①「三角コーナーに生ゴミ入れたらのろのろになるからお母さんイヤなんだ。」
母は言った。
“のろのろ”。
“どろどろ”と“ぬるぬる”が混ざり合ったオリジナルの副詞であろう。
“どるどる”とか“ぬろぬろ”とか言わないあたりがニクい。
なぜなら、文字だけではなく発音も混ざっているからだ。
文字だけが混ざった言葉ならありがちだ。
例えば、“タラモ”(タラコ+イモ)。
しかし、“のろのろ”については、dorodoroとnurunuruの発音が混ざっている絶妙な副詞と言える。
そう考えると、三角コーナーや排水溝なんかの汚れは、“どろどろ”でも“ぬるぬる”でもなく“のろのろ”のような気がしてきた。
ぬるぬる超どろどろ未満の状態の副詞は間違いなく“のろのろ”だ。
②「大機で出ちゃったから立ちっぱなしで…。」
は?と思って聞いていたら電話のことだ。
電話の“子機”を彼女は“小機”だと思っていたらしい。
だから、“親機”は“大機”(発音はオオキらしい)となる。
確かに、言われてみれば、親と子でもいいが、大と小でも問題は無いような気がしてくる。
しかし、これは①ほど説得力は無いので、単なる勘違いということで片付けるとする。