FPの胃袋 ~FP・社労士 川部紀子のブログ~

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 川部紀子の腹の内。

FP・社労士事務所 川部商店

札幌の看護師が自殺。家族が労災を申請。さらに?!

2014-10-21 | ブログ
昨年、ある札幌の23歳の看護師が自殺したそうです。

その家族が、
「自殺の原因は、長時間労働によるうつ状態」
だったとして、労災の手続きを進めたようです。

労災認定となった場合、国がその家族にお金を払うわけですが、

今回はこの労災死亡の問題から、別の問題に展開していったため、
大きく報道されています。

労働認定のために、
お役所は、この医療機関の『長時間労働』の実態を調べなくてはいけません。

すると、うつ状態の原因になるほどの長時間といえるか否かは別としても、
実際に時間外労働があったことが発覚。

当然、亡くなった方以外も時間外労働をしていたこともわかり、

かつ、

いわゆる残業代や深夜手当などの『割増賃金』が支払われていないこともわかったのです。

割増賃金の対象者と金額は、
過去2年間(時効が2年だから!)で、
なんと、700人超、数億円!

報道によると、
既に、監督署はこの医療機関に是正勧告をしているようです。

是正勧告なので、
「すぐに全部払いなさい!」というわけでは無いと受け取れますが、
従業員の数億円の権利はどう処理されていくのでしょうか。

日本中の事業主は、
こういう問題を他人事と思わずに、もう腹をくくって法律を受け入れないとダメな時代だと思います。

残業や深夜労働をさせないか、割増賃金を払うか、どちらかで解決です。

でも、亡くなった方やそのご家族の苦しみややりきれなさは、
その医療機関が悪いとか、お金がどうとか、法律がどうだとか、そんなことでは解決できない次元です。

だって、死んじゃったんですから…。

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