水瓶

ファンタジーや日々のこと

力士と祭りと隅田川・両国

2016-08-07 18:13:31 | 東京の町
どすこーい!ごっつぁんです!

ぎゅうぎゅうのおすもうさん。うーむ。暑苦しいですか。

昨日は大江戸博物館で開催中の大妖怪展に行って来ました。
大江戸博物館、私はずいぶん久しぶりの二度目、森のなかまは初めて。
でもまずはとにかく何より暑かったですね。。。
美容院の若い子は、「やっとほんとに夏らしくなってきましたね!」と目を輝かせてうれしそうでしたが、
もうつらいよこたえるしんどいよ〜〜〜


両国は駅からして違います。トイレのドア一つ一つにもお相撲さんの絵が飾ってありました。
杉浦日向子さんのエッセイによれば、江戸時代にモテた三大職業といえば、力士に火消し、そして与力だそうです。


火の見櫓のようです。駅の国技館側は、わりと広々としていました。


国技館。冒頭写真はこの壁画です。今は場所中ではないようです。

この後、ガイドマップにあった旧安田庭園へ向かいます。
暑くなることはわかっていたので、あまり距離を歩かないですむコースを設定したんですが、、、


安田庭園は納涼の夕べイベントをやっているようですが、この時はまだ準備中でした。
あ〜、お琴!うちの祖母(父方も母方も)もやってました。明治大正生まれの女の人は、琴を習ってる人多かったんですよね。
今はすっかり聞かなくなりましたが、それっぽい憧れの対象が、ピアノに変わったのかも知れない。


この安田庭園、庭園とかくわしくない私や森のなかまでも思わず目をひくような、巨岩・奇岩が沢山ありました。
この岩は穴から向こうがのぞけますね。


安田庭園は浜離宮庭園などと同じく、隅田川の水を引く潮入り回遊式庭園だそうで、潮の干満による眺めの変化を楽しんだそうです。
面白いこと考えますね。今は隅田川の水は止められていて、ポンプで潮の様子を再現しているそうです。
私が見た昼間は水量の少ない時間帯だったようです。カメがいっぱいいた。


急流の浅瀬で見かけるような岩。

室町時代の文化のスポンサー的な役割を果たした足利義政将軍は、庭で有名なお寺に庭造りの名人を見学にやって、
そこにある岩とかを徴発して自分の庭に置かせちゃうんで、大変評判が悪かったそうです。
こんな巨大な岩を山奥とかから運ぶのは手間も人手もかかって大変だったろうから、そりゃあ腹立つわ。。。


提灯が楽しい!が、影が濃い。。緑と池があるのでいくらか涼しいけど、日向は暑くてたまらんかった。。。


ここで納涼の集まりするのかな?


安田庭園を出てすぐはす向かいに、大木のある公園があって涼しそうと思って入ってみたら、ここは横網町公園といって、
関東大震災と東京大空襲で亡くなった方たちのご遺骨を納めた慰霊塔なんだそうです。築地本願寺と同じ方が設計したそうです。

塔の中には関東大震災と東京大空襲の写真が展示されていて、お線香を上げて来ました。
しかし、そうとは知らないで来ちゃったもんだから、一気に重いテンションになってしまった。。
でも、ちょうど広島の原爆の日でもあったし、これも何かの巡り合わせと思って復興記念館も見て来ました。



ここに慰霊塔が建立された理由は、関東大震災の前には陸軍被服廠があって、そこが移転したあと、
公園予定地として広い空き地になっていたんだそうです。
なので、震災が起きた時、火災から逃れる人たちがここに誘導されて避難してきたけれど、
人が集まりすぎて身動きが取れない上に、持ち運んで来た家財道具などにも火がまわって大火災となってしまい、
三万八千人もの方が亡くなって、白骨の山ができたそうです。
ここが関東大震災で一番死者が多く出た、大惨事の場所だったんですね。


・・・・・


でも、そういった場所のすぐ近くに、生命力の権化みたいな大相撲の国技館があるっていうのは、
なんとなくいいような気がしますね。


この写真は慰霊碑で、下に水をためた池があるのは、火災で亡くなった死者のためのようです。

復興記念館に、揺れの直後の銀座の写真があったんですが、意外にも大通りの建物は崩れ落ちておらず、
人々が通りの真ん中に出て、なんとなく不安そうにひとかたまりになって、街を見回している様子でした。
その後の火災でその辺りも焼けてしまうんだそうで、直接の揺れよりも、火災で被害の規模が大きくなったことがわかります。

今は、当時よりは建物の耐震性も上がり、火災も大規模にはなりにくくなっているとは思うけれど、
やっぱり地震も火事も、戦争も、本当に怖い。。起きないといいんだけどなあ。起きませんように。

公園内は大木や木が多いので、ミンミンゼミが騒がしく鳴いていましたが、カナカナのようなさびしい音でもないのに、
ミンミンゼミの声にも何かさびしさを感じるのは、この時期にいたましい記念日が重なってるせいかも知れない。


さて、気を持ち直して、この日一番の目的であった大江戸博物館での大妖怪展!

・・・のはずだったんですが、展示物は良かったんだけれど、なにしろ混みすぎてて、、、
並んだらすごい時間かかる上になんか落ち着いて見られないし、後ろからひょいとのぞくにも見づらい展示だったので、
途中であきらめ、さーっと流し見して常設展の方へ向かいました。伊藤若冲展とかいったいどんなだったんだ。。。
まあでも、美術館博物館に人がいっぱい来るのはいいことですよね。

常設展もそれなりに人はいましたが、活気があるという感じで、楽しく見られました。
ちょうど私は第二次か第三次の江戸ブームで、こっちも妖怪に負けないぐらいに見たかったのだ。
でもここ、かなりボリュームのある展示内容と量で、ちゃんと見るとかなり見応えがあるので、
一度に見るのはなかなかしんどいかも知れない。
外国からの人が東西問わずすごく多くて、纏(まとい:火事の時にじゃんじゃん振るやつ)を持ち上げたり、
駕篭に乗って写真を撮ったりと、とても楽しんでたようです。でもこれ、日本人だって楽しいよね。
常設展については、その内江戸の話で記事にするかも。


博物館を見たあとはお腹も空き果てて、よろよろと両国駅の国技館とは反対側に回って(飲食店はそっちに多い)、
夕ご飯を食べるお店を探します。おすもうさんの聖地だもん、きっとおいしいお店いっぱいあるよね〜〜と楽観していたら、
あれ?お休みのお店多いぞ・・?と思ったら、今日は両国の盆踊りのお祭りで、バスの運行も休みになるぐらい。
ひいどうしよう、と裏道をのぞきますが、看板やのぼりは軒並み

ちゃんこちゃんこ、ちゃんこ。

・・・ええと、ちゃんこも食べたいとは思ってたんだけど、さすがにその、この日は全国で猛暑日を観測した地点が一番多かったそうで、
なんか湯気のたつあつあつのちゃんこ鍋を思い浮かべるだけで体温上がりそうで、えー冬にまた来るね。。。

で、「ふくの鳥」という居酒屋風のお店を見つけて入ります。これが当たりで、なんか暑さでくたびれきってたのが、
食べたり飲んだりしてる内に、みるみる回復してゆくのを感じたのですよ・・・!
これはいったい鶏肉のせいなのかビールのせいなのか、
それともお店の人が食前サービスで出してくれたヘパリーゼの栄養ドリンクのせいなのか。。
タルタルチキン南蛮と鶏スープかけご飯が特においしかった。今まで食べた中で一番おいしいチキン南蛮じゃったのう、あれは。


バス停にはバスでなく親子がとまっています。お祭りが始まるのを待ち構える人で混んできました。
おすもうさんも来ないかしら、と待ってたけど見当たらなかった。。

少し元気も回復したので、お祭りもちょっと見てみたかったけど、酔いざましに川沿いを散歩しようということに。


神輿庫とあります。さすが両国。これからここからおみこしが出動するのかな?




右手は中央総武線の線路、先には鉄橋。川近いせいか風が涼しく。 


隅田川に沿って高速が走る下は、広々とした遊歩道になっていて、ジョギングしてる人がけっこういました。


行き交う電車。夕暮れの空に、橋と電車のシルエットがきれいだなあ。。


相撲の技のレリーフ。相撲ホラーといえば「走る取的」。けっしておすもうさんをバカにしてはいけませんよ。


両国橋を渡ります。


両国橋からの眺め。隅田川って、夕暮れどきが一番美しいんじゃないかと思う。。

そして、この写真の真ん中左寄りに見える緑色にライトアップされた橋を目指そうとなります。


神田川にかかる柳橋。ちょうど神田川が隅田川に合流する所なんですね。


船がいっぱい停泊しています。




こんな風に川に突き出た小さな船宿がいっぱい並んでるんです。隅田川の屋形船はこの辺りがメッカなのかな。


柳橋の名前の由来と思われる柳の木。でも幽霊が出そうな雰囲気ではないようです。


小さな船宿の灯りがいい雰囲気。


浅草橋の駅へ向かう途中で見かけた小さなお稲荷さん。きれいに手入れされていました。


たい焼きがおいしそうだったんだけど、いかんせんお腹いっぱい。げっぷ。

帰りの電車に乗る前に、ドトールでコーヒー。家で飲むようの豆もひいてもらいます。
オリンピックも始まったね、ということでブラジール。
あまりメダルに絡まないけど、あっ、この国の人形、横浜人形の家で見た!っていう国の入場行進見るのは楽しかった。
レソトとかバルバドスとか、どんな人形だったかけっこう覚えてるもんだなあ。
モーリシャスの女性選手、旗手からして思わず目を引くようなモデルみたいな美人しかいなかったけど、どういうこった。

そういえば、江戸の庶民イメージってブラジルみたいなラテンぽいノリなのに、
明治に入ると庶民イメージが、しかつめらしい、まじ〜めな感じになっちゃうの、なぜなんでしょうね。
北斎漫画とか見ると、何かといっちゃあすぐ踊り出したりするような、てやんでえな伝法?な感じなのに、
なんか明治以降、ガラッと変わっちゃうんですよね。きゅうくつな感じに。
岡本綺堂のエッセイに、明治維新からの変化についていけず、なんとなく世間から外れて、
孤独に病んでいってしまう江戸っ子を描いた「ゆず湯」という話があって、すごく悲しかったんですよ。。
そういうことは、いつの時代にもあるんだろうけど、特に大きな変わり目には、かなり若い年齢の人にもそれが起きるんだと。
自分だって、そんなに器用に自在にアップトゥデイトできる感じじゃないしね。。はあ。

・・・とまあ、しょんぼり考え込むこともあった一日でしたが、楽しかった。また来よう、両国。
そして今度こそちゃんこを食べよう。ビバちゃんこ!ビバどすこーい!


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