先日、ビクターが、AVCHDとMPEG2の両対応の1チップLSIを開発したと言う
報道がありましたが、早速来月には製品が出るようです。
日本ビクター株式会社は、ハイビジョンHDDビデオカメラ
「 Everio 」シリーズの新製品2モデルを7月上旬に発売するようです。
リリースされるのは、
・ 「GZ-HD40」(120GB) 店頭予想価格15万円前後、
・ 「GZ-HD30」(80GB) 店頭予想価格13万円前後
となっています。HD30のみ
・ プレシャスシルバー(S)
・ クリアブラック(B)
のカラーバリエーションを用意されるようです。この製品は、同社のシリ
ーズ製品で使われていたMPEG2_TSフォーマットと最近では多くの製品が各
社からリリースされ始めているAVCHDの双方に対応する製品で、撮影素子に
は同社では初となるCMOSを採用しています。
また、1チップLSIで両フォーマットをサポートする新画像処理エンジン
「HDギガブリッドDuo」を搭載しており、新しいモノづくめの製品となって
います。
今回新規に搭載されたAVCHDフォーマットですが、全てフルHDの解像度に
なっており、1920x1080と言うサイズが適応され、記録はVBRとなっています。
今回の製品では、
■ AVCHD (1,920×1,080ドット16:9)
|
XP | : VBR 最高約18Mbps・平均約17Mbps |
SP | : VBR 最高約18Mbps・平均約12Mbps |
EP | : VBR 最高約18Mbps・平均約5Mbps |
■ MPEG-2
|
FHD | : VBR 最高約30Mbps・平均約26.6Mbps |
1440CBR | : CBR 約27Mbps |
となっており、MPEG-2の1440CBRモードのみCBRが採用されており、解像度
もHDVサイズの1440x1080(16:9)となっています。
録画時間は、それぞれ
■ AVCHD (1,920×1,080ドット16:9)
|
録画時間 | HD40(120GB) | HD30(80GB) |
XP | 約15時間 | 約10時間 |
SP | 約21時間 | 約14時間 |
EP | 約50時間 | 約33時間 |
■ MPEG-2
|
録画時間 | HD40(120GB) | HD30(80GB) |
FHD | 約10時間 | 約6時間 |
1440CBR | 約10時間 | 約6時間 |
となっています。
上位機種のHD40のみの機能となりますが、MPEG-2の1440CBRモードは、
i.LINKから出力することで、HDVフォーマットのデータとしても扱えるよ
うです。i.LINK出力は本体に備えていないので、HD40に同梱する
「 エブリオドック 」
を利用する事で可能となります。2モデルの違いはこの点と、
・ HDD容量
・ サイズ/重量
で、それ以外の主な機能は共通しています。
2月に発売された
「 GZ-HD6 」
と同様に、再生時に1080/60pにi/p変換して出力する機能を搭載しており、
記録媒体は内蔵HDDに加え、microSDカードスロットも装備しています。
同機種では、microSDカードへの動画記録が可能でしたが、この製品もその
機能を継承しており、microSDカードへの動画記録が可能となっています。
また、HDDに録画したデータをmicroSDへ移動することも可能となってい
ます。(ただし、microSDからHDDには対応していません)
撮影素子は、同社としては初めてCMOSセンサーを採用しており、1/3型の
268万画素(有効画素数は動画135万画素、静止画166万画素)で、ベイヤー配
列(正方形が敷き詰められているモノ)フィルタを45度回転させたCMOSを採
用しています。
斜め画素ずらしによりフルHDの1.3倍の情報量を取得。それをフルHDに落
とし込んで記録しているとのこと。
レンズはJVC HDレンズ(同社の上位機種のようにフジノンではありません)
を採用しており、35mm換算での焦点距離は
・ 動 画 : 50~500mm
・ 静止画 : 39.5~395mm
となっています。(ワイコンが必須ですね)
F値は1.8~2.2で手ぶれ補正は、レンズシフトの光学式ではなく、電子式
手ブレ補正回路を搭載しています。
最低照度は7ルクスでLEDライトも内蔵しているおり、レンズカバーも内蔵
しています。
また、フォーカスアシストやゼブラパターン表示、絞り優先/シャッタース
ピード優先撮影なども可能となっています。
液晶モニタは2.8型、20.7万画素のクリアブライト液晶が採用されており、
静止画の最大撮影解像度は2,432×1,368ドットとなっています。
動画撮影中の静止画撮影も可能で、解像度はフルHDの1,920×1,080ドッ
トで、連続撮影可能枚数が3枚となっています。
本体には、
・ コンポーネント
・ AV出力
・ HDMI出力
などを装備しており、HDMIはバージョン1.3対応なので、x.v.Colorをサポー
トしています。
0.08秒で記録を開始する「クイック記録」モードや、約3.5秒で再生を開
始するクイック再生機能なども装備している他、再生面では新たに
「 オートグルーピング 」
機能を搭載しています。
この機能は、独自開発のアルゴリズムにより、
・ 撮影の時間帯
・ 間隔
・ 長さ
などから最適なグループ分けを自動的に行なうもので、撮影間隔が短いシ
ーンを1つのグループとして扱えるようです。
写真などでもそうなのですが日付をインデックスにしてしまうと、何が
何だか分からない程ゴチャゴチャになってしまうのですが、それを独自の
アルゴリズムで時間軸と尺などで分類してくれるので、必要なシーンが探
しやすくなると言えます。
外形寸法と重量は、
■ HD40
73×123×68mm(幅×奥行き×高さ)、455g(本体のみ)/540g(撮影時)
■ HD30
71×123× 68mm(同)、440g(本体のみ)/525g(撮影時)
となっています。なお、既発売のGZ-HD5/6は併売(この製品フジノンレン
ズと3CCDの構成)されるようですが、HD7は在庫限りとなるようです。
付属ソフトは、
・ PowerCinema NE for Everio | : ファイル管理/再生ソフト |
・ PowerDirector 6 NE | : 編集ソフト |
・ PowerProducer 4 NE | : ディスク作成ソフト |
・ PowerDVD 7 NE | : 再生ソフト |
が同梱されています。
対応OSはWindows XP/Vistaで、Mac用に、
・ iMovie HD 6
・ Final Cut Pro 5/6
の双方でHDファイルを利用できるようにするプラグイン
「 QuickTime Component for Everio」
も付属するようです。
バッテリーですが、本体付属のバッテリーは、
■ BN-VF815(付属)
・ 撮影時間 : 約1時間25分(実質撮影時間:約45分)
で、大容量バッテリーの
■ BN-VF823
・ 撮影時間 : 約2時間10分(実質撮影時間:約1時間5分)
となっていますが、大容量のベルトホルダータイプの製品も用意されて
おり、別売のDCコード 「 VC-VBN800 」998円 (税込)を購入する
必要がありますが、
■ VU-V840KIT (希望小売価格 20,790円)
・ 撮影時間 : 約2時間10分(実質撮影時間:約1時間5分)
■ VU-V856KIT (希望小売価格 31,290円 )
・ 撮影時間 : 約5時間45分(実質撮影時間:約2時間55分)
と言う長時間での撮影にも対応できるようになっています。
また、水中撮影用のマリンケース
■ WR-MG200 (希望小売価格 92,400円)
もあり、水深40mまでの撮影が可能となっています。流石にベルトホルダー
タイプのバッテリーは使えませんが、水中撮影も可能となっています。
また、PCレスでDVDを焼く事の出来るDVDライタ
■ CU-VD50 ( 店頭予想価格 5万円前後 )
も7月上旬にリリースされるようです。この製品は、
・ DVD-R
・ DVD-RW
・ DVD-R DL
の書き込みに対応した外付けドライブで、
・ AVCHD形式で撮影した動画 → AVCHD形式
・ MPEG-2のフルHDで撮影した動画 → MPEG-2 TS形式
でDVDにライティングが可能となっています。
Everio本体が無くても同ディスクの再生が可能となっており、
・ HDMI
・ コンポーネント
・ コンポジット
・ アナログ音声出力
を各1系統装備しています。
HDMI接続では1080/60pの出力が可能でアップコンバート出力も可能で、
x.v.Colorもサポートしています。
HDMI CECにも対応し、対応液晶テレビなどと連携できるようです。
AVCHDの場合のみ使用可能な機能ですが、ライティングされる動画から
代表的な部分を抜き出し、自動でダイジェストを作る機能もあり、約60分
の動画の場合、5分のダイジェスト映像が作成され、一緒に書き込まれるよ
うです。
なお、ライティング後のダイジェスト映像は、他のAVCHD対応プレーヤー
でも再生できるとのこと。
Everioとの接続にはUSB 2.0で行い、PCと接続して外付けDVDドライブとし
ても使用できるようです。
外形寸法は152×195×42mm(幅×奥行き×高さ)、重量は920gでリモコンが
付属します。
おもしろい機能として、USB 2.0接続で、外付けHDDへの映像保存にも対応
しています。
対応機種としてアイ・オー・データの
・ HDCN-U250 (250GB)
・ HDCN-U320 (350GB)
・ HDCN-U500 (500GB)
・ HDCN-U640 (640GB)
・ HDCN-U1.0 (1.0TB)
の5モデルが紹介されており、Everio内の映像をHDDに蓄積でき、HDD内の
映像をEverioから直接再生することもできるようです。
画質などがどのような感じで仕上がるのかや操作感覚がどんな感じに
なっているのか気になる所ですが、VBR平均で26.5bpsのMPEG2_TSの画像
と言うのは個人的にはかなり気になります。
製品のレビューとかが上がってみてのお楽しみと言う部分はあります
がおもしろそうな製品だと思います。
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■ 関連サイト
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日本ビクターのホームページ
http://www.victor.co.jp/
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