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人を大切にする経営

2020-10-20 12:00:00 | 20期生のブログリレー

皆さん、こんにちは。事務局の宇野毅です。私は「人を大切にする経営学会」の会員です。今日は「人を大切にする経営」についてあらためて紹介したいと思います。

「人を大切にする経営」とは、元法政大学院教授の坂本光司先生が提唱されている経営手法です。坂本先生は、ベストセラー著書である「日本でいちばん大切にしたい会社」(2008年)の中で「会社経営とは5人に対する使命と責任を果たすための活動である。」と述べられています。その5人とは、①社員とその家族 ②取引先とその家族 ③お客様(現在顧客と将来顧客)➃地域社会(特に社会的弱者) ⑤株主です。(この順序も重要なポイントです。)そして、企業の目的は、売上利益の追求ではなく、5人の幸せの追求であり、売上利益はそのための手段であると主張されています。

事実、このような経営を実践する中小企業には、景気に左右されず、成熟市場や縮小市場においても業績を伸ばし続けている会社がいくつも存在しています。

また、「人を大切にする経営学会」が事務局となり、毎年、「人を大切にする経営」を実践する優良企業の表彰を行っています。今年で10年目(10回目)になりますが、表彰されている企業の特徴として、業績が良いことは言うまでもありません。理念経営が徹底されていること、社員のモチベーションが高いこと、女性はもとより、障がい者や高齢者が活躍されていること、離職率が低いこと、地域社会から愛されていること、などがあげられます。

なお、昨年8月の日経新聞で、アマゾン・ドット・コムなどの米国主要企業の経営者団体が、従来までの「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などを尊重した事業運営に取り組むことを宣言しています。つまり、株主重視の米国型資本主義から「人を大切にする」日本型経営に向けて、世界的にも大きな流れがあるといえるでしょう。

「人を大切にする経営」を実践され、「日本版ティール組織」とも称される㈱日本レーザ―の近藤会長は、社長の意識が変わらない限り会社は変わらないとおっしゃっています。「人を大切にする経営」への取り組みは、経営者の意識改革であり、それはまさにクライアントに寄り添い成長をサポートする、われわれ中小企業診断士の役割ではないでしょうか。

最後に・・・

東京都中小企業診断士協会に「人を大切にする経営研究会」という研究会があります。毎月の定例会で「人を大切にする経営」を実践する企業の経営者をお招きして「経営の要諦」を講演していただいています。坂本先生にも年に1回、登壇いただきます。  

この稼プロ!のOBにも研究会の会員が多数いらっしゃいます。また、私はその研究会の事務局を務めています。初回はお試し参加もできますので、興味があればぜひお声かけください!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ながいち!)
2020-10-20 20:51:25
「人を大切にする経営」のご紹介ありがとうございます。
社員が生き生きと働ける職場作りを目指す企業は多いと思います。ただ、企業にとって、そうすることが手段なのか目的なのかで、その企業の社会的価値はぜんぜん異なるということですね。
診断士として、これからの時代に必要とされる組織のあり方を考えてみたいと思いました。
Unknown (宇野 毅)
2020-10-21 14:53:49
ながいち!さん、コメントありがとうございます。
企業の中には、業績が上がらない原因を景気や業種など外部環境のせいにするところが多くあります。
しかし、坂本先生の著書を読むと、従業員の意識によって企業はこんなにも違うのか(変わるのか)と驚くばかりです。あさ出版の「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズもぜひ、一読してみてください。
Unknown (岡田 英二)
2020-10-21 19:49:38
「人を大切にする経営」のお話は別の場所で聞いたことがあります。
そこで、「日本版ティール組織」という言葉も聞きました。
日本の企業には古くから世界でも先端を行く組織運営をしている企業が少なからずあるということでしょうか。
指導者の意識が浸透しやすい中小企業では衝動型も進化型もありえるのかもしれません。
Unknown (宇野 毅)
2020-10-21 22:47:48
岡田さん、コメントありがとうございます。
「人を大切にする」という概念には少なからず経営者目線があると思います。そこが日本的な部分ではないでしょうか。「ティール組織」は全くフラットな組織で、圧倒的な当事者意識が素晴らしいですが、少し概念的な感じがします。

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