先月の米議会での安倍首相の演説は、アメリカ(とイギリスとオーストラリア?)と親密になれば日本は第2次大戦をリセットできる、という姿勢を示していた。
「リセット」です。私にとっては、「パソコンがフリーズした時にやると電源入れた後のデスクトップ画面に戻るからそこからやり直せる」という時に使う方法(そういえば何年もフリーズしてない。驚く)。
安倍首相の外交は、「第2次大戦から今日まで失敗や不本意な状況があり、なんだかもつれてしまっているけど。これをやればちゃらにできる」というものに見える。
日本は戦後の外交をアメリカに頼ってきた。
世界有数の強国であるアメリカに気に入れられれば、その他大勢の思惑はあまり気にならない。
それに対して、旧西ドイツ。
アメリカが元ケルン市長アデナウアーを重用したことで方向が定まった、とは言えるのかも。だが、日本と比べれば、ドイツはアメリカよりも周辺国との関係を重視する度合いが高い。かつてナチスドイツが占領していた国々とさえ、EUメンバーとしてグループになっている。
しかし。わりと多くの日本人が「ナチスドイツの被害者」として思い浮かべるのは、ユダヤ人ではありませんか?
私が日本とドイツでずいぶん違うなあと思うのは、旧西ドイツとユダヤ人が建国した国であるイスラエルの間に、パートナーシップが存在したことだ。
謝罪・賠償・和解よりも、ずっと強い絆を感じる。2国が協力して戦後のそれぞれの困難(旧西ドイツは多くの国にとって元・敵国だったし、イスラエルは建国したものの存続が危ぶまれていた)を乗り越えたからだ。