トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

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矢部宏治著「日本人はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読んだ方からの、憲法改正についてのコメントをお待ちしています。 コメント受付用記事 のアドレス http://blog.goo.ne.jp/kanra-toriko/e/a08c500525a4ba2e568012c53edbaa6f

骨までしゃぶり尽くしておくべき大阪都構想投票

2015-05-18 18:10:33 | 政治や経済
1. 分断説に踊る時間を惜しむ。
2. 人を選出する選挙とはずいぶん違った。
3. 国政と地方政治の変なリンクはやめたい。


<1. 分断説に踊る時間を惜しむ。>

大阪市の全区で接戦だった。それを無視した「分析」は嫌だ・・・。
例えば、この図。青が都構想賛成票が上回った区、赤が反対票が上回った区。



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(・・・)
大阪市北部は「キタ」で知られる繁華街・オフィス街の梅田や大阪駅、北新地、北浜、淀屋橋などを中心とした地帯で、大阪随一のビジネス街・官庁街(市役所・府庁在所)でもある。一方、大阪市南部は「ミナミ」で知られる歓楽街の難波、心斎橋、天王寺、新世界(通称)などを中心とした雑多な商業集積地帯である。一般的に、全国的な報道や映画、ドラマの中のイメージで登場する「大阪」とは、この「ミナミ」を中心とする大阪南部一帯である。

それは例えば『じゃりン子チエ』の舞台である大阪市西成区、『ミナミの帝王』の主な舞台である難波・天王寺一帯(勿論この作品にはキタも登場するが)、そしてかの有名な「道頓堀」「グリコの看板」「くいだおれ人形」「通天閣」は、全てこの「ミナミ」の情景である。
(・・・)
(http://blogos.com/article/112320/ 古谷経衡「大阪都構想住民投票」で浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」図も古谷氏が制作)
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納得してしまいそうになるが、次の図を見れば印象が変わる。


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https://twitter.com/ktgis/status/599950291098734593

谷謙二/TANI Kenji @ktgis

大阪都構想の開票結果の賛否の分布。どの区も賛否が拮抗していてわずかな差しかない。データは大阪市役所のページ。
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu240/sokuho/kaihyo_data_10.html …


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地域ごとの傾向の違いなんてたいしたことなかった。残るは年齢ごとの違いで、速報番組では70代以上のグループの反対票が目立っていた。一般的に高齢者の方が投票率が高いので、「反対する高齢者が多いので、多くの反対票があった」「若者は賛成だったが、投票には行かなかったので賛成票は減った」というような話になるのかもしれない。
だが、それなら、「都構想実現の可能性を少しでも上げるために、絶対投票に行く!」というほどには熱意がなかったことになるのだ。若者の支持といっても、熱意に欠けていたことになる。そんなことから、高齢者と若者との分裂を強調するほどの結果は出なかった、と思う。

地域差・年齢差をおおげさに強調して、本当はたいしたことのない分断(北vs.南、高齢者vs.若者)を決定的なものであるかのように述べるのは、不毛だ。状況はそんなに単純なもの「南に回っている予算を北に入れる」とか「高齢者に回っている予算を若者に使う」とか)ではない。

選挙の結果、北では賛成票が南では反対票が圧倒的に多かったわけでも、高齢者若者共に高い投票率であって高齢者は反対し若者は賛成したが有権者数で勝る高齢者の反対票が決定打になったわけでも、ない。
南北でも老若でも、相手側に寄り添う判断を下す人も多かった、ということにはならないか? それを前提にして、二重行政の解消でもなんでも大阪市を良くしていく計画を立て始めればいいだけに思える。



<2. 人を選出する選挙とはずいぶん違った。>

運動の制限など全く違う・憲法改正の国民投票はこんな感じ・・・というようなことだった。積極的に情報を集めてはいないが、なんだか嫌な制度だな、と思っていた。
維新の党は、正確な理解よりも、上手で高額な宣伝活動でイメージを作ったり安易に「敵」を設定して憎しみを駆り立てたりしていたような印象がある。他方、反対していた他の党の予算はずっと少なかったためか、運動方法などは私にはほどんど伝わってこなかった。

開票速報番組は、議員などの選挙とは全然違ったね! 当確がすぐに出るというのは、ああいうはらはら感を味わいそびれるということなのね(可決されていたら、こんなにほがらかに書けなかったわけだが)。
当確を速やかに推定する技術力があるのだから望むわけにはいかないが、なかなか当確が出ない方が選挙が実感できていい、と思った。

違いは、開票後の記者会見でも感じた。いつもの開票番組では、挨拶かせいぜい表面的な話しか聞けない。
橋下市長に対する不思議な記者会見(私は、「橋下市長は、最近は都構想の運動ばかりで、公務はほとんどしていなかったのでは?」という点をきいてもらいたかった)は、馴れ合った雰囲気が嫌だから置いといて(なんだか、大阪をずたずたにしたことが思い出作りみたいで、私はむっとした。大阪都構想ではなく、例えばダムや原発の建設などで破れたらどうだったろう? 地域を分断する点は同じだと思う)。
対する、自民党市議(柳本氏?)の会見が印象的で。こういうテーマで住民投票をするのはいけない、というような発言にしみじみした。「いきなり首長」と「地道に市議会議員」は、政治姿勢がずいぶん違うように見える。
結果論になるが、本当に僅差だったので(賛成・反対・棄権が1/3)、まずはもっと話し合いで賛成か反対の数を増やすべきだったと思う。あんなに割れているのに、多数決で「変える(=賛成)」が決まったらたまらないなあ、と(「変えない(=反対)」ならまだいい。「=マイナーチェンジ有り」だから)。




<3. 国政と地方政治の変なリンクはやめたい。>

(1) 都構想を「理解している」とはとても言えない私だが。どちら側の資料を見ても、賛成する気持ちになったことがない。今の政府と同じで、悪徳商法のパンフレットみたいで。ただし、無条件で反対側に賛成(~)するほどではなかったが。
(2) 橋下市長の人柄が合わないせいもあるのは確かだ・・・。その点、反対側陣営は自民党から共産党までいる連合体であり、橋下市長と対になる人物がいなかったので、人柄でなく政策だけで考えられて良かった。
(3) 投票までの流れも嫌だったし、投票後に考えられる国政の動きも嫌だ。

この投票は、市議会における公明党議員の賛成がなければ実施できなかった、という。昨年の総選挙で橋下市長が公明党議員の対抗馬になるような立候補をしない、というのと引き換えに、大阪市議会で公明党が賛成した。
橋下市長はもともと安倍首相を支持していた(前にも書いたが、当時野党だった自民党で首相辞任から息を吹き返しつつあった安倍氏のことを、当時人気絶頂だった橋下市長(府知事だったかもしれない)が盛り立てた。あれがなければ、今日の首相は安倍氏ではなかったかもしれない・・・と私はイラついてしまうのだ)。それに加え、都構想が決まったら維新の党は自民党の憲法改正に協力することになっていた。だから、首相と菅官房長官は都構想に協力的(今回の投票で橋下側が明らかに優勢だったら安倍首相は応援に駆けつけたという推測がある)。

衆院選挙と憲法改正ですよ。大阪府や大阪市といった地方の政治が、国政での動きの取引の材料にされている。何が地方自治だ。なんてえげつないんでしょう!
今回のことに限らない。近年、地方と中央の間が、現場の非正規雇用者と東京本社経営陣みたいなことになってないか?

トリクルダウンでもトップダウンでもなく、多くのボトムアップが動めかないと日本は衰退するような気がする。まだこれだけ人口があるのだから、埋もれている人材は多いはず。

軍事的に良い位置とはどこか?(横田基地にオスプレイ配備)

2015-05-18 18:05:24 | 政治や経済
・ 在日米軍の多くを沖縄に集中させる。攻撃側からすれば、沖縄の基地を叩けば在日米軍の多くに打撃を与えるということになる。いかがなものか。
・ 沖縄のみに負担を負わせる。負担は、可能な限り日本全国に分散させるべきではないか。
・・・という2点への回答として、オスプレイを東京都に持ってくるのは妥当なのかも。沖縄県民の反対運動に賛成する人にとっては、「沖縄だけに負担を押し付けるな」の姿勢に沿うし、反対するような人にとっては「防衛上必要なものだから受け入れろ」と自分にも言わなければならない。

それはともかく。
日本の国土に置かれるアメリカの軍事資源の量を増やすのだろう、という気がしている。


沖縄県の負担はそのままで沖縄県外の負担を増やし、沖縄と沖縄県外の負担差を減らす。
安倍政権は日米の軍事面の連携を強化するとアメリカに約束したし、強行採決してでも実行するだろう。それは、日本が自衛隊という資源を国外に提供するだけではなく、米軍(英軍・豪軍も?)が日本の領土を今まで以上に使う話なのかもしれない(兵器開発・供給も含む)。

沖縄の位置を、沖縄県外(特に東京)と大陸(今の政権は中国と北朝鮮を気にしている)との間、と考えると。沖縄の米軍基地は大陸の攻撃に対する盾みたいに見える(少なくとも、私には)。米軍にとっては、1950年代以降、ベトナム・朝鮮・中東への中継ポイントとして機能してきた。
だが、日本列島全体の位置を、大陸(中国とロシアなのかな)と太平洋・アメリカ・オーストラリアなどとの間、と考える時代なのではないか。だって、船も飛行機も速くなったのだから、広い面に切り替えて考えるべきだもん。

つまり、沖縄だけでなく、横須賀と横田も強化ポイントになってきたのだ(でも、飛行訓練にはやはり東京(多摩ではなく六本木や市ヶ谷のことです)上空は使われないだろう。日本人の中に「沖縄だけ負担が大きいのは不公平」という共通認識がしっかりしていれば、沖縄県以外の地域上空も活用し易いかな? なるほど、リニアを始め新幹線という陸上交通を強化し続けるわけだ。日本の旅客機が飛び回っていたら米軍機が飛びにくいから)。
オーストラリア大陸の北部海岸に立って見る。海があって、日本が長々と横たわっている。その向こうには、ロシアと中国という共産主義国がある。中曽根元首相は、日本列島を「不沈空母」と言ってた。


さらに妄想度を上げる。
外国人観光客誘致と東京オリンッピックパラリンピックで、日本は外国人向けの装備を向上させている。一方、東日本大震災の被災地である岩手と宮城の復興はまだまだ。それで、アメリカ(やイスラエルも有りかな)の軍事産業関連(兵器メーカーだけではない。食品だってそうだ)を受け入れる。
アフガニスタンとイラクの戦後処理がもっとうまくいっていれば、どんどん入り込めたはずのアメリカの企業(工事や金融やコンサルタントや・・・。アフガニスタンでは一時、活発に動いていたので)が足踏みしている? 残るはアフリカとアジア。だが、アフリカは中東関係が飛び火している。アジアは中国が押し返す。それなら、日本を狙う。
こんな妄想が現実になるのは嫌だけど。最も嫌なパターンは、日本の国民が気がつかないうちになし崩しに進んでしまうこと。政府が全く気がつかないというのは、いくらなんでもあり得ないだろう(少なくとも、一部の政治家と官僚ならわかるはず)。そういう計画でいるなら、メリットデメリットを明らかにして、国民にも選挙で意思表示させて欲しいな。

英語を身につけることに選択の余地はないような気がしている

2015-05-18 18:05:02 | 政治や経済
まずは母国語である日本語をしっかり身につけてから、英語を学ぶべきである。思考能力を優先させるために。それがおろそかだと、「英語屋」にしかなれない。・・・社会の風潮はそんなだったと思うし。私自身、今もそう思っている。が、そんな悠長なことは言ってられないんではないか?>特に若い世代。

報道もたぶん研究分野でも、日本国内で日本語で得られる情報はとても偏っているようだ。例えば、今月上旬の187人の日本研究者の声明は、読売新聞(なぜ朝日も毎日も選ばれなかったのだろう)にしばし放置されていたし、日本語訳は原文のニュアンスを損なっている説もある。
安倍政権下での放送の中立性の守り方は、海外発の情報にはどう適用されるのだろう? 日本の政府への批判につながりかねない情報(中国や韓国が戦争のことをあれこれ・・・というだけではない。原発事故直後のことだが、放射性物質の拡散の図は外国のサイトで見るしかなかったとか。ここにあげるまでもなく、いくらでも考えられる)は、よほど重大でない限り「両論併記」ではなく「除外」されていると感じる。東西冷戦中の東ドイツ人が、正確な情報を得るために西ドイツ方面の山に登ってアンテナを掲げて西側の放送を傍受した・・・という話をどこかで見かけたような気がする。本当は、そういうのが必要な状況になっているのかもしれない。

思考力を高める云々というのは、こういう国・こういう時代では優先順位が低い、贅沢な選択であって。
状況をできるだけ360度に近い多方面から見渡すために、思考力の成長を多少無駄にしても、英語を身につける必要があるような気がする。得られるはずだった思考能力のレベルには未練も残るが。背に腹は変えられない状況に陥る可能性の高さで、選択しなければならない。

マスコミ(企業・社員)の良し悪しを本気で判定するなら。国内で日本語で提供されている情報だけでなく、外国で発信されている情報も、比較の対象にしなければならない(ガリレオが当時の人々から嘘つき呼ばわりされたのは、今の人からすれば濡れ衣であるように)。


・・・とまあ、私のようなお馬鹿さんが書いても、説得力はないのだが。

道に迷うような時間を持つような贅沢も少なく(「スマホ使えば簡単に行けるだろ」)、大学進学しても将来の社会で果たすべき機能別に分けられる制度が始まるとか。本人達は当たり前のようにきっちり生きているんだろうけど。駅から登校中のたくさんの高校生が歩いているのを見たりすると、なんだかたまらない気持ちになるんだ。