中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

ストレスの原因が増えた?中国新幹線(動車)の実名制!

2011-05-14 10:03:35 | 中国
今朝、CCTVを見ていたら、すでに報告されているニュースのようですが、新幹線(動車)のチケット購入時に、実名制を6月1日から導入するというニュースが流れていました。前売り券にも適用されるため、実際の運用は5月22日からとのこと。もう来週の話です。

2週間前の日曜日、南京まで、新幹線に乗って行ってきたわけですが、自動券売機の便利さを痛感したばかり。以前は、鉄道のチケットを買おうものなら、長蛇の列、しかも言い方が悪いですが、身なりのあまり綺麗ではない人達が、大きな荷物を抱えて、ごったがえす中で、非常にストレスを感じたものです。外国人からすると、自動券売機ができたことは願ったり叶ったりで、これはすごい進歩だな~と感心したものです。

中国人は身分証明書をかざせば自動券売機で買えるようですが、外国人は、パスポートの提示が必要とのこと。つまり自動券売機が使えない?これでは、飛行機のチケットを買うのと同じくらい面倒です。いや、飛行機のチケットでさえ、パスポート番号さえ入力、申請すればネット等で窓口手続きなしに買えてしまうわけですから、便利になったものが、また不便に戻る・・・少なくとも外国人にはそう感じます。

北京ー上海間のみならず、中国全土で、この先はどこでも新幹線がつながる時代。確かに、元々は戸籍はもとより、人の移動を制限してきた国だけに、高速移動手段の発展とは逆に、広い国土での人の流動を把握することは政府にとってやはり大事なことなのでしょう。中国の政策決定の早さは諸刃の剣、特に第12次5ヵ年計画であらためて強調された環境問題などは、昨日までセーフだった基準が、来月から罰金の対象になる可能性も秘めており、結局、中国ビジネスの基本は、政府の方向性と、それにあわせて出される情報や法律をいかに迅速に把握するか、その一点かも知れませんね。

ふと、私の知人もやっている旅行会社のことを心配しました。5元も払うと、面倒だった新幹線・汽車のチケットを買って持ってきてくれたりするサービスがあったのですが、今回は、このような業種にも引導を渡す方向なのでしょうか?もちろん、何でもありの中国ですから、また別の方法で彼らはビジネスを編み出すのでしょう。

私は部屋ではCCTVをつけっ放しにしていますが、実名制のニュースは、今日初めて知ることになりました。こんなことは、中国人のネットワークに敏ならば、とうの昔にわかることでしょうね。変化が激しいと言うより、世界のニュースも含めて、少なくとも日本の13~14倍の情報量があってしかるべきで、どの情報を、誰から取るか・・・その差が激しいビジネス競争の中でもポイントになる・・・立て続のブログは、まさに目の前のことでした。

メルトダウンはどこ吹く風・・・風評被害ではなく被害では?

2011-05-14 07:12:31 | 中国
こと原発、放射能の話においては、政府や東京電力が事後報告や隠匿をすることは、当たり前と考えたほうが普通だと思いますが、随分前からメルトダウンだけは避けたいと言っていた割には、さらっと普通に発表してしまう・・・危険度もレベル5が実はレベル7でしたと軽く発表してみたり。それでも穏定(おだやか)な日本人は、復興の流れを邪魔しまいと、事故周辺でも政府の非難命令のないエリアは大丈夫、風評被害だ!と言って、美しい助け合いの精神で農作物の販売促進にも協力しています。こんな素晴らしい国民性は世界どこ探してもないような気がしますが、こんな危機管理のない国家も先進国と言われる国では少ないのかも知れません。

ここ中国にいると、毎日の国営放送CCTVでは、世界各地のニュースが流れています。よく中国は自国のマイナスなことは流さないが、他国の情報はワールドワイドに詳しく流すと聞いたことがありますが、実際、日本で見たことのない国の情報がいかに多いか?逆に日本はまるで鎖国でもしているかのように、世界の情報量は、圧倒的に少ないと感じます。特に隣国、中国の情報はマイナス操作が行われている、これは疑いのない事実です。

さらに少なくなった情報は、遠い過去のように事後報告を繰り返す福島原発のその後。もう3ヶ月以上経ちましたが、解決の糸口も見えない、実はどれだけ放射能汚染が進んでいるかもマスコミは追求もしない・・・浜岡原発の作業を急ぐよりも、福島原発の方向性を世界に示さないと、いくら日本人が大丈夫だ!と言っても世界のマーケットは信用しません。日本人が北朝鮮の情報を鵜呑みにしないのと同様に、私の知る限りの中国人の友人、学者先生は、事故の程度より、事故の程度がわからない、楽観的過ぎると指摘をしていました。

ここで、浜岡原発の作業を急ぐより・・・と書いてしまいましたが、明日東海大地震でも起これば私は袋叩きですね。ただ、原発リスクは、最悪避けようのない隕石まで入れてしまうとゼロになるわけがなく、今般の福島の場合は、初動の準備や覚悟ができていなかったことも原因です。もちろん、日本は復興していかなければなりませんが、風評被害を巻き起こしているのは無能な政府であり、迅速な浜岡原発の停止よりも先にやるべきことがあります。風評被害ではなく、被害だ!と世界に思われている日本が、今後、問題をどう解決していくかのロードマップを世界に示すこと。それこそ東京電力が発表するのではなく、政府トップが世界に発信すべきことです。

これは現実だと思いますが、10年、20年後にどのような結果になっていても、目の前の生活は守らなければなりません。アメリカの嫌がらせにも負けずに、冷房消してでも工場は稼動させなければなりません。政府に怒りの矛先を向ける時期は終わりました。まずは自分が変わり、最終的に国を変えていく・・・そんな思いをあらためて強く感じました。さて、何ができるか・・・・結局、私も目の前のことだけかも?と愕然となる土曜の朝でした。