トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

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矢部宏治著「日本人はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読んだ方からの、憲法改正についてのコメントをお待ちしています。 コメント受付用記事 のアドレス http://blog.goo.ne.jp/kanra-toriko/e/a08c500525a4ba2e568012c53edbaa6f

2/29 政治倫理審査会(岸田首相・武田議員)走り書き

2024-02-29 19:29:03 | アベスガ政治の仕上げ中?

岸田首相。
(1) 衆院予算委員会の発言の繰り返し率高い
(2) 党内規約変更(処罰に関するもの)変更は3月17日の党大会に間に合うように進める
(3) 立憲岡田幹事長から、3年より前の経理資料(だったかな)はないにしても通帳はあるだろうから確認せよと予算員会で要求された件、確認できなかった
(4)  首相在任中の政治資金パーティーはもうしない(「という結果になるだろう」)


予想通り、予算委員会での内容を超える発言はほぼなし。自民党(弁護士も入れた)の調査能力低すぎ。
(2),(4)のような宣言派、守るかどうかわかったものではないので私は聞き流した。
旧統一教会問題の「議員アンケート結果」と同じで、裏金事件の「聞き取り結果」という「箱庭」を作ってその中のだけを使って回答する。それでカバーできなければ定型文(例えば「ご指摘の経緯、についても当然、聞き取り調査の中で質問を繰り返したわけでありますが」)を添えて時間をとる。

そういえば、岸田首相になって初めての国会に「安倍・菅と2代続けて会話が成立していない質疑応答だったけど、やっと普通のやりとりになった」とほっとした記憶があるのだけど。いつから先祖返りしてしまったのだろう。

 


武田議員。
(1) 事務総長である自分も二階会長も、経理関係は在職25年の事務局長(検察が起訴済)に任せきり
(2) なので、問題となった処理・派閥パーティー券の議員ごとの販売ノルマもその人が決めた
(3) なので、ノルマ超過分の処理が2タイプ(武田議員を除いた幹部は裏金化・他は皆一斉に派閥からの寄付として自分の政治団体の帳簿にきちんと記載)あることなども全くわからない
(4) パーティー券代金の確認(だっけかな)作業は膨大で過酷
(5) 自分は政治倫理審査会出席には全く無条件(公開・非公開など)で臨むつもりでいた


どこまでも頼りない武田議員。
発覚してこんなに経つのに、まだ事務総長としての事態把握をしていないし、首相が振りかざす報告書もちゃんと読んでいないようだ(例えば「中抜き」を「留保方式」と言い換え始めたのはこの報告書だぞ)。
岸田首相のための時間もこの人に使えれば、何か新しいことが引き出せたかもしれないなあ・・・


総務相時代の答弁もそうだったが、質問されるとぼろが出る。
派閥の問題の全容解明を要求されて、「刑事訴追をされている事務局長の裁判などを通じて徹底的に事実解明をしていきたい」って。裁判任せにするってか。

(4)なんて、そんなおおげさな件数でもないじゃないか(というような内容の質問)に対し、無垢な子供のようにきょと〜んとしたと表情を見せていた。
用意された台本を自分自身の言葉であるかのように上手に話す(これは自民党大臣必須の能力だ)・内容の矛盾など突かれると「当事者席」からささっとずれて「自分、よくわかってないんです」と子供の使いになる。発言というか姿勢というか、浮動して見えるんだよねえ。元気に騒いでいたのに都合が悪くなると透明になってしまう不思議な妖精みたいだ。
(なので、この人が「肝に銘じて」を「肝を銘じて」と言い間違えただけでも、他人が書いた台本だから自分の語彙にない言い回しを使っちゃうんでしょうねえ、と疑ってしまう)

(5)のこと。公開を要求されたから出席を断ったようなことが報じられたが、事実ではない、というようなことを言っていた(あやふやですみません)。
どんな条件でも開催するなら必ず出るつもりでいた武田議員と、出席が武田議員一人だけでも審査会を開催するつもりでいた浦野議員(維新)達。間に国対など他の議員も入っていたために行き違いがあったらしい、というような結論に落ち着いたようだった。

 


武田議員が「フルオープン」な審査会に出ることが決まれば、西村議員らも断れなかったろう。首相が出てくる必要もなかったのだ。


どこでどうなった、いや、誰がどんな意図でどう動いたのか。
浦野議員は、予算委員会での岸田首相の発言と裏腹であることなどにひっかかっていたようだ。「劇場」みたいなことならやめてほしいよなあ。

 

 

夕方の情報番組をぱらぱら見たが、私が気になったことはほぼ言及されていなかった。まあ、私だって「あらすじを書け」と言われたらこういう内容にはしないけど。報道と情報がずれていたからこそここにメモしておく気になった。

途中で速報された「大谷翔平結婚!」でもちきりになる予感・・・

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リークという「攻撃」の目的って何だろう(これこそ「自己責任」では?)<盛山文科相辞めず(3)>

2024-02-27 12:10:11 | アベスガ政治の仕上げ中?

旧統一教会を長年取材、追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏は、9日の日刊ゲンダイデジタルで、リークの意図とルートについて、こう解説している。

「岸田氏と教団幹部との面会が昨年末に報じられたのは、解散請求に激怒した韓国本部の意趣返し。日本の頭越しにリークしたと聞くが、盛山氏や林氏については違うラインから漏れている。手のひら返しと言える政権の動きにカンカンの教団は岸田派への攻撃を強めている」

「盛山氏と林氏の件は地方の教団幹部によるリークで、日本本部は黙認しているようだ。自民の党員獲得ノルマは比例復活組ほど厳しく、教団はその面でも盛山氏を支えてきた。党の点検でウヤムヤにせず、第三者委員会を設けて徹底調査し、関係を明らかにしない限り、この問題は終わらない」


・・・以上は下記からの抜書きです。
「盛山文科相の更迭」こそが旧統一教会の狙い…リーク写真で政権を批判する朝日新聞と立憲民主党への違和感 このままでは誰かの「思う壺」になる 2024/02/15 13:00 PRESIDENT Online 小田 尚(政治ジャーナリスト、読売新聞東京本社調査研究本部客員研究員)https://president.jp/articles/-/78689 

旧統一教会韓国本部が岸田首相の件を、日本国内地方支部幹部が盛山文科相と林官房長官の件をリーク・・・と鈴木エイト氏が解説。
リーク元が異なるのは、韓国本部と日本国内地方支部それぞれが直接関わった件についてリークしているからなんだろうか。

 

 

小田尚氏が示した教団側からの「攻撃」についてもっと細かく考えてみる。考える足掛かりに適している、と思うからだ。


(1)「旧統一教会による被害者救済の法案(・・・)では、法人が霊感などの知見を使って不安を煽り、寄付が必要だと告げるなど個人を困惑させる不当な勧誘行為を禁止することなどが定められた。このため、法案を不服とする教団側が「異議申し立て」の意味でリークしたのではないか、とささやかれている。」

この「ささやき」が当たっていたとする。が、それでも、法案を不服とする教団側がリークとして異議申し立てしても、成立を止められない。それは明らか。

 

(2)「今回、盛山文科相が(・・・)旧統一教会の標的になったのは、言うまでもなく、23年10月に教団に対する解散命令を東京地裁に請求した所管大臣だからだ。」

これの狙いとして考えられるのは、文科相の更迭。それが達成できなくても文科相のイメージダウンはできるだろう。この辺りは先日に大臣の仕事などについて考えた。
(1)と同じで、教団側には憂さ晴らしくらいのメリットしかないのでは。一方、自民党と教団というグループの部外者(例えば私・朝日新聞社・立憲民主党議員・その他いろいろ)にとっては、新情報・判断材料が得られた。

 

(3)「立憲民主党は、結果的に旧統一教会を利するとしても、岸田政権のイメージダウンを図ることを優先させたのだろう。朝日新聞と組んで、国会で盛山氏に波状攻撃を掛けた。」

小田尚氏にはわかっているのだろうけど。私には、この「結果的に旧統一教会を利する」の意味がわからないのだ。氏の文章を何度か読んだが、あれらリークが教会側にとって利が得られるような展開に繋がるのかという説明は一切ない。
説明されなくてもおおかたの人にはわかっているのかもしれない(「え〜、どうしようかな。友達とかにでも聞いてみようか」と迷っているうちに文科相の件は止まった。今さらだけど、機会があれば時間がたっても聞いてみる価値はあるのかなあ)。

 

 


わからない。これらのリーク・攻撃が教団にもたらすメリットは何だろう?
「岸田派への攻撃」とあるが。もしそれが岸田政権を倒すことにつながっても、次の政権も旧統一教会に厳しく臨むだろう。仮にそれが野党(「ゆ党」ではない)政権であれば、自民党などと旧統一教会との関係をもっと厳しく調べるはずだ。


だとすれば、次の政権が自民党(と維新?)の、旧統一教会との関係を修復するようなものでなければ、リークの意味がない。
が、そんな国会議員は当分はいないだろう・・・いるの?


そう考えると、実用的な成果はありえない。
岸田首相・林官房長官・盛山文科相は過去に私達教団にこんなに世話になって今日があるのに、解散請求とかある?ひどいでしょ?・・・とアピールされても、「教団を責めるのはやめよう」と思う人もいないし。

ただ。
特に、選挙応援を頑張ったような信者達からすれば。無計画に怒りに任せて告発したとか? 組織内部の統治として、幹部はこのままではヒラの人達に対して顔が立たないとか? 自民党地方議員(教団との関わりを断つという党方針の例外的扱いのまま)へのアピールとか?
また。韓国本部は、自民党党本部・元米下院議長・「天宙平和連合」のトップ・・・というインパクトある情報も握ってるんだから、と威嚇したのかな。

または。
岸田政権打倒などの政治的な変動を誘うのではなく、単に教団と関わった政治家達に「今度のリークは自分の番かも」というストレスを与えるのが目的とか?
この場合、「教団側からの攻撃」というよりも議員達の自業自得と呼びたい。隠さなきゃいいのに。

 


・・・という想像はしっくりしない。私は何か見落としているのかな。
少なくとも、

 


だが。
教団側にとっては、例えば私のような自民党などの政治家でも信者でもない日本人なんて眼中にない、と仮定したら?

 

 

自民党などの政治家達にストレスを与える。(*)
信者達には「ただやられているわけではない・証拠はある・裏切りに対しては泣き寝入りせずに怒る」とアピールする。

安倍元首相は教団の広告塔だったが。外部の人達の勧誘のためというよりも、内部の、信者の人達に教団の権威・正統性を示す役割の方が重要だった。・・・という情報に合った仮定だと思うのだが、どうでしょうか。

金銭問題や人間関係のトラブルといったことで悩んでいる人が取り込まれてしまう団体なら。上層部はともかく、おおかたは繊細で張り詰めた人達のような気がする。「攻撃」といっても計画性に乏しく、むしろ感情を爆発させてしまう(不平・不満・不安をためこんでしまうが、たまに爆発する。若い時の私はこのタイプだった気がする)。
そういう人達を「敵」とひとまとめにする誤解を生むような言葉遣いはやめたい。現役信者の方々には怒られるんだろうけど。そこから出てこっちに戻っておいでよ、そう思ってる。


・・・という推測が外れているならば。
旧統一教会本部が旧オウム真理教のようなタイプのグループであれば、その「思う壺」は戦闘的・物理的に危険なものの伏線かもしれない。
CIAのようなプロフェッショナル集団タイプなら、むしろ自分の首を絞めるようにしか見えない岸田政権打倒のために「リーク」することの裏には、何らかの高度な「思う壺」作戦があるかも。
政府はそういう調査や想定をしたり対処を検討しているのかなあ。教団とは長年の仲間だったから、調べなくてもわかっているのかなあ。

 

 

自民党がもっとまともな、「リーク」されるようなことが残らないほどの調査して今まで通り「過去のことだ」と開き直っているだけで、こういった心配は減るのではないか。

朝日新聞も立憲も他のことを取り上げられるし(国会中継を見ているだけでもわかるのだが。政権批判や政権への異議申し立てというなら材料は他に山ほどある)。小田尚氏も教団側からの攻撃とそれに連携する朝日新聞と立憲の波状攻撃とかに気を揉まなくて済むだろう。
2022年のいい加減な対処のままで2024年を迎えた岸田首相・自民党の不備が現状を招いた。元信者・弁護士・ジャーナリスト・一般国民、それともしかすると文科省職員は「だからちゃんとしておけばよかったのに。そういう声あったよね?」と思っているだろう。

 

そもそも、国会議員が教団について不注意すぎた(統一教会を知らないほど若い議員はまだ少数派だし。自民党議員なら若手でも世襲が多いから情報が入っていて然るべきだし。紀藤氏ら弁護士達はアピールを繰り返してきたし。旧オウム真理教の処刑もあったことだし)。
・・・税申告についての手引きが毎年与えられても対応できないような人たちに期待してもいけないかもね。

だが、2022年の調査時とその後の対応(調査時の回答に漏れがないか点検をしなかったのだから。また、本来は、自民党に設置されたはずの情報提供担当と本人が、漏れをダブルチェックする体制が必要)についてはもっと悪質だ。
個人の使命感や探究心などからではなく、権力者が自己保身のためにごまかそうとして窮地に追い込まれているのだから。

「自己責任」という言葉はこういう時にふさわしい。

 


「CIAのようなプロフェッショナル集団タイプなら、むしろ自分の首を絞めるようにしか見えない岸田政権打倒のために「リーク」することの裏には、何らかの高度な「思う壺」作戦があるかも。」と書いたが。
万が一そんな展開になれば、それは、岸田首相・自民党の保身に走った対応が日本全体に招いた災いである。
「教団側からの攻撃」は、その対応のおかげでリークという砲弾を劣化させずに済んだのだから。

 


それにしても。文科大臣が初出馬の生稲議員と似たり寄ったりの回答しかできないって・・・ 大丈夫なんでしょうね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(*)
自民党議員達に仲間意識がある人などにとっても「議員達を守らねば」という状況かもしれない。それなら、小田尚氏の文章の意味はよくわかる。

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あの夏の「思う壺」説に支配されたままだったら

2024-02-25 11:46:29 | アベスガ政治の仕上げ中?

安倍元首相が殺害され、犯人は旧統一教会の信者である母に苦しめられてきた山上だった。
本人のツイートから、元首相に批判的でなかったことが読み取れた。もともとは元首相ではなく教祖(韓鶴子)を狙いたかったが諦め、元首相は旧統一教会とのつながりがあると<思い込んで>、街頭演説で狙うことにした。

初期の情報はこんな感じだったというのが私の記憶(上の「<思い込んで>」という言葉はしばらくの間付いていた。私には違和感があった)。


もっと前の段階では、岸田首相が「民主主義へのテロ」と繰り返していたが、犯行動機は政治的なものでないという認識は速やかに広まった。旧統一教会の問題が注目されるようになった。被告のこれまでの人生・旧統一教会による被害・元首相と旧統一教会の関係などが知られるようになり、新しい情報が日々もたらされた。
自然なことだが、この件について一般の人達が知識や疑問や意見を持つようになっていく。が、そういう社会の動きのことを「テロリスト(山上)の思う壺」と呼び、否定する有名無名の人達は珍しくなかった。「思う壺」発言は早い時期からあった。が、だんだん消えていく。

とはいえ、例えば杉村太蔵氏はずいぶん後まで言い続けていた。最終的には思う壺論を放棄したのか、それとも今までずっと正論だと思っているのかはわからない。
壺論を乗り越えた展開になっていく。事件からやや離れ、旧統一教会そのものについての情報が増えたのだ(例えば、旧統一教会の「商材」とその価格も知ることになった)。壺論は意義を失なったので、この時はもう敢えて語られなかったのだと思う。

 


(・・・と書いているうちに、「テロリストに忖度する」というせりふを思い出した。これは安倍元首相がよく使っていた。セカンドレイプ → テロリストへの忖度・反日 → 思う壺 かな?)

 


2022年夏の「思う壺」論で終止符が打たれていたら? 社会はどんなふうになっていただろう?


ざっくりとした書き方にする。・・・が、こんなことを考えてみるのはストレスだなあ。しかもこの推測の信憑性はどう判定するのか? つ・ま・ら・な・い・っ!

 

 

 


===2022年夏の「思う壺」論で終止符が打たれた社会===


韓国にある旧統一教会本部には、日本から莫大な資金が送られ続けている。日本では自民党の選挙が支援され続けている。

だが、国民はその事実を知らないまま。被害は拡大する。もちろん被害者への救済措置はないから、弁護士に依頼して対応するしかない。


東京都多摩市・府中市に新たに教会施設が作られ、近隣の高校・大学で勧誘が行われている。

「統一教会」は知っていても「家庭連合」は知らない世代が信者になっている。その結果団塊の世代を含むので、莫大な人数の高齢者が老後資金を失ない、生活保護受給者・自殺者の増加の要因となっている。が、行政資料は、原因は家計の破綻による困窮・家庭内不和と分類するので、旧統一教会がもたらしたものだと把握されない。

実態を把握した紀藤弁護士などがネット上でアピール。また、行政(文科省など)・国会議員らへの報告や依頼を続けている。が、国家議員はマスコミが報じていないことを理由に気にとめない。

 

岸田政権の閣僚は、選挙違反・税金未納などの問題で何人かが更迭されているだけ。首相の言う「適材適所」な派閥人事が続く。
また、旧統一教会の紹介により首相は多くの外国要人と面談。トランプ氏とは安倍元首相並みに親しくなり、共に教団の集いに赴く。その際、トランプ氏は教団から出演料を受け取る。これらの実績により、首相は「外交の岸田」を標榜。

LGBTQ・ジェンダーフリー・夫婦別姓はこう着状態。国会議員・地方自治・学校教育における旧統一教会からの働きかけは知る人ぞ知る状況にある。また、教団と協定を交わした自民党などの政治家達が活躍している。教団の価値観と共通点が多い議員は、教団による選挙応援・住民運動という助力を得て政策を実現していく。

ネット上で「反共」を熱く語るアカウント群が目立つ。選挙支援で献身的に投票依頼の電話をかけ続ける信者達が、同じようにネットで発信しているのだ(これは私の妄想かもしれない)。
これに影響された泉代表(立憲)は、共産党ではなく国民民主・維新と組むべきだ、と決意(これもただの妄想かなあ。先日の京都市長選を見ると、京都の立憲は共産党と組まないのが文化みたいだし。枝野議員が代表だったから泉・福山両議員は妥協していたのだろうか)。そして、維新にはふられ国民民主にはゆくゆくは裏切られる(妄想がどんどん膨らんでいく・・・)。

どうあれ、岸田政権の支持率は低いながらも安定しており、また投票率はどんどん下がっていて、旧統一教会を含む組織票でどの選挙でも与党が勝利。政権・連合・財界はますます結束を強める。

 

安倍元首相は、非業の死を遂げたことにより生前よりも批判がタブー視される存在になった。また、旧統一教会問題でのダメージをかわせたので、安倍派の力は損なわれていない。

「東京2020」は元首相が高橋氏に約束した通り、その胡乱な手続きや運営が捜査されない。
政治パーティー券からの裏金問題は対象が安倍派議員に多いので、上脇教授が告発しても検察はろくに動かない。安倍派5人衆が官房長官・幹事長をかわるがわる務め、その間に政治活動費・官房機密費などを裏金化させ活用している。
生前に露見した「桜を見る会」など他の問題も埋もれていく。

また、宗教法人である教団には政治家達の裏金がプールされており、タックスヘイブンとなっている(これは私の想像)。

============================

 

 

 

・・・私の記憶力と想像力ではとても足りない・・・


こうしてみると。「思う壺」論は、旧統一教会・安倍元首相と自民党を守るのに役立つ。

現実は「思う壺」論は否定・無視・留保されたので。あれからの日本社会は、上に書いた私の想像とは違う経験をした。
これは、山上被告にとって「思う壺」だったのか?

山上被告にとって不本意であろうことは、旧統一教会がこれまでと同じくあるいはもっと栄えることだろう。伝わっている供述によると安倍元首相と自民党には含むところがないのだから。(*)
ということは、旧統一教会のありさま・政治家とのつながりが広く知られるようになった、社会がそれを良しとしなかった・・・というのは、「成功」だ。それを「山上被告の「思う壺」にはまった社会だから」と否定的に考える人もいるのかもしれない。

私は違う。
「上に書いた想像の日本社会」よりは、「今の日本社会=現実」の方が良い。私はそう思う。
「思う壺」論は思考停止につながるものだ。ただ頭に入れておいて必要に応じて(考えを点検したい時とか)引き出せばよい。

 


山上被告が殺人ではなく言論で、旧統一教会と安倍元首相と自民党の関係の告発を果たしていて。それを社会が同じように大きく取り上げる。・・・それがベストだった。

告発していたら?
残念ながら、社会は黙殺したかもしれない。旧ジャニーズ事務所のことを、元フォーリーブスの青山氏が告発したときのように。ましてや、故・安倍元首相の後継者達や自民党などの教団と関係する政治家が守ろうとするのだから。報道もほとんどされなかったろう。

しかし。
殺人という手段で否応なく注目させるのはいけない。
桐山聡の件で昔も見た三菱重工ビルの爆破現場の映像が流れて、実感した。破壊の規模、そして犠牲者の数が全く違うが。やったことの種類は同じなのだ。ひどいことだ。
理屈じゃなく感覚なので、どう説明したらいいかわからないけど。

ーーーーーーーーーーーーーーー
(*)
「伝わっている供述」が事実ならね。
そうではなくて、旧統一教会と安倍元首相と自民党の関係の告発が目的であれば、現実はまさに「思う壺」かもしれない。
裏金事件もそうだけど、「検察のリーク」には威力を感じる。

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大臣の仕事とは<盛山文科相辞めず(2)>

2024-02-24 14:32:12 | アベスガ政治の仕上げ中?

小泉元首相が郵政相だった時の逸話に、窓際状態だったので省の図書室かどこかで本を読みまくっていた、というのがあったはず(首相となって郵政民営化を断行したのは・・・?)。

小泉政権時代の南野(のうの)法相が委員会で答弁した時。朝礼台で作文を読む小学生のように、原稿(官僚が作った物だろう)をマイク越しに両手で掲げて棒読みしてた(このイメージは若い人と共有できてるのか?)。
そもそも、看護師団体の幹部だった人が法務大臣になったことが不思議だ。法相を経ていよいよ厚生相に就任・・・ってこともなかった。

 

 

「解散命令請求が行われ、手続が大きく進んだ」のは、文科大臣が盛山氏だからこそ、なのかなあ?

実質は文科省文化庁の官僚が担っているのでは。大臣は請求手続き書類やその間の決裁への押印をするが、他省庁や外部への連絡や調査そして文章化など内容そのものは官僚が作り上げる。
もちろん、解散命令請求をするか否かは大臣が決めるのだが、現状で「しない」という人は文科大臣に任命されないだろう。
つまり、誰が文科大臣であるかよりもどんな文科官僚が担うかが結果を左右する。
・・・そう想像している。

 


解散命令請求をした際の盛山文科相の演説には感動しちゃった。与党政治家の言葉に感動したのは初めてだったかも(福田康夫官房長官の会見には「当意即妙ってこれか」という楽しみはあったけど)。
この人は状況をわかっていてくれてる・旧統一教会問題に対しての知識や不安や怒りを国民と共有できている、と。たまたまテレビの前を通りかかったのだが、釘付けになってた。演説の内容とそれに法的な手続きが続くという事実に、安心感が満ちてきた。

アンケート調査によれば、この文科相にも過去の接点があった。だから、なんかぐだぐだに腰砕けになるのかもなあと期待していなかったのに。誤解していてすみません、応援しています。

・・・だが。今はもう、「どうせあれも原稿は文化庁職員が書いたんだろうなあ」と考えるようになった。

 

そもそも。旧統一教会関係手続きに文科大臣がどれほど関与する態勢・体制なのか?

 

下村博文元文科相。

統一教会から「世界平和統一家庭連合」への名称変更が「ようやく」文科省の認定された時の大臣だ。しかし、一般的にこの手続きには文化庁の部長までの決裁しかいらないという規則。(*)・・・つまり、大臣にとって仕事の範囲に含まれない。

また、その手続きの際の文化庁文書が、後に野党議員に開示された際に一部黒塗りだったことは下村元文科相の指示ではない、と本人は述べた。「私が黒塗りにさせたような報道があるが、そんなことはありえない。」(本人)「変更理由に関する情報は、当該法人、および所轄庁以外が知りえないものなので、公にすることで当該法人などの権利、競争上の地位、その他、正当な利益を害するおそれがあるものに該当するものとして、不開示としている」(末松元文科相)・・・つまり、開示文書の黒塗り具合も大臣でなく官僚が決めた。

もちろん、解散命令請求は大臣決裁が必要な手続きだが。元文科相の発言通りなら、少なくとも上の2つの判断に大臣が関わらない。
相手が相手なので1つめの仕事は大臣に判断してもらいたいところ。2つめの仕事は、大きな問題となっている件の関係書類を国会で野党が使うと言うのだから、大臣も確認をしておくのが良いと思うけどなあ。


「文科相の仕事の範囲は予想より狭い」というのが私の感想だ。加えて、問題意識を持ってもっと踏み込んだ判断をしてほしかった。こういう重要なことでも政治家がマニュアルの範囲でしか働かないのは・・・役立たずだなあ。名称変更の件なんて、「社会的に注目度の高い法人だったので報告した」(末松元文科相)のだ。官僚はちゃんと動いてたのに。
解散命令請求での盛山文科相の役割。知りたいもんだ。

 


今国会を見ていても、官僚が作った原稿をそれらしく読むのが大臣の仕事なんだろう、と思うのがほとんどだ。

自見万博担当相。大阪万博のトイレの件、原稿の内容を自分の頭に落とし込んでさえいないのでは。それをやれば説明の不十分さはわかるだろうに。
武見厚労相。訪問介護報酬引き下げ案を作るにあたり、訪問介護の事業所と施設内介護の事業所の収支の差を確認したのですか(してない@「モーニングショー」)。
加藤少子化担当。支援金の負担額は一律でないのだからある程度は健保別の例などを検討しないと、とは思いませんでしたか。

経験や専門知識はなくても普通に暮らしていれば気がつくいや気になる点が、なかなか確認できない。派閥人事だからこんなもの?
それとも時間稼ぎの一環なのかな。
政治家の事務所の会計担当者は、だらしない・不注意・遵法意識が低い、という汚名。大臣は、普通の人よりもどんくさい、という汚名。それを受け入れなければ、自民党では認められないのか。

 

 

もちろん、知識もやる気もある人が就任したんだろうな、と思われる例もある。
防衛相に、石破議員や中谷議員など。ただ、官僚と意見が合わなければ、官僚は「飾りの方がこっちは楽なんだよ」と迷惑がったりして? 旧民主党政権の長妻厚労相なんてそんなだったんでは。

大臣というのは能力も目標も意欲も、企業トップとは比較にならないほどさまざま。官僚としては、それをわきまえるのも仕事のうち。
そんなふうに想像している。

 

官僚達が盛山文科相であることを望んでいるとか(元官僚だからやり易い、とかね)?
いい話だけど、それはちょっと公式には言えないだろうなあ。


まあ、首相は任命責任を取らない、という状況はもう10年以上だ。
それに、命令が出るかどうかがわかるまで何年かかかるという話もある。その時の首相は岸田さんじゃないかもしれない。
だから、命令請求手続きなんて軽い気持ちでゴーサイン出しちゃおう・・・なんてことはないだろうね?


ーーーーーーーーーーーー

(*)

(・・・)前川氏は、下村氏が担当者から報告を受けたものの、判断には関与していないと説明していることについて「下村大臣まで話が上がっていたのは、判断や指示を仰いだことと同義だ。『イエス』か『ノー』か、どちらか言ったはずで、結果を見れば『イエス』と言っているはずだ。下村氏の意思が働いていたことは100%間違いないと思っている」と述べました。

 


https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/87587.html

NHK政治マガジン
2022年8月15日
注目の発言集
旧統一教会名称変更 下村元文部科学大臣の関わりは?

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「思う壺」説はわからない<盛山文科相辞めず(1)>

2024-02-23 14:50:49 | アベスガ政治の仕上げ中?

盛山文科相不信任案提出・賛成投票。この大臣が旧統一教会解散命令手続きを担当しているのは適切ではないと判断します・・・という意思表示を残せた。

文科省が旧統一教会に負け、解散命令が出なかったら?
盛山さんが文科相でなければ裁判に勝てたのかもしれない、と私は疑い続けるだろう。

もちろん、他の人が文科相であっても、裁判で負けるかもしれない。
だが、可能な限り最善の条件を整えて臨まなければ後悔が残る。それは自分の日常でもよくあることだし、私以外の人達だって同じだ。
なのに、あんなに答弁がよれよれだった盛山文科相を交代させないとは。「この裁判、必ず勝てる」という確信があるのか?もし負けたらどうするんだろう?

 

 

 

「盛山文科相の更迭」こそが旧統一教会の狙い…リーク写真で政権を批判する朝日新聞と立憲民主党への違和感 このままでは誰かの「思う壺」になる(2024/02/15 13:00 PRESIDENT Online 小田 尚政治ジャーナリスト、読売新聞東京本社調査研究本部客員研究員)https://president.jp/articles/-/78689


検索してみつけた。読んだが、違和感があり、これでは誰かの「思う壺」になるのでは、という疑問を感じた。・・・と鸚鵡返しして済む。

この「思う壺」説が通用するなら。旧統一教会の解散命令請求の結果が出てもずっと、批判論に対して「命令請求を出した盛山文科相・岸田首相を責めるのは教団の思う壺だ」と言い張れるよなあ。

岸田政権を守りたい人は、教団からこの種の写真を提供してもらって選挙の1ヶ月くらい前に朝日新聞に取り上げさせよう。そして3週間くらい前(期日前投票期間開始の2週間くらい前)に「教団からのリークのせいで自民党に投票しないのは、教団側の思う壺だ」というキャンペーンを張ればいいんだわ。
朝日新聞も報道にのって発言した野党も「教団側のお先棒を担ぐ立民党に、負けるわけにはいかないのである」と敵扱いされて、信用を失うのね。

 


既視感ある。

湯川氏後藤氏の件だ。

政府の対応の検証・批判は、安倍元首相に対する「セカンドレイプだ」と。

私からすると「被害者は誰なんだ。湯川氏と後藤氏だよね、首相ではないよね」な説が席巻した。

 


あれに代わる言葉が「思う壺」なんだろう。「敵」を指定し「私達」の反応のうち検証・批判する行為を「敵の思う壺」として封じてしまう。
実際に、第2次安倍政権時代には森友学園問題など多くの事件やスキャンダルが露見したものの、それに対する批判などは北朝鮮(ミサイル発射)や中国(海で狼藉)などを「利する」者達の所業、みたいな空気が醸し出された。あれは日本社会の「自然」なのか、誰かが意図的に操作したのか。ずっと疑問に思っている。


(そういえば。「思う壺」という言葉は、「反日」「北朝鮮の工作員(これは当時の中山拉致担当大臣が蓮池透氏を指してなんと国会で使った)」よりはマイルドだ。しかし、それだけに広く使える。「批判する人」そのものだけでなく「批判」だけを指すからだ。
盛山文科相のふらふらな言動を批判する普通の人に対して「それ、教団側の思う壺だからな」と言うのは普通の日常会話の語彙だけで済む。)

 

ただ、安倍元首相の殺害事件についてはこの「思う壺」論の穴が認識された。なので、教団に対する解散命令手続きが進んでいます。

直後のままに「「テロリスト」山上の思う壺」論が広がっていれば、どうなってた?
安倍元首相そして自民党(と維新)と旧統一教会の関係・旧統一教会の犯罪性・旧統一教会信者の救済などを検証したり報道したり告発したりすることが阻まれたのだろう。
そうならずに済んだ今のこの社会をどう思う? 私は心から「良かった」と思っています。


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「盛山文科相の更迭」こそが旧統一教会の狙い…リーク写真で政権を批判する朝日新聞と立憲民主党への違和感 このままでは誰かの「思う壺」になる
PRESIDENT Online

    
    小田 尚政治ジャーナリスト、読売新聞東京本社調査研究本部客員研究員

 

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を請求している盛山正仁文部科学相が、2021年10月の衆院選でその関連団体から推薦状を受け取り、その写真とともに、選挙支援を受けていた、と2月6日の朝日新聞が報じた。東京地裁での審問が始まる前に教団側が盛山文科相に「攻撃」を仕掛けたと言えよう。

立憲民主党が朝日新聞報道を基に国会などで盛山氏の説明と更迭を求め、岸田文雄首相の任命責任を問うているが、朝日新聞にリーク(情報提供)したのが旧統一教会の関連団体の可能性が極めて大きいことを踏まえれば、敵を間違えていないか、誰を利しているのか、冷静に考えてみたほうがいい。

盛山文科相は6日の衆院予算委員会で、立憲民主党の長妻昭政調会長が朝日新聞の報道の確認を求めたのに対し、「新聞で報道されている写真があるのなら、推薦状を受け取ったのではないかと思うが、改めて確認したところ、過去の衆院選に際して当該団体に選挙支援を依頼した事実はなく、事務所に活動報告があったことも確認できなかった」と答弁した。そのうえで「記憶がなかったので、自民党に対しても報告しなかった。旧統一教会との関係を断っており、引き続き解散命令請求の対応等に取り組んでいく」と反論した。
岸田首相「未来に向けて関係を断つ」

岸田文雄首相は、教団との関係について、「旧統一教会と関連団体との関係や過去を点検し、接点があった場合には説明責任を果たす、未来に向けて関係を断つことを徹底していく」と、これまでの方針を説明した。

続いて立民党の山岸一生衆院議員(元朝日新聞記者)が「これから盛山大臣は旧統一教会を相手に裁判を進めないといけない。公平な裁判を戦えない」などと更迭を求めたが、首相が「引き続き職責を果たしてもらいたい」と、これを拒否したのは当然だろう。

旧統一教会の解散命令をめぐっては、2月22日から東京地裁で国と教団の双方から意見を聞く審問が始まる。岸田首相にすれば、旧統一教会側がこの審問を前に仕掛けてきた朝日新聞へのリーク、教団側のお先棒を担ぐ立民党に、負けるわけにはいかないのである。

首相の脳裏にあるのは、朝日新聞が23年12月、自民党政調会長だった19年10月に党本部でギングリッチ元米下院議長と面談した際、旧統一教会の関連団体「天宙平和連合」のトップらが同席していた、と写真付きで報じたことだ。旧統一教会による被害者救済の法案が与野党修正協議を経て衆院本会議で可決された翌日というタイミングだった。

後日に参院で成立したその法案では、法人が霊感などの知見を使って不安を煽り、寄付が必要だと告げるなど個人を困惑させる不当な勧誘行為を禁止することなどが定められた。このため、法案を不服とする教団側が「異議申し立て」の意味でリークしたのではないか、とささやかれている。

今回、盛山文科相がこれと似通った形で旧統一教会の標的になったのは、言うまでもなく、23年10月に教団に対する解散命令を東京地裁に請求した所管大臣だからだ。文科省・文化庁が宗教法人法に基づいた質問権の行使、被害を受けた元信者らへの聞き取りなどによって、高額献金や組織運営などの実態調査を進めたことによる結論だった。

立憲民主党は、結果的に旧統一教会を利するとしても、岸田政権のイメージダウンを図ることを優先させたのだろう。朝日新聞と組んで、国会で盛山氏に波状攻撃を掛けた。他方で、盛山氏の答弁も曖昧で、しかも二転三転する。

7日の衆院予算委では、立民党の西村智奈美代表代行が、関連団体からの推薦状を受け取ったとされる写真を改めて示すと、盛山氏は「こういうことがあったのかなと、うすうす思い出してきた」と、答弁を修正した。

7日の朝日新聞は、盛山氏が「教団側と事実上の『政策協定』に当たる推薦確認書に署名したと関係者が証言した」と続報する。

西村氏がその報道の確認を求めると、盛山氏は「地元の有権者の方から集会をすると言われて行った。最後に急に推薦状の話が出て、実質的に選挙戦に入っていて、一つの会場からまた次の会場へと行っていた時期で、十分に内容をよく読むことなくサインしたのかもしれない」と答えた。

選挙に不安を抱えた政治家に、旧統一教会の関連団体「世界平和連合」が巧みに取り入っていることが見て取れる。

盛山氏は、国土交通官僚出身、田村元・元衆院議長の女婿だ。岸田派に属し、衆院兵庫1区選出で当選5回だが、選挙地盤は必ずしも安定せず、比例復活当選が2回を数える。

選挙に出た経験がある人や、選挙実務を担当したことがある記者にとっては、候補者が1票欲しさに相手をよく確かめずに支援を求めるというのは理解できるが、世間一般には分かってもらえない。

盛山氏は8、9両日の衆院予算委で、推薦状の受け取り、推薦確認書への署名について「はっきり覚えていない」「サインしたかどうかを含めて記憶にない」と突っ張った答弁を連発する。さらに、衆院選では各種団体から200通を超える推薦状があり、選挙後に「全て破棄した」と述べたことから、立民党や一部メディアの批判が強まる一因になる。

9日の産経新聞主張(社説)は「更迭をためらうな」と題し、「最大の問題は、自民党が全議員を対象に旧統一教会との関わりを調査した一昨年9月の『点検』で、盛山氏が『関連団体の会合に出席して挨拶した』とだけ回答したことにある。その時点で、旧統一教会関連団体から選挙で支援を受けていたときちんと明かしていれば、岸田文雄首相が、昨年9月の内閣改造で彼を文科相に起用することはなかっただろう」と指弾した。

そのうえで、「国会答弁もいただけない。推薦確認書への署名について7日、『内容をよく読むことなくサインしたかもしれない』と述べたが、8日には『正直覚えていない』と修正した」「政策に関する支援者との約束を『覚えていない』のなら政治家として失格である」などと厳しく追及した。
朝日と週刊新潮に同一写真が載った意味

これには違和感を覚えた。盛山氏を更迭などしたら、旧統一教会とそのグルにも見える朝日新聞、立憲民主党の思う壺ではないか。

メディアの長年の「不作為」を棚に上げての批判もいかがなものか。旧統一教会が献金などの問題を抱えていることが報道されたのは、22年7月に安倍晋三元首相が信者の関係者に銃殺された事件以降である。

それ以前の選挙の際、どのメディアも教団の問題性を指摘してはいない。教団側が政治家に「世界平和連合」を名乗り、旧統一教会とのつながりも判明していない時期の話ではないか。選挙期間中に交わした支援者との約束を覚えていなくとも不思議はない。

8日発売の週刊新潮が、盛山氏が旧統一教会の関連団体から推薦状を受け取ったという写真を掲載し、それが朝日新聞と同一写真だったことから、政府・自民党内やほかのメディアの受け止め方がやや変化した。これは教団側からの意図的リークの可能性が極めて大きいことを意味するからだ。

その週刊新潮によって、政権中枢の林芳正官房長官(岸田派座長)まで旧統一教会側の標的になったことで、岸田首相が戦闘モードを高めた、と周辺が受け止めた。

林氏については、参院から鞍替えした21年の衆院選前の9月に元秘書の山口県宇部市長のセッティングで平和連合事務総長らと地元事務所で会談し、必勝祈願の千羽鶴を手渡された、と報じられた。

これに関連し、9日の朝日新聞が、旧統一教会関係者が面会時、林氏に推薦確認書を提示し、選挙支援を申し出ていたと報道した。

林氏は9日の記者会見で「私は政策協定や推薦確認書といったものに署名していない。旧統一教会および関連団体の掲げる方針に一切賛同していない」と関係を否定した。面会については「相手方が旧統一教会関連団体の関係者であるという認識はなく、多数ある面会の一つだった」と説明している。

旧統一教会を長年取材、追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏は、9日の日刊ゲンダイデジタルで、リークの意図とルートについて、こう解説している。

「岸田氏と教団幹部との面会が昨年末に報じられたのは、解散請求に激怒した韓国本部の意趣返し。日本の頭越しにリークしたと聞くが、盛山氏や林氏については違うラインから漏れている。手のひら返しと言える政権の動きにカンカンの教団は岸田派への攻撃を強めている」

「盛山氏と林氏の件は地方の教団幹部によるリークで、日本本部は黙認しているようだ。自民の党員獲得ノルマは比例復活組ほど厳しく、教団はその面でも盛山氏を支えてきた。党の点検でウヤムヤにせず、第三者委員会を設けて徹底調査し、関係を明らかにしない限り、この問題は終わらない」

確かに党員獲得への旧統一教会の協力については解明されていない。過去の接点についてはきちんと洗い出す必要があるだろう。

こうした持ちつ持たれつの関係は、22年7月の安倍元首相銃撃事件後、教団のいろいろな問題が明るみに出たことで破綻し、自民党は旧統一教会とは未来に向けて決別する方針を打ち出している。

文科相としての適格性は、教団側との「政策協定」などによって行政に影響を与えたかどうかで判断すべきで、盛山氏が便宜供与を図ったなどという証拠は示されていない。

産経新聞は10日の紙面では、岸田首相が9日の衆院予算委で盛山氏の更迭を改めて否定し、「解散命令請求が行われ、手続が大きく進んだ」と強調したと伝えたうえで、内心に踏み込んで「政策がゆがめられたわけでもなく、盛山氏の更迭はむしろ教団を利する可能性があると考えている」と報じている。

統一教会の関連団体関係者と政治家との写真は、教団の政治力や求心力を高め、信者を繋ぎとめるために使われてきた。一方で政治家は選挙で推薦しましょう、写真を撮りましょう、と言われて断らない人種だ。この手の写真は教団にいくらでもあるだろう。今後も教団側が政府・自民党の対応に不満を覚えれば、次々と過去の接点を示す推薦状や写真をリークしてくることが予想される。

こうした旧統一教会の関連団体とどう戦っていくのかが、問われなければならないのではないか。

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