中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

綺麗ごとは勘弁・・・事件はやっぱり現場で起きている!

2012-04-26 12:48:07 | ビジネス
政治の世界には常に綺麗ごとが飛び交っています。「クリーンな政治」「国民の幸せ」「清き一票」などなど。また、国の行く末を左右する国会議員を選ぶはずの選挙も、おらが村の代表を国会へ!みたいなノリで、総理が地元から出ただけで万歳三唱をしてたりします。常々、提唱しているように、本来、この国の最高学府を出て、少なくとも私よりは格段に優秀なはずの官僚に責任がないのが問題。裏で権力を握っているばかりで、ならば表舞台に出てその政策を理論的に説明して欲しいものです。国民から尊敬されるような官僚・・・無理ですかね?

綺麗ごとは、大震災と原発事故の局面においても多く語られます。復興のイベント流行りですが、福島を助けようと言っては、放射線数値の高いエリアの米を流通させたり、完全にブラックボックスになった日本海近海の魚介類の水揚げ港を偽られて、事実を知りたいと声を上げようものなら、風評被害だと批判されかねません。自分の目で見て大まかでも放射線量も理解して、その上で各自がそれぞれ判断するべきことです。

さらに、私の身近な仕事まわりでも、綺麗ごとは氾濫しています。特に、プロダクトが見えにくい研修・教育業界では、歯の浮くような言葉も飛び交っています。「真のグローバル人材を育成!」「理論的な英語力を習得!」「○○時間でビジネス中国語マスター」「信頼と実績の○○アカデミー」などなど。私の会社も創業当時はいくつかの理念を掲げました。「学ぶなら優秀な講師に学びたい!」と言うもので、先生なのか、ただの日本語のできる外国人なのかわからないような中国語講師の世界に、「中国語教育能力検定」なる基準を設けて、講師の実力を客観化しようと言うものです。が、結論から言うと、優秀な講師はほんの一握りです。そもそも、不定期な派遣講師ともなれば、その時点で時間が空いてる必要があり、暇で優秀な人を探すことが難しいからです。

組織を大きくするためには仕組みづくりが必要ですが、綺麗な仕組みを唱えたところで、その実践には、結局、現場で起きている実態を把握、解決できる一人の人間の眼力と感性が必要です。強い組織は、そのような人が複数育つわけですが、それでも大企業の社員全員が優秀なわけでもありません。私のような小さな会社に優秀な人材が長蛇の列は作りませんし、そもそも社長より優秀な人材も来るわけがないです。それでも、それだからこそ、社長と言えど現場を知る努力をすべく、中国の奥地から、レッスンの行われる会議室まで足を運ぶわけです。

選挙演説みたいな綺麗ごとを吟じることも一つの才能でしょう。それを心地よく思う人も必ずいます。が、事件は現場で起きている・・・この当たり前のことを理解せずに、理念だけ唱えてマネジメントしようとするなら、それは怪しい宗教団体と同じです。理念が先でも現場が先でもなく、これはバランスの問題ですが、それでもやっぱり事件は現場で起きている・・・組織の大小に関わらず、トップの意識はそれでいいと私は思います。

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