今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

大相撲初場所 13日目

2013年02月05日 20時12分34秒 | きものでお出掛け

今日は大相撲初場所へ、の巻。
1月18日(金)の13日目。
千秋楽の2日前。

昨年の9月場所で雷に打たれたようになり、
それからみんなで毎月、相撲貯金をして
今回はマス席での鑑賞と相成った。
正面の5列目。
ほんとは向こう正面を希望していたのだけど、
やはりなかなか取るのは難しいようだ。

さてだーっと参ります。


勉強も兼ねているので、朝の10時半から入場。
まだ序ノ口~幕下の取り組みである。



客席もがらんがらん。

それでも熱心な相撲ファンは何人かすでに来ていて、
ひと勝負が終わるたびに

「○○~、勝ち越しおめでとー♪」
「ったく、なーにやってんだ、もっとしっかりやれぃ」
「いいぞー、応援してっからなー」

などかなり近しい感じで声援を送っていた。
結構云いたい放題で、がらの悪いのもいーっぱいだった。




軽いのー。
まだ体もできあがっていない若い子たち。
行司も呼び出しもみんな若い。
中学生くらいではないだろうか。
でもみんな真剣。
真剣の塊になって相撲に取り組んでいるのだ。



この国技館の吊り屋根は
伊勢神宮などと同じ「神明造り」という造りだそうだ。

四つの隅には青(東)、赤(南)、白(西)、黒(北)の
各4色の「四房」が垂れさがっており、
これは青龍、朱雀、白虎、玄武の四神が神聖な土俵を
守護するという役割を表現している。




会場の入口付近。
もと力士だろう。
いや「だろう」じゃない。ぜったい。

大相撲の国技館内で働いているのは
こんな方々ばかりである。



両横綱!
左から白鵬と日馬富士。



稀勢の里。
化粧回しがキティちゃん。




ちょうど大鵬を偲ぶと題した追悼フィルムが流れていて、
前を通るといつも誰かがそれを見ていた。
黒山のような人だかりができていることもあった。
ワタシも見たけど、きれいな力士だなあと思った。


ここらで姐さんと合流して、いざ。

相撲部屋から席をとっていただいたので、
「お茶屋(相撲案内所)」からの入場だった。



チケットに番号がふってあり、両脇にずらりと
並んでいる中から、その番号のお茶屋に行って
到着した旨を告げると、



ひとりの出方さんがまずはお茶の入った急須をもって
席まで案内してくれるのだ。




色や柄はお茶屋ごとに違うのだけど、
たっつけ袴の形はみんな同じ。
出方さんの袴はこんなふうに脇がおーきく開いているの。
動きやすいからだろうな。
ユニークだなあ。
この出方さん、ちょっといかり肩だなあ。




比佐子さん。
お客が入ってくるまではあそこで観戦してた。




もと寺尾。いまは錣山親方。





この日は幕下の取組から「物言い」のやたら多い日で
こういう光景を何度もみた。
黒紋付に仙台平の袴姿。
親方というより親分(という人もいる)。
みんな大きいから余計に迫力がある。


そろそろ疲れてきたので、
姐さんと力士の入り待ちをしに外へ。

そう!とにかく相撲観戦は会場内の規制がゆるいので、
出入りは自由だし、立ったり座ったりも自分のペースで
やれるところが非常にいい。
常に会場がざわざわしているのもいい。

座席にきちんと座っていなければ、とか
休憩時間まで立ってはいけない、みたいなものがないから、
ほんとのーんびりリラックスして過ごせるのだ。




冬場なのでコートの着用率高し。
でもみんなあんまりさむそーじゃない。





  





ギャングスター!




ギャングスター!

たーのしいなあ、もう。




すれ違う力士。
何が珍しい?
いやいや、こんなのここでしか見られません。
道でこんな光景、あり得ません。

そうそう、面白いなと思ったのは、
外国人力士(西洋人)と日本人力士(モンゴル人も入るかも)の
歩き方が違っていたこと。

みんながみんなそうじゃないのかも知れないが、
西洋人力士は、歩くときに膝下がすっとのびているのだ。

DNAに受け継がれているものが
そうさせるのだろうか。
興味深い。









↑上2枚が西洋人力士。下1枚が日本人力士。

他の写真とも見比べてみてくださいな。




この力士は白大島だった!
ピンクや水色の羽織紐がきれいだからって
姐さんが撮ってくれたのだけど、頭がきれてる・・・。
もう羽織紐が撮りたくてたまらなかったんだろう。
でも感じがよくて、あたたかい笑顔の力士でした。




きものの色がきれいな力士と。
パープルとピンクオレンジが鮮やかなふたり。



この日の姐さんは山岸幸一さんの紫根染めの紬。
ターコイズブルーの帯〆を効かせて。
じつは八掛も同じ色なのだ。



大鷹山と。

取組を見ていたのでわかったのだ。
あまたいる力士たちの中で、
見事なもみあげを生やしておいでなので
すぐに分かったのだった。

姐さん「そのもみあげは伸ばしているんですか」

大鷹山「はい、伸ばしてます」

いきなり聞くから、どうしようかと思ったのだけど、
その受け答えがものすごく感じがよくて、
そしてものすごく面白かった。
かなりの強面なのでびくびくしていたのだが、このひと言で一変。
人は見た目というけれども、なんの。
話してみないと分からないものだと考え直した。




比佐子さんのお気に入りだった(?)隠岐の海。
ちょっとニヒルな表情をする力士なんだね。


14時20分から十両の土俵入り。



大人気の高見盛関。
大・大・大人気である。

威勢のいいお客が多い日だったこともあったけど、
会場は熱気でムンムン。
声援が飛ぶ飛ぶ。
高見盛が「ふん、ふん、ふんがー」とあの体じゅうで
入れる気合いが始まると、場内なんてもう
「うおおおおおーー」と地響きがしそうなほど!

この日は見事に白星を上げたから、
もはや観客たちはすごいことになっていた。
ワタシたちもきゃあきゃあ云って応援したな。
だって見ていると、応援したくなるんだもの!

今場所で引退表明をした高見盛関。
ほんとうにみなに愛されてチャーミングな力士だったと思う。


15時45分あたりから幕内の土俵入り。
一気に格があがる。
芯も太くなる、体だって大きくなる。





色とりどりの化粧回し。


そして横綱の土俵入り。
両横綱とも不知火型。

まずは東の白鵬から。





すり足がなめらかで美しい。
白鵬の土俵入りは必見!


お次は西の日馬富士。





幕内で最軽量の体重なのだという。
で、横綱である。すごい。
しかしこのバランスのいい体には筋肉がつまっている。

日馬富士ってよく真面目な場面になると、
左の片眉を寄せてちょっと困った風な顔をしていて、
なんというか、ハンフリーボガードの中折れ帽を
乗せたいような顔をしている。
姐さんに云ったら却下されたけど。




満員御礼になると幕がさがる。
いつの間にか人が入っている。


この日もっとも沸いたのがこの一番だったか。
日馬富士と稀勢の里。



懸賞の数も一気に増えるわけで。

「懸賞」とは企業が取組かける賞金のこと。
あの旗1本で6万円である(力士の手取りは3万)。
ただし懸賞をかける側は、その場所中に
最低15本の協賛と、懸賞旗の作成が必要なのだとか。

ちなみに大相撲をみにくると、永谷園の存在感の大きさと
角界における伝統の深さをいつもしみじみと感じる。

創業者一族がずっと相撲を愛し、贔屓にしているのだろう。




ここまで全勝の日馬富士。
初場所は楽まであと2日。

ここで二敗の稀勢の里が勝てば、
同じく二敗の横綱白鵬とともに
優勝争いがもつれ込み面白くなってくる、という状況。

だから観客も大いに盛り上がったし、
稀勢の里もかなり気合いが入っていたのだが、
結果は日馬富士の白星。

ううむ、残念。
これで日馬富士の優勝がほぼ王手になってしまった。


結びの一番。
白鵬と鶴竜。





行司の最高位、木村庄之助。



白鵬。微動だにせぬ。



呼び出しの拍子木が心地いい。
この日は横綱の白星。強し。


ラストは我々(笑)



マス席はこんな感じ。

出方さんに撮ってもらったのだけど、
いいでしょー、この場内の雰囲気。
みんな自宅の茶の間にいるようだ・・・。

この日の秋櫻組は全員つむぎ。
決して広くないマス席で長丁場と分かっていたので、
なるべく裾さばきのしやすいきものでと。


かくして大相撲初場所。
今回も大満足!

時間にしたら長いのだろうけど、
本当にたのしいからあっと云う間だった。

個人的には立ちあいの呼吸あわせがすっごく面白くて。
ふたりの力士がどうあわせて始まるのか、とか
勝つ力士は合わせ方にも秘訣があるのか、とか。
見ていてまったく飽きがこなかった。

あー、たのしかった!