トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

コメントをお願いいたします。

矢部宏治著「日本人はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読んだ方からの、憲法改正についてのコメントをお待ちしています。 コメント受付用記事 のアドレス http://blog.goo.ne.jp/kanra-toriko/e/a08c500525a4ba2e568012c53edbaa6f

都知事・府知事は不安、首相は不足

2020-04-26 09:23:35 | アベ現象辞典
小池都知事の会見は、キャッチフレーズ連発で原辰徳監督らも映像で参加。吉村大阪府知事のそれは、学校や職場の「運動」(スポーツじゃない方)を連想させる。
こういうものなのかな。

都知事は「買い物は3日に1回で」と歯切れよく言った。だが、買い物に行く頻度を減らした分、店内滞在時間が延びる。たいした差はないのでは。毎日発表される感染者数などのデータ・・・数字の推移を追う職業の方々、耐えられますか。新規の被検査者と退院前の被検査者の検査結果は分けて把握したい。基本、カタカナ英語なのはなぜ?

府知事の呼びかけに応じて、大阪府民は多数の雨合羽を医療機関で使う防護服の代替品として役所に送った。それを笑顔で報告する知事だが、雨合羽はもちろん防護服に劣るし(つまり医療機関などの着用者にとっては危険性が高まる)マスクと違って入手可能なのだから、なければ買えばいいんじゃないでしょうか。


う〜ん・・・「指示が誤っているから」ではないな・・・
「政治家は人を感覚的に従わせるのが仕事なのかな」と感じさせる会見が不安なのだ。どぎつい言い方をすれが、「人を扇動するのが仕事なのかな」。


では、2012年からコロナウィルス前までの安倍首相の会見や演説はどうだったか。

とにかく、事情が違った。
その違いとは、これまでの事態では多くの国民が傍観者でいられたこと(その無関心さ、困るんだけど)。法の制定や解釈変更・議員や閣僚や官僚の不祥事・災害・拉致事件・米軍基地・原発・東京2020・もりかけ・改元・米中露との関係・TPP・・・
今回のように、国内の誰もが当事者であり行動変容とやらを要請される、という事態はなかった。首相としては、当事者でない大多数の国民に「何も気にせずに私に任しておけば大丈夫(菅長官語だと「全く問題にはあたらない」)」と感じさせるだけで良かった。

そう、「有権者はこの件に無関心であれ、そして次の選挙で与党に投票せよ」、伝えることはそれで十分だったのだ。7年以上、それだけだった。そうか。首相は「扇動者」ではなかったのだ。

そんな首相には、コロナウィルス対策について語ることは難しい。多くの無関心な人達相手に「興味を持たず、任しとけ」と伝えるのと、多くの当事者達相手に「用心しろ、生活を変えろ」と伝えるのとでは、難易度も根本もまるで違う。
そもそも、コロナ禍についてきちんと語れるような人だったら、7年以上もの間あれほど内容のない発言を繰り返すなんて、生理的にできなかったろう。

(あ、「働き方改革」があったっけ。しかし、あれは実態は職場次第だったのでは・・・私の考え、無理があるかな?)


再び、都知事と府知事のこと。
都知事の操作力(?)は、都知事選後しばらくの間ものすごかった。有権者・都議会議員・国会議員が恥ずかしいくらいに踊った踊った。
府知事については実感できない東京都民の私。ただ、多くの視聴者を日弁連への手続きに駆り立てた橋下氏(この人の肩書きは何だろう)の直系だ。
こんな2人が、「コロナ禍対策に取り組む政治家」として、今、存在感を持っている。

私は、こういう政治家にはリーダーになってもらいたくなかった。
やるべきか否かが疑わしいことを、雰囲気でやりたくないからだ。感覚や勢いではなく、道理に合っているかどうかで決めたい。

誰かにとって大事な何かをやってもらう場合には、その人が落ち着いてちゃんと納得してやってもらえるように。その人が後悔しないで済むように。そういう状態で決断してもらえるように、配慮したい。

政治家というのは、人々に彼ら彼女らの意思でないことを強いる場合さえあるのだけれど。それは本当に必要なときにだけに限ろうとする人がいい。
それぞれ違うはずの多数の人々が同じ方向に進むことに胸騒ぎを感じるような小心さ、かな。「畏怖」か。

過去の教訓はあるし。
ブラッド・ピッドのゾンビ映画でいう、10番目の人物の意見を潰しているかもしれないし。


都知事も府知事も、人を従わせることそのものを楽しまないでくれますように。

そして心身ともに健康で、健全な判断を積み重ねてくれますように。

基礎疾患ある人が重症化するなら「持病」ある国家はどうか

2020-04-20 15:28:10 | アベ現象辞典
ひゃ〜。昨日、近くの公園は、去年までのお花見シーズン並みの賑わいだった。前の道を通ってスーパーに行くのが憂鬱で。
「密」から遠ざかろうとしているのに、「密」が近寄ってくる・・・

安倍首相は叱らなかった。ただし、言ってはくれた。ところが、すぐ後に、妻である昭恵氏の大分参拝旅行を「3密ではない」からいいんだ、というように述べた模様。
そうなんだ・・・ 私、「不要不急の外出を極力避ける」話だと思っていたが、「不要不急でなくても3密でない外出ならば良し」だったのか。違うならはっきり言ってくださいよ。


首相の存在感が薄い。この傾向、以前からある。
(a)「武力行使関係の危機(北朝鮮からのミサイルやテロなど)と地震と火山の噴火」では、露出が多い。これでもかっていうくらいに会議の映像が流れ、ぶら下がり会見にすら何度も応じる。対照的に、(b)「台風・水害」では少ない。
露出の多少だけでなく、対策本部の設置も違う。(a)はともかく、(b)はとてつもなく遅い。早くから発生が予想できるのは(b)の方であるのになぜなのか、不思議だ。もしかしてジャンルの専門家の勢力の違い?
不思議といえば、(b)の件は2回目以降は改善されると予想していたのに、毎年のように繰り返している。対策本部はなかなか置かないし、首相の会見も少ない。学べないのか、学ぶ気がないのか。


新型コロナ禍は、(b)タイプとなった。
特殊なのは、東京2020・習近平国家主席の来日・中国人観光客からの書き入れ時である春節という、首相にとってはコロナ対策よりも優先順位の高いイベントが目白押しだったこと。

コロナの広がりがなければ、こういったイベントに関連した首相の露出が盛んだったろうこの春。

首相本人は目立たない(今回はマスクと昭恵夫人が悪目立ちしてる)。
自粛要請を受け入れずに外出する人々を首相は叱らないが、テレビ番組などがせっせと報じる。これがまた、「マスゴミ」という言葉を使うような人達に批判される。
維新の分隊(?)橋下氏がまたもや「公務員の収入減らせ」(今回は国会議員がメインターゲット)。
専門家(今回は医師や学者)同士の見解の相違に沿った、一部国民も含む対立。
インターネット上で「切り捨てたい集団」(今回は高齢者)がささやかれる。
現場の当事者は疲弊していく。

これまでなら、首相が存在感を消している間に、上のような政府以外の人々同士の亀裂(「分断」は陳腐なので使う気になれない)がどんどん盛り上がり露わになって。気がつくと、亀裂で消耗した人達とさわやかに無関心な人達がいる。
やがて、他の災害やトラブルが発生して首相の露出は増えるし支持率も回復。「日常」に戻った感を漂わせる。
亀裂は残ったまま。
第2次安倍政権発足から、日本はこのパターンから抜け出せていない。悪癖を認識していても抜け出せないって、屈辱的。


しかし、新型コロナは違う。長びく。ほとぼりが冷めた頃に首相が品良く穴から出てくる作戦は使えない。

なので、「東京2020の中止」というプランBも検討・・・してるよね?
コロナ対策はもちろん、コロナの脅威が残っている間の世界そして日本のあり方、というテーマに取り組まなければならない。「コロナに勝った人類の祭典たる東京2020」まででは、当然不足だ。結婚のゴールが披露宴じゃないのと同じ。


安倍さんの他にいない、というか・・・
安倍首相の百倍優秀な人がいても、状況がその人を敗戦処理投手にする。
しかし、首相が安倍さんのままでは傷が深くなるばかりだ。

「#安倍叱れ」(そんなタグないよ)

2020-04-13 12:41:15 | アベ現象辞典
やはり、小さいが地震が起きている。そして、大雨や台風の季節もやってくる。
新型コロナ禍はその前に消えてなくなるわけではない。
なのに、この緩み。


新型コロナへの感染死よりも経済的死亡(それは日本では社会的死亡に近い気がする)が先。そういう窮状を訴えても、お金で補償されない。だから、自力救済のために営業してしまう。それを支えるために店へ行く。
こういった状況で自粛要請が必ずしも受け入れられない。ごく自然だ。

そういう緩い雰囲気の中で、「自粛疲れだから」と油断して出掛ける人達がいる。
私なら絶対しない。だが、そういう無責任な判断をする人達が多いのは、これまでの人生でよくわかっている。今さら驚かない。そういう人達をいかに誘導するかは、学生時代から勤め人生活そして私生活のあらゆる場面での必須項目だ。


日本の補償が小規模なのは、単に財政的なことなのか?
そうではなくて、憲法に「緊急事態条項」を設けるため?
安倍首相はこういう私の危惧を「ゲスの勘ぐり」と呼ぶのかもしれないけど。

法的に、「自粛要請」しかできないので、国民の不急不要な外出が続いた。その結果、新型コロナの蔓延を阻止できなかった。だから、「緊急事態条項」の創設が必要なのです。国民を守るために。
・・・という首相の声が聞こえるようだ。現に、この、とても忙しいはずの状況で、自民党の細田議員らは憲法審査会を開きたがっている。そんな労力は今は文書管理に使うべきでは。そういった記録が憲法改正の検討資料なのだから。
(災害時の自動車の第三者による移動が許されているのは、自動車教習所で習うほど初歩的な話だ。なのに、憲法に「緊急事態条項」がなければできない、という嘘をつく人がいるのでとってもむかつく)


医療関係者などの安全や健康そして余裕を守ることと彼らによるコロナ対応の強化の両立。それが必要だと思う。コロナ感染を広げて医療関係者への感染や負担を増やす、そんな危険性を少しでも減らすべき。
無責任な外出はこの危険性を高める。私達はよけていられる新型コロナウィルスだが、医療関係者などはそうはいかないのだ。それを考えればこの気持ちを共有できる人が増えるはずだ、とは信じているのだが。


経済的な補償制度を作ってお金を支給するのにも、緊急事態宣言の効力の程度が統計的に判明するのにも、時間はかかる。
だが、安倍首相が国民にきっちりものを言うのはすぐにできるのではないか。ただ、それを根拠に警察などが取り締まったりするのは違法だけれど。
私には首相の労いや励ましの言葉なんかいらない。医療関係者や関わる公務員や関連業者などそのご苦労が目の当たりにできない方々を守るための発言をしてほしい。それがたいして受け入れられないと首相の面目まる潰れで威光がなくなる、というのを恐れているのか?

なんだか・・・
鳩山、菅といったかつての民主党政権の首相なら言ってしまっていたような気がする。
それが良いかどうかは難しい。
枝野さん言っちゃえ。枝野さんが法的な民主主義国家の枠組みで言えない、と根拠などを説明してくれれば考えるとっかっかりになるのに。
(玉木さんでも志位さんでも福島さんでも片山さんでも、きちんと筋道立てて主張してくれる政治家ならいいのだ)


安倍首相の街頭演説にヤジを飛ばすと警官に囲まれてしまうとか、プラカードを掲げただけででもそうだとか。もっと広げると国家公務員の仕事がきちんとした文書で裏付けられず、国会議員の国政調査権への制限が不当なのではないかとか。
そいういった、脱法だか無法な状態が続いてきた中で、「ここぞという時には首相が「国民に優しく寄り添う」みたいな振る舞いをしているのは有害」と思ってしまう自分がいる。もっと法律を勉強しておくべきだった。

新型コロナ禍で知性を殺す

2020-04-08 17:47:28 | アベ現象辞典
世論調査の内閣支持率調査を改善してほしい。
質問を1つ付け加えるのだ。「国会の予算委員会での野党と首相達政府側の議論を、野党議員1人分でもいいからノーカットで見たことがあるか」だ。ただし、以下で厳密に制限してもらう。
・「野党」であり「ゆ党」は除外。
・「ノーカット」であり、地上波テレビ番組(特にNHK)やネットで見られる抜粋・編集版は除外。
それで、支持・不支持とクロス集計した結果を見たい。

首相達政府の答弁は、理屈や根拠(「ファクト」とか使うな)でもって私を納得や説得させたことは、なかった。ああいう国会を見ても首相を支持する人が4割もいるとは、とても思えない(3割くらいならあると思う)。
特定秘密保護法などの法律関係・湯川さん後藤さんなどの事件への対応・政治資金などの自民党議員や総理自身の疑惑・・・どのジャンルに於いても、総理を中心に質問にろくに答えずに、的外れなことを何回も長々ぐるぐる言い続けて時間切れしていた。戦後政治75年の積み重ねがこんな程度とは、泣ける。

事態を把握しさらに情報収集し論理的に考え説明し回答する(そういう首相であれば、私はあんな「議論」の光景を見ないで済んだ)。
2012年からそれをやったことがない人が、今、首相として新型コロナ問題に「対処」している。2012年から何回も続けてきた、張りぼてと隠蔽の手法で。

私が十代だったら、大人社会をなめてしまったろう。「こんなのでいいんだ」と。
現状は、本当に、教育に悪い。

感染の拡大に関して若者を責める人達へ。私達年寄りがこんな程度なのは若者のせいじゃないが、若者がそんな程度なのは年寄りにも責任があるでしょう。

もし、「日本での被害は外国に比べて小さかった」という結果になったとしても、それは首相が正しかったからではなく、偶然でしかない(福島第一原発の事故があれで済んだのは、施工時のミスという偶然のおかげだった。そんなことすら誤魔化されようとしている日本であることよ・・・)。
それを認識せず、反省も改善もなしに日常に戻ったら。日本の基礎力の弱体化が進むだけだ。

例えば、たまたまヤマが当たって入試に合格してしまったとして。なのに、「自分は優れている」と錯覚したままの人と同じである。