トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

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権力闘争は得意でなくて、カリスマ性も感じさせない<立憲民主党代表選討論会@日本記者クラブ(1)>

2021-11-24 14:50:58 | 政治や経済
11月22日の討論会についての今朝の「天声人語」。「政治家らしく権力闘争が得意そうな人も、カリスマ性を感じる人もいない」と最初の方に書いている。

「討論のはずなのにお互いを認め合う発言が相次いだ。」
代表選の結果によっては党が分裂してしまうのか・・・とはらはらしていた私は、あの雰囲気にほっとした。
国民民主党(維新ぽい度合いが高まるばかり)との親和性・松下政経塾との関係・選挙区・出陣式への参加議員の顔ぶれなど、割れるような要因になるのかならないのか・・・と。でも、逆境でちゃんと助け合っていける人達だ、と期待できる。
「天声人語」の終わりの方にある「地力をつけるのが大事なときで、権力闘争やカリスマの出番ではないのだ」、ですよ。



討論会について疑問に思ったのは。候補者達は事前に質問を知らされていたのか、ということ。
安倍首相と菅首相は、記者会見だけでなく「ぶら下がり」の時の質問さえ知らされていた・・・と知ってとても驚いた。いや、だからすらすらと回答できたのか、という意味ではとても納得。しかし、そこに取材の緊張感というか意義は〜

4人候補は、質問の的を外したままで終わる例もたまにあったが。安倍・菅・岸田の国会答弁・記者会見での回答準備なしの発言が基準になってしまっているので、ハイレベルに感じる(制限時間1分にきちんと収めるだけでも涙)。
で、「同じ国会議員なのにレベルが違いすぎ。この人達にも知らされてるんだろうな」と。
まあ、質問内容を知らされなくても、ある程度想定はできるから。しかし最近の首相達のようにわけのわからない言葉や同じ文章の繰り返しなどなく、ちゃんと言葉で表現できている。聞いていてストレスがない。



しかし。
政治家とは権力闘争が得意そうでカリスマ性を感じさせるもの、だったのか。
それなら、ここ10年以上の自民党の総裁選の顔ぶれは「まあまあ」かも。選挙区や党内せいぜい政党間の権力闘争は得意なのだろう。カリスマ性は、ああいうタイプが受ける集団もあるだろう、とも思う。
私には、権力闘争での強さは政治家に求める条件としては下位だし、カリスマ性というのは流行り始めた頃(「カリスマ美容師」)からよくわからない言葉でしかない。

まあ。自民党の総裁選候補者は、立候補前から大臣を務めたおかげで、顔・発言・エピソードなどが一般人にももうちょっと知られている。その上、マスコミの扱いも段違いに多かった。今回の代表選を地味に感じるのは自然なことだろう。
(2大政党制前提の選挙制度なのに報道における野党第1党の扱いが2大政党制らしくない、というのは。やはり矛盾を感じるなあ)

地味。私は好きですが。討論会はメンタルにも胃腸にも優しかった。さらさらすいすいとつとつで。

自民党の総裁選は、ぎたぎたごてごて。アクが強い、というか。各々がその人らしく、長年主張されてきたことをぶつけあっておられた(当選者岸田氏は除く。今のところ、この人の発言は、どんどん上書きされるほど軽いものだから)。
都合の悪いことを質問されると無言で通したり(「ひるおび」で選択的夫婦別姓を問われた高市議員。笑顔で人を睨むって可能なのね)。長年の、安倍・菅時代の国会・首相記者会見に慣れてしまっていて、ああいうただれた演説会や討論会などに違和感が減っていたな。




代表選では、20〜25日の間に討論会だけでも9回予定されている。各候補者の考え・表現などは完成度が回ごとに高くなっていくだろう。
私の手元にあるのは上の22日の録画で、まだ荒削りというか途中経過なのかも。それに、書き起こしたりする時間があるなら養生しなくちゃ。
ただ、報道機関による描写を確認するのには使える。・・・ということで記事名に「<立憲民主党代表選討論会@日本記者クラブ(1)>」をつけてみました。(2)はあるのかないのか。

安倍元首相による仕事の格付け

2021-11-22 18:24:23 | アベスガ政権
第2次安倍政権は、官僚を屈服させていた(NTTに接待されていた総務省幹部達は「安倍さんのお友達」だったのかもしれないが)。
政策の立案のような分野での変更ならともかく、法解釈や文書管理という公務員の仕事の基盤さえ踏みにじられた。それは、仕事の矜持を捨てることだ。

一方、公務員の中で「自衛隊は別格」、と定めようとしていた。
憲法が定める国家公務員の組織は、現在は会計検査院だけだ(他官庁に頭が上がらない所なのだから、それでなんとかなっているのでは)。元首相は自衛隊を明記したがった。命懸けで国を守ってくださるから、と反論が空気的に難しい主張もして。

「オリンピアン」「アスリート」も格上らしい。聖人認定されているようだ。

「東京2020」の時期もひどい扱いをされていたのは、政府のCOVID-19対策の欠陥を埋めていた医療従事者達。
使命感を搾取されているように見えた。燃え尽き症候群になっていないか気になる。
(ほとんど取り上げられなかったが。精神病院では、入院患者の人権も生命も医師達の人格にかかっていたようだ。例えばああいう場で政治家は学ぶべきなのでは)

介護施設の職員のワクチン接種の優先順位が低いままだったのも、ずっと待遇改善を進めない政府の価値観が反映されていたのだろうし。

マスコミは格が落ちた。放送法で中立を要求されているはずのテレビ局は、10月の改編期で一段と。生き残った番組は少数。
幹部が安倍さんに接待されてなびいた説・放送法または法的根拠なしに総務省に締めつけられた説・勝ち馬に乗りたい説・・・いろいろ推測されるが。
安倍政権時代、何人かの記者が海外で殉職されたり拉致されたりした。政府の扱いはひどいものだった。その上、多くの国民はその振る舞いを容認するようにみえた(「右な」人達はむしろひどい発言をしていた)。
戦場ジャーナリストは命懸けだし、国内で顔も出して報道するのも勇気がいると思う。そういう人達を軽んじる神経は私には信じられない。
こんな日本でのジャーナリスト。想像がつかないがすごく変わった人(自己顕示欲がとっても強いとか?)はともかく、職業上の使命感が動機なら、私ならめげる。

2015年は内閣法制局の歴代長官の憲法解釈が覆され、その際には9割以上の憲法学者の意見も否定された(他方、日本会議メンバーなどごく少数の憲法学者の意見は肯定された)。
次の首相菅氏は、日本学術会議の会員候補のうち6人を、理由を明らかにしないまま任命しなかった。
実績や研鑽とは何なんだ。虚しい。

警察官の印象は変わった。
2015年の国会前のデモでは、私には「あの人達には仕事だから」と思えた。沖縄県民に「土人」と言い放った大阪府からの警官には、警察官の理想と現実を思って失望した(なお、当時の松井知事はその警官の振る舞いを肯定した。法的に制度的におかしいのでは)。北海道で安倍氏の街頭演説の場でプラカードを掲げた人を囲んだ警官達には危険を感じた。今の警察は、こんなことまで認めているのか。
権力の行使にもうちょっと禁欲的な印象だったんだけど。もしも、アメリカの「BLM」の発端になったような事件が日本で起きても、今ならあまり驚かない。ああいうタイプの警官もいるだろう。
一番古いと、2歳の時に迷子で交番で面倒をみてもらった。その後もあちこちで道案内などお世話になってきた。なので、頭でそう思っても心はついていかない。



仕事は食べるため、と割り切れなかった。向上とか人との関わりとか、そんなものもあった。古いかな。
アルバイトそして就職して、他の人の仕事にも目が向くようになった。お互い、助けられたり迷惑をかけられたりして。

安倍元首相のCOVID-19対策は、「目詰まり」(本人談)・漏ればかりだった。多くの仕事現場からその不備を指摘された。現場を知らないせいもあるけど、そもそも、働く人の尊厳・仕事の価値を元首相が認識していなかったからではないか。

だから安易に職業を格付けし、持ち上げたり蔑んだりできるのでは。


例えば、企業の経営者が人員削減を決め担当者がその実務を行なうには、感覚が麻痺していないとつらいと思う。なのに、安倍元首相は、いろんな仕事の価値を公然と踏みにじった。
とても傲慢で有害だ。

一方、仲間内で公金を回したりオーナー商法の人とつながりがあったわけで。
ほんと、嫌になっちゃうよ。

正社員・正職員の席に座るのは

2021-11-22 18:22:24 | アベスガ政権
アベスガ路線、特に安倍元首相の価値観なのか。それとも小泉政権時から与党・ゆ党のブレーンである竹中平蔵氏関係の意向なのか。
いくつかの職種で「仕事」の意味合いがすっかり変わってしまった。


地元の役所では。厳しい守秘義務が課せられそうなマイナンバーカード発行手続きのパソコン操作を、人材派遣されてくる人達が行なったようだ。
「他の自治体で実績のある業者に発注するのでご安心を」と、職員が議員に説明する場に居合わせた。ああ、大阪の行政をどんどん請け負っているパソナだ。後日気がついた。
その後、地元の国の某出先機関で書類発行をしてくれる部署でも半分以上がパソナの人だ、とわかった。感じの良い応対をしていただいた。この人達が気持ちよく働けているなら、パソナが浸透するのも有り、かなあ。


しかし。
時代遅れなんだろうけど。若者が、基本、正職員や正社員である社会の方がましだ。

昭和の企業では滅私奉公(「24時間戦えますか」)を要求して当たり前、という感覚が通用してしまっていたが。私生活を重視する今の文化(過労死ラインが100とか80時間なんて、170が常だった私にはとてもうらやましい。男性の育休が、いや、男性がスーパーで食品を買うのが自然になったことでさえ、隔世の感がある)の中で、当時のように終身雇用が守られていたら。

治安はもっと良かったかもしれない。少子高齢化・ジェンダーフリー・環境問題などいろいろなことに多くの人が関心を持てるような、気持に余裕のある生活になっていたかもしれない。その結果、経済も意外に良かったりして?
多くの人の家計そして生活が安定した中で、技術の進歩や世界情勢の変化を乗り越えていく。もっと明るく前向きに、そして冷静に進めただろう。

・・・まあ、「たられば」なので正否がわからない推測である。(こういう推測がきっちりできるような技術は人類にはない。そんなんあったら環境問題のような「複雑系」分野でこんなに困らないもんね)



「景気が良い社会なんて考えられない」という世代が、やがて「正職員や正社員がいたなんて考えられない」という世代に置き換わっていくのなら。社会のあり方のイメージがどんどん狭まっていくのだろう。



昨日の「日曜討論」の若者団体代表者は、正社員や正職員でいる中高年者が辞めた分、若者の就職口が増える気でいるようだった。それは、第2次安倍政権成立とタイミングが合った、団塊の世代の定年時期にはあてはまった。

だが、首相が経団連(「賃金アップ」)・連合(10月31日の衆院選の際に新会長が動いてたよね)と手を取り合うような今の日本で、労働組合の存在感が薄い時代しか知らない世代が増えたこれからの社会で(私は国鉄解体前には成人していた)、そうなるとは思えない。

その席は、派遣社員やアルバイトなど不安定な労働条件で働く人のものになるだろう。


日本の「働く」がアメリカ的になっていくだけなのかなあ。郵政民営化によって日本人の貯金や簡保積立金に米企業の手が入ったように。
それは、自然な流れなのか、気の長い人達が計画的に実現させてきたのか。


(なお・・・呪いの言葉みたいで申し訳ないけれど。
就職活動でいろんな人から言われたのは、「今盛り上がっている業界は、自分が定年を迎えるまでに下り坂に入っている」。社会の変化がこんなにも早くなった今は、下り始めまでの期間がもっと短かったりして。それを「競争」だけで乗り越えられるのか? 
半導体の例からして、国の舵取りはあてにならないだろう。新型コロナや「東京2020」での情報収集・分析・判断の貧弱さからも想像できる)

「役得」を利用して圧力をかける光景を見慣れそうなこのごろ(「日曜討論」、共産党についての閣議決定)

2021-11-21 23:03:26 | 政治や経済
(1)立憲民主党代表選の報道は自民党のそれとどれほど違うのか、(2)4人の候補者の誰が良いのか(関係者じゃない私には投票権はないけど)。
そんなことを考えながら「日曜討論」を見た。


(1)については。

自民党総裁選の際には、候補者達の他はNHKアナウンサー2人だけだったような。今日は、そこに識者2名、経済学教授と若者団体代表が加わっていた。
アナウンサーと識者の計4名による、候補者4名の圧迫面接みたい。
長期的経済政策を示していない・若者から支持されていない・共産党との共闘はどうする・・・など、立憲民主党に否定的な人達が言ったり書いたりしている言葉が候補者達に繰り返しぶつけられていたような。自己アピールしても反応は薄く、「で、英語は苦手なの?」と問い詰められる感じ?
4人の候補者は、面接試験を受けている学生達のように真面目で初々しい。おじさんとおばさんなのに。

このように減点主義な番組作りだったが、神妙かつ冷静な(小川淳也議員は緊張気味なのが基本な感じだが)態度でいた4人。嫌な質問への対応の訓練になるだろう、とは思う。


(2)については。

討論というか圧迫面接の具体的な内容は、1回見ただけでは私には整理できない(見直して書・・・けるかなあ)。公約を果たせていない、スウェーデンでは解雇され易く転職しやすい日本でいうネオリベ的な・・・という、若者団体の代表者のせりふについていけなくて。
「公約」って「自分達が与党になったらやります」かと思ってたけど違うのか。スウェーデンってネオリベなんだっけか。・・・と、いちいち頭が止まってしまうのだ。勉強しないとだめだ。

そんなわけで、あくまで印象だが。泉議員と小川議員は発言が抽象的に思えた。逢坂議員と西村議員は、話を聞いていて予定表作る二・三歩手前なくらいに具体像が見えた感じ。
番組の作り的に、今回は候補者同士の討論がなかった。今後、他の番組でそういう場面もあるだろうから、候補者達の主張などがもっとわかってくるのだろう。

(ところで、枝野議員の年齢は逢坂・西村の間だ。若い時から重責を担ってきたんだなあ)



変わるかもしれない立憲民主党。
一方、自民党は相変わらず、アベスガ路線。共産党についての閣議決定ひどい。



「昭恵夫人は私人である」という閣議決定など(他に「募る」と「募集する」もなかったっけ?)からして、質も格も低いものなのでは。
でも、「閣議決定」がどんなものか知らない人には、なんとなく効果があるだろう(「ひるおび」の八代弁護士はそういう人達にアピールしていたのだ。嫌な奴だなあ)。
共産党なんかと共闘したから立憲民主党は議席を減らしたというイメージ作りに加えて、共産党は暴力革命する方針でいるという根拠薄弱な閣議決定。政権与党になって公共放送掌握も箔付けもた易くできて。政権が小学校のいじめっこ児童みたいになってる。




「日曜討論」も岸田内閣も、自力で得たのではなく仕事にもれなくついてくる権力・強制力を使って人を圧迫するような振る舞い。醜いと思う。
だが、そういう振る舞いを見慣れてしまっているような気もする。以前なら、ああいう陰険さはもうちょっと隠されていたような。陰でこっそり、だったような。
そう、もっと「うちうち」での行為だったんじゃないかな。例えばクラスや職場といった狭い社会で、「みせしめ」として。

いつのまにか、政府があからさまに日本中に見せつけるようになっていた。権力側が誰かを辱めたり脅したりするのが、日常茶飯事に。
嫌な国になったものです。自民党・公明党に投票はしても、そういうのは嫌いな人も多いだろうに。
これはやめなきゃ。

文書交通費騒ぎと郵政民営化騒ぎ(続々・日本維新の会とマスコミの謎)

2021-11-19 18:13:04 | 政治や経済
吉村知事へのマスコミの態度は、小保方晴子氏というずっと忘れていた人を思い出させたが。
この何日かの文書交通費でのテレビ(情報番組・報道番組)の騒ぎのことも、似たようなことが・・・ともやもやしていた。

郵政民営化だった。


(1) 人気政治家(小泉純一郎首相)がタブーだった提案をする
・・・一部(この時は特定郵便局曲調、今回は国会議員)が長年享受してきた特権に切り込む、という。

(2) 彼にマスコミが乗っかる
・・・こんな特権おかしいですよね、という入り口から殺到する感じ。

(3) しかし、「公団にあり得ない融資をする郵便貯金などの資金を止める」というのが本来の目的だったはず。話が逸れてるのでは
・・・という疑問は吹っ飛んでいる。
ただ、当時はテレビ番組にも「郵政民営化しなくても公団などへの資金貸付を制限する法律を作れば十分では」と視聴者に伝えるコメンテーターやゲストもいた(いない番組もあった?)。今回の騒ぎとはここが大きな違い。

(4) 資金提供を規制する法律を作れば済むのに、解散総選挙・郵政民営化という大騒ぎに
・・・国会で深い議論をしたら違う結論になっていたかもしれない(だって、民営化は今ではマイナス面しか浮かばない。特定郵便局の特権は解消されたのかなあ)マスコミの祭り感と一部の国民の熱意で決着させた、というのが私の印象。
今回の文書交通費騒ぎは、手続き的には大げさなものにはならないのだろう。だが、情報の収集・分析が貧弱なわりに騒ぎが大きかった。
広く共有された(=マスコミが提供した)現状認識と決定までの騒ぎの規模が不釣り合い、というのが共通点。

(5) この間に取り組んでおけばよかった重要なテーマが放置された
・・・年金制度・少子高齢化対策・皇位継承問題(他にもあったはず)。(私は、戦争の損害賠償裁判から目をそらす「イベント」だった、と疑っているが)

(6) 当時の小泉首相のブレーンにも竹中平蔵氏がいた



今回、文書交通費問題は「日割り」で決着らしい。短期で終わったのが郵政民営化との最大の違い。


ただ。
憲法改正推進時の報道の予行演習、という妄想がぬぐえない。
マスコミには「空気」を醸成する能力がどれだけあるのか、という。

そして、憲法改正に関するテレビCMは、テレビ局に収入をもたらす。悪い予感しかない。