トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

コメントをお願いいたします。

矢部宏治著「日本人はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」を読んだ方からの、憲法改正についてのコメントをお待ちしています。 コメント受付用記事 のアドレス http://blog.goo.ne.jp/kanra-toriko/e/a08c500525a4ba2e568012c53edbaa6f

システムもアビリティもセキュリティもクリアじゃない政府によるセキュリティ・クリアランス制度法案

2024-03-14 19:51:56 | アベスガ政治の仕上げ中

「同志国・友好国との間で同じレベルの法制度をちゃんと整備していること。そういう環境を一刻も早くつくらなければならない」(2月27日 高市経済安全保障担当相の会見)

また出たよ。他の国はみんなやってるから日本もやる、という「説得」。この種の説明の仕方について、以前にも書いた外国の状況をまた書きます(情報源は、「モーニングショー」と「ばら色ダンディー」)。だいぶ忘れてしまいましたが。

 


・ 憲法改正
確かに、ドイツは憲法を何十ヵ所も改正している。だが、東西ドイツの統一によるものだ(全部かどうかは忘れた)。「西ドイツは」という文言を「ドイツは」と変えた箇所が大部分、というイメージ。それをもって「だから日本も」という主張、そんなの相手にする必要はない。

・ 年金基金の株式投資での運用
私が覚えている「他の国」はアメリカ。日本とは違って、年金基金のうち一部の制度分だけを株式投資で運用していた。でも当時の第2次安倍政権の説明ではその辺が抜けていた。

・ マイナンバーによる個人情報管理
スウェーデンは、他人のマイナンバーも知ることができてそれをもとに他人の納税額も適法に調べられる。で、「あの人の納税額は生活水準と比べて低すぎる。脱税しているのでは」と通報されたりする。つまり、すさまじい透明性と併存しているのだ(なお、こんなであれば「個人情報を集めて詐欺の標的を探す」犯罪は成立しないのかな? スウェーデンの防犯事情はどんななんでしょう)。
アメリカでは、マイナンバー(社会保障番号)は極秘。本人さえも、もし忘れてしまったら教えてもらうのには手間がとてもかかる(苫米地英人氏によれば、外国にいても教えてくれる窓口に実際に行かなければならない。しかも、窓口の人が本人に耳打ちするのを慌ててメモしなければならない)。身分証明書や保険証として持ち歩いて活用しよう・・・という日本とはまるで違う。
こんな制度は始めなければ良かった、と言っている国もある(どこかは知らない)。


「他の国」と内容が違うのを言わないで「他の国もやっている制度だ。日本が遅れているのだ」と主張する政府。セキュリティ・クリアランス制度についても同じ進め方だ。

こういう進め方はもうやめないと。筋が通らない。つけを払わされる。どうせ政治家も行政も責任を取らない。そんなこと、もう十分思い知らされてきた。

 


仮に、外国がみんな同一内容の制度でやっていたとする(そんなことはないが)。そして、日本も全く同一の制度にする。・・・という説明であればどうか?
それでも、「それならいいだろう」と判断するのはまだ早い。


だって、その他の制度が違うから。
例えば、今だ進展のない裏金事件への対応を考えてみても。規制(「規正」はなんだかなあ)法の内容はもちろん、政府や行政の仕組みが違う。

今アメリカのニュースを見ると、複数の事件で被告となっているトランプ氏が大統領選に立候補できそうであることに驚かずにはいられない。大統領時代に自分に好意的な裁判官を任命できた成果だろう。一方、検事は選挙で選ばれる。
また、日本では最高裁が憲法について判断することはあまりない。憲法を専門に扱う裁判所を設置している国もあるのに。

他にも、連邦制なので地方自治体と中央政府の関係が日本とは違ったり。公文書の扱いが違ったり。日本には政権交代がほぼなかったり。

 

・・・といろいろ違えば。全く同一のセキュリティ・クリアランス制度を導入しても、運用は国によって別物になるはずだ。
なのに、「同じレベルの法制度をちゃんと整備」と言われても納得はできない。よそはよそ、うちはうち。そう言いたい。

 

 

よそはよそ、うちはうち。
高市大臣の言う「同志国・友好国」とは、G7諸国を意味するのだろうか。とすると、社会の前提が違うなあ、と感じる。

 

イギリスは階級社会(ウィリアム皇子とキャサリン妃の結婚で、「労働者階級」といった区分がまだ続いていることに驚かされた)だし、アメリカには人種による階層が残っている。同じ人種間でも「不法移民とアメリカ生まれの自分は違う」もある。フランスには政治家ならあの学校、という難関大学があった記憶が。イタリア・ドイツ・カナダはどうだろう? 何かありそうだけどな。 
そんなふうに、住民や国民を種類分けすることに馴染んでいる。
日本にもそういう面はあるけど、程度が違うのでは? それを区分けすることで失うものはないだろうか。

プラス、COVID-19でも明らかな、日本社会の人目を気にする傾向の強さとか相互監視とか。
こういう違いを無視して西欧諸国と同じに、というのはなかなか。社会的な負荷というか消耗が大きそうだけどな。うろ覚えだけど、幸福度とか自己肯定感などの国際比較での日本人の低さ。それに拍車がかかりそう。大丈夫か?

『エロイカより愛を込めて』では。ベルリンの壁崩壊後のエーベルバッハ少佐が牛の搾乳機に関するスパイ行為を追っている、という逸話があった覚えがある。結構広い範囲の人がセキュリティー・クリアランスの調査対象になるかもしれません。

 

 

セキュリティー・クリアランス制度を導入すれば海外の研究やビジネスへのアクセスがだいぶ改善される、ということだが。
メリットとデメリットの両方が必ずある。デメリットに関する検討と対応をお忘れなく。

 

 


特に、今は。日本の国会議員は「同志国・友好国との間で同じレベル」に達していないんじゃないの・・・という疑惑の渦中だ。

大多数の国民は、セキュリティー・クリアランスとは何かとか外国の状況はどうかとか、知らないし調べたり考えたりしない。仕事(家事なども含む)とか学校とか、日々の生活がある。国会議員と違って、「自分の仕事」ではないのだ。政治家を代理に立てて担当してもらっている。
もしみんなが政治家並みに政治に時間や労力を注ぎ込んでいたら、社会も経済も生活も回らない(かなりまめにブログを書いている最近の私。健康と掃除が犠牲になっている・・・改めねば)。

だから政治家が信頼できないとつらい。

 

そんな中で、法案。

 

第11条の定めでは、行政機関の長・国務大臣・内閣官房副長官・内閣総理大臣補佐官・副大臣・大臣政務官は、調査対象外。高市担当相は「内閣の一員として任命される段階で必要な考慮がされるということで適正評価の対象外」と説明した。
調査項目として挙げられているのは、
・ 家族らの氏名・国籍・住所など
・ 犯罪または懲戒歴
・ 情報取扱の違法行為に関する経歴(*)
・ 薬物の濫用や影響
・ 精神疾患
・ 飲酒の節度
・ 借金など経済的な状況
・・・以上、3月12日の「大下容子ワイド!スクランブル」に依ります。

 

一例を挙げるだけでも。大下アナウンサーが言ったように、旧統一教会という外国のカルト団体から選挙応援を受けた大臣がいる政権なのだ。なのに、こんな案・こんな説明なのか。どういう構造の脳みそなのだろう。
やっぱり、今の政府には資格・能力の問題があると思うけどなあ。

 


ーーーーーーーーーーーー
(*)

「情報取扱の違法行為に関する経歴」? アメリカの調査項目は?

日本は7だがアメリカは13項目ある。そのうちの「保護情報の取り扱い」が該当するだろう。やっぱりアメリカの制度にもあるんだ・・・ バイデン大統領とトランプ前大統領は? アウトじゃないの? なんで? アメリカはどうなってるんだろう。
2人にはアメリカ政府の機密書類を自宅に保管していた問題があるけど、それでも彼らのセキュリティー・クリアランス調査は「合格」なのか? 日本で法が成立したら「大統領は外せ」と主張できるのかね? 上に書いたように、日本の法案では政務3役は調査されない。アメリカの制度でも大統領などは対象外なのだろうか。

第2次安倍政権以降、敢えて議事録を作らなかったり、公文書が廃棄されたりしている。それでも調査対象でないから項目をクリアしてなくても良い、のか?

 

法案そのものにも運用にも、わからない部分が多い制度だ。私だけ?

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青年局懇親会・世耕議員クッキー缶・国会議員の浮気<「騒がなくていいこと」(3)>

2024-03-13 15:26:01 | アベスガ政治の仕上げ中

<「騒がなくていいこと」(2)>で妄想した、自民党大臣級国会議員の後援者のイメージにぴったりな実例が・・・

 


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https://yorozuyajiro.hatenablog.jp/entry/2023/11/30/090000

よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ
2023-11-30 彼が未来に見据えるものは

(・・・)場所は帝国ホテルの鉄板焼『嘉門』。5人で座れる個室カウンターに二人きり。(・・・)
 世耕さんとは、彼が3選出馬する際、和歌山木材協同組合の理事長として推薦状をお渡ししてからのお付き合い。参院幹事長としてSPが付くようになる前は、大人数でわいわい会食することもよくありました。ですから、今回の会食も久しぶりとはいえざっくばらん。ちょうど話題になっていた、国会での世耕さんによる総理批判質問について直球で尋ねると、真意をそれこそざっくばらんに語ってくれました。どんな答えだったかは記しませんが、私からは「相手の立場を尊重した質問を。自分の納得は相手の不満ともいいますよ」と、これまた直球な意見を申し述べた次第です。
 お酒がハイボールから赤ワインへと進むにつれ、私の直球は剛球に。「衆院への鞍替えはするのか?」「参院議員のままでの総裁選出馬は?」「それとも参議院のドンになる?」など、政治記者というより週刊誌の記者顔負けの質問を繰り出してみました。(・・・)
 会食の終盤、私は「冗談はさておき」と、先ほどからの下世話な質問ではなく日頃感じていることを伝えることにしました。簡単にまとめると、日本を良くしたいとの姿勢は伝わるが、その原点に和歌山への思いを滲ませてほしい。その意味でおじいさん(弘一氏)、おじさん(政隆氏)は立派だった。そんなことを生意気にも申し上げました。世耕さんはいつも通り、静かに頷きながら聞いてくれました。
(・・・)私は世耕さんからもらった『村上開新堂』のクッキー缶を片手に銀座のクラブに立ち寄りました。「一緒に食べよか。」私のことばに、ホステスのみんなからは今まで聞いたことのないような歓声が。不思議がる私に彼女たちは「このクッキー缶、予約で1年待ちはざらなんですよ。」と教えてくれたのでした。
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世耕議員の後援者のブログです。妄想を書いたのにわりと当たってた。

 

 

会員から紹介された人(@「モーニングショ」)が予約して1年後にやっと買えるクッキー! そんなクッキーがあろうとは、想像したこともなかった。
ところで、半裸の女性ダンサーに接触しチップを渡した(@自民党青年局近畿ブロック)懇親会の企画者川畑哲哉和県会議員。検索したら、世耕議員の元秘書だとか。

世耕議員は、森元首相を含む安倍派で「遊び上手」や「接待上手」という評価を受けていそうだ。バブル期の、高額だったり性的だったりな「遊び」(「日本人ビジネスマン」が「アジア買春ツアー」に公然と繰り出していた)や接待が行われていた時代に若手として幹事みたいなことをやっていた人達と同年代では。
もちろん、業界ごとに交際費の状況は異なっていた。が、世耕議員が勤めていた当時のNTTは株式公開直後だったと思う。ものすごく景気が良かったんじゃないかなあ。

「民間企業による官僚接待」や「官官接待」は知ってたけど。自民党議員は「政政接待」も盛んみたいだから。世耕議員の手腕は頼りにされているだろう。

(宮本氏のブログは、自民党の実態がわかったということだけでなく、価値があるブログだ。現代日本のオーラル・ヒストリーって感じ)

 

 


自民党議員の政治資金について「政治には金がかかる」という言葉がよく使われるが。自民党では、多くの場合、政治家や後援者の生活水準が高いからなのでは。

 


世耕議員とクッキーを贈られた宮本氏とって、安全性確保や人払いが必要だった。だから、会食場所が都内高級ホテルレストランの個室、というのはわかる。しかし、そこらの野党国会議員が後援会の人と同じ条件で会食するとして、同じようなレストランを選ぶだろうか。「なぜ君は総理大臣になれないのか」では、小川議員(立民党)か支援者の自宅に集まっている場面を見たような。

世耕議員は、与党幹部・大臣も経験した人だ。なので、警備体制などが「その辺の野党の国会議員」とは違うのかもしれない。
そういうことなら、ずっと与党であり続ける(であろう)自民党には、警備の都合で会食場所は高級レストランなどを使い続けるしかない政治家が増えていく。その結果、自民党国会議員は「政治には金がかかる」という状態であり続けるのではないか?

 

さらに、自民党には世襲議員が多いし、政策というか政治手法的に財界と深い関係にある。なので、だいたいが裕福な人の金銭感覚で暮らしているのだと思う。議員になった時点で裕福でなければ、政治資金制度(相続税を含めて税で優遇されている)や裏金で資産形成できる。そういう仕組みになっていてもおかしくない。
だって、都内高級ホテルのレストランでの個室でのおごりに対するほどの高級クッキーを用意していかなければならない・・・という生活が待っているんだもの。

(私には贈収賄の判定法がわからないなあ・・・
それと、宮本氏は自分のお金で払ったと思うが。小泉法相が「小泉龍司後援会」の資金で後援会の人と会食することはないのだろうか。会議費に上限がなければ問題はないんだろう。
民間企業感覚が抜けていないので、頭の中でいくつか変換しないとついていけない世界だ)

 

お金で何でも買えるわけじゃないけど、お金がないと始まらない生活もあるもんね。
特別職公務員として生活が保証されるだけでは足りない。自民党が作り上げてしまった国政はたぶんそうなのだ。国家財政や平均賃金などがどうあれ、国会議員の報酬は上がっていくのが自然なのだ。

 

昭和の頃の経済成長はこんな感じだったのかな。
ごくごく限られた人しか食べられなかった高級クッキー。それを買える収入を得る人・それを贈れる企業などの増加(「自分は買えないけど営業部ならつてがあるよ」)からの「一見さん」脱出。
そうやって、「ごく一部の人達だけの贅沢」がより多くの人達にも味わえるようになる。

自民党国会議員などは、個人的に当時の日本のあり方を再現し続けていられる人達なのだろう。なんとなく時代遅れで的外れな政策や発言が続くのは、そのせいもあるのではないか。
ヒトの脳には限界がある。

 

 


・・・以上、今朝の「モーニングショー」を見て、書いている。

なので、立民の梅谷議員が地元の祭りに日本酒持参で参加した件についての立民党の調査・処分が報道されていないのでは、という田崎氏の問いかけも聞いた。

組織性・人数・歴史の長さ・影響力で大きく勝る裏金事件との比較で言っているわけではないよね。青年局懇親会・世耕議員クッキー缶・国会議員の浮気が報道されていることとのバランスを問いたいんでしょう?


・ 青年局懇親会・・・あんなことやってるんだ、という驚き。当時の自民党の状況への無頓着さ。そして「多様性」とか「記憶はない」云々の説明が示す自民党国会議員のレベルの低さ。
・ 世耕議員クッキー缶・・・国会議員と後援者の間柄の実例。
・ 国会議員の浮気・・・「裏金事件国会の最中なのに」なのか「裏金事件国会というストレスから」なのかわからないけど。危機の時の反応でその人の素質みたいなものはわかる。ああいう人は珍しくないと思う。

・・・という理由から、私は梅谷議員の件の続報(「モーニングショー」では第1報はしてた)をせずに(毎日見ているわけではないのでわからないけど)上の3件を扱った番組の構成に不満はない。
ただ。大谷翔平報道に使う時間を少なくとも30秒ほど削って梅谷議員のことを扱う姿勢を望んではいる。

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