタムダイヤルやカスタム
キーを装備しており、カスタムキー/カスタムダイヤルには、
■ 露出ロック
■ フォーカス
■ 撮影アシスト
■ マイクレベル
■ AGCリミット
を割り当てられます。質感もカスタムダイヤルにダイヤカット加工を施すとともに、適度なト
ルクを持たせており、「上質な操作感を実現した」としています。
新機能として、スナップ写真の感覚で4秒間の動画を撮影し、内蔵の音楽と一緒に再生できる
【 ビデオスナップ 】
や、撮影ボタンを押す3秒前までさかのぼって録画ができる
【 プレREC 】
を搭載しており、ボタン操作だけで動画と静止画の切り替えを素早く行うことができるデュアル
ショットモードも備えています。
「ビデオスナップ」の再生時には、撮り貯めた動画の中から順番を決めて、雰囲気に合わせた
音楽を内蔵の音楽ファイルから選択し、BGM付きの映像として鑑賞することが可能で、内蔵の音楽
ファイルは、付属ソフトで好みの曲と入れ替えることも可能となっています。
音楽ファイルは、本体に5曲、付属のCD-ROMには15曲が収録されているほか、
【 WAV形式(リニアPCMステレオ 48kHz/16bit) 】
のファイルを取り込むこともできるようです。
そのほかにも、撮影した動画から200万画素の静止画を切り出す 【 あとからフォト 】
に加え、1秒間のシーンを30枚(PF24で撮影した場合は24枚)の連続した静止画として保存でき
る 【 あとから連写 】 も新たに搭載されています。
連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-807」使用時で、標準画質のSP(約7Mbps)モ
ードで撮影した場合、約100分となっている。オプションの「BP-827」を使用すると、約305
分の連続撮影が行なえるようです。
昨年のデジタル一眼レフの動画機能搭載で、何を撮影するかで機材選びが変わってしまい
そうな状態になっていきそうですが、ハンディーカムは流石に動画を撮る機材だけあって多
機能化で使いやすくなっているようです。