この新カテゴリーではがらりと話題を変え、部資材グリーン調達
を考えてみようと思います。私はたまたまこの分野に携わってい
ます。内部事情には触れず、一般公開情報から伺える範囲で一般
教養として役立つように展開します。
どうぞよろしくお願いいたします。
<グリーン調達とは>
グリーン調達には広義と狭義があると思います。
狭義のグリーン調達
一般商品より一段と配慮をした製品を政府機関、自治体が
調達時優先的に購入するとし、その環境仕様を決めて世間
に提示するグリーン購入の動きです。
日本は「グリーン購入法」がそれにあたります。
開始当初、政府が完成品をチェックしなかった。再生紙だ
と色黒くなる為、メーカーがバージン紙を大量に混ぜる事
件が起きたのは記憶に新しいと思います。性善説で失敗し
たのです。
欧米では「グリーンラベル」が該当し、一段上の環境に優
しい推奨環境仕様を用意し、それに適合した製品に認証ラ
ベルを貼る権利を付与してます。日本と異なるのはラベル
が貼ってある製品が人体にも環境にも優しい事を国民も知
っているので店頭での購入動機につながってて企業が認証
取得に注力していることです。
EPEATやブルーエンジェルが有名です。
広義のグリーン調達
広義になると以下のことが加わってくると考えます。
①製品構成化学物質が身体に及ぼすリスク回避の管理
②環境に敏感な企業認証を取得する動き
③国連で議題にされる環境問題を意識した活動
①は日本だと化審法があります。最も注意を要する化学物
質は政府認可を得ないと製造販売できません。海外では欧
州がこの分野進んでおり、廃棄自動車に関するELV、廃
棄家電に関するRoHS、その後化学物質全体を一度完全
に棚卸しして管理しなおすと決めて始めたREACH規則
があります。
これら全て法律ですから、普通は部資材購入時は既に法律
が適用済みなのでわざわざ購入者が確かめなおす必要など
起きるはずないと思いがちですが、法律は適用地域が限定
されてるものです。日本からその地域に輸出する製品を製
造する場合とたんに事情が違ってきます。
例えば、日本は欧州RoHS指令と等しい法律をもってま
せん。法規制対象の鉛/カドミウム/水銀/6価クロム/
PBB/PBDEは既存法により、適切な廃棄処分を制定
済みで、廃棄処理場の負担増加や広く環境を汚染する可能
性がないので、それらを含む場合は含んでいるかどうか単
純に表示するだけでよいとの見識者意見がありそうされま
した。
一方、RoHS適用地域ではこれら6物質をしきい値以上
含有してると法律違反になります。このせいで、日本企業
は自前で部資材を分析するはめに陥りました。※
②はISO14001という環境に敏感な企業活動を定め
た基準を遵守してる証明としてその監査受け認証企業と宣
言する動きが該当します。
認証受けないと納入元として認めてもらえない事情もあり
急激に増えましたが、認証に100万円ほどかかる割には
そんなメリットを実感しないのと、自己適合宣言制度も用
意されたためそちらに流れている様子です。基準には地域
交流や従業員教育も含まれてます。
③は、地球温暖化や生物多様性への対応活動が該当します。
地球に優しいかの観点から、調達品を運ぶトラックを電気
自動車にしたり電気鉄道を使ったり、製品にリサイクル材
を採用したり梱包材を省資源タイプに変えたり、リユース
可能にした等です。
グリーン調達活動全般を通じてのポイントあげるとしたら、法規
制範囲とそれを超えた要求を正しく区別し、それぞれに応じた適
切な対応に結びつけられてるかだと思います。
海外企業の年次CSRレポートを見ると、上述した狭義の内容で
活動してるため各社で特徴があり個性的ですが、日本企業は金太
郎飴のようにみごとにどれを見ても同じ調達基準で、CSRレポ
ートで報告する内容も同じ。注目すべきはおしなべて法律の規制
内の活動だということです。法律の枠内であれば別に努力しなく
ても法施行により自然に実現されてます。見かけだけのなんちゃ
ってグリーン調達といえるでしょう。
日本企業が海外企業から法を超える環境仕様を求められた時、担
当者が上に述べたポイントを実現する力量を持ち合わせてないと
確認がおろそかになる恐れがあります。法律を超える要求で、世
の中にそれを実現する部資材がまだないと、開発から始めねばな
らない事もあるでしょう。
また、中身をあまり確かめずにベンダーに提示して場合、実現可
能性/納期/価格/時期/数量 のどれかで問題が発生する恐れ
があり注意が要ります。
配慮すべきは、法律を超えた環境仕様を提示ししかも費用援助も
価格アップも無しで強引に納入を求めたら顧客の立場を利用して
無理を押し付ける悪質な行為として、独占禁止法に抵触する可能
性があることです。
が、案外気づかぬうちにやってしまってるかもしれません。
それというのも、グリーン調達を実践してる調達・資材部門は案
外、調達基準そのものを社内・社外に外注してることが多く、自
らは編纂に関係しないため、書いてある内容がどんな意味か理解
が後追いになる場合が推測されるからです。
実際に企業の擁する調達基準を見るとその境がかなり専門知識が
ないと判別しにくいと実感するでしょう。
化学物質がその規制背景理由毎にグループ分けされず、互いに混
ぜられ表中に並んでいる事が多く、さらに規制背景説明を探すと
、法令制定元サイト参照と投げられてる事(しかも海外なので英
語)もわりとあるため、調達基準だけでは完全理解にほど遠いこ
とがあります。
好みの企業名とグリーン調達の2つのキーワードで検索すると調
達基準掲載ページにたどりつきやすいです。
興味ある方はWEB検索して一読をお勧めします。(海外企業だ
と グリーン調達 ではなく Environment が有
効です。)
※J-Moss
日本がRoHS指令に合わせるかたちで用意したのが
J-Mossです。日本よりはるかに広大で多くの
国々からなる欧州で、環境・人体リスクを考慮し禁止した
物質を日本は規制せず、グリーンラベルの手数料稼ぎの
手段にしました。欧州からしたら法律の定める危険物質を
除くのは当然の義務であり、それをグリーン化とみなす
日本は環境後進国だと思うでしょう。
中国も韓国も同様なRoHS指令を設けて禁止する方向
なので日本だけ異質で浮いてます。
を考えてみようと思います。私はたまたまこの分野に携わってい
ます。内部事情には触れず、一般公開情報から伺える範囲で一般
教養として役立つように展開します。
どうぞよろしくお願いいたします。
<グリーン調達とは>
グリーン調達には広義と狭義があると思います。
狭義のグリーン調達
一般商品より一段と配慮をした製品を政府機関、自治体が
調達時優先的に購入するとし、その環境仕様を決めて世間
に提示するグリーン購入の動きです。
日本は「グリーン購入法」がそれにあたります。
開始当初、政府が完成品をチェックしなかった。再生紙だ
と色黒くなる為、メーカーがバージン紙を大量に混ぜる事
件が起きたのは記憶に新しいと思います。性善説で失敗し
たのです。
欧米では「グリーンラベル」が該当し、一段上の環境に優
しい推奨環境仕様を用意し、それに適合した製品に認証ラ
ベルを貼る権利を付与してます。日本と異なるのはラベル
が貼ってある製品が人体にも環境にも優しい事を国民も知
っているので店頭での購入動機につながってて企業が認証
取得に注力していることです。
EPEATやブルーエンジェルが有名です。
広義のグリーン調達
広義になると以下のことが加わってくると考えます。
①製品構成化学物質が身体に及ぼすリスク回避の管理
②環境に敏感な企業認証を取得する動き
③国連で議題にされる環境問題を意識した活動
①は日本だと化審法があります。最も注意を要する化学物
質は政府認可を得ないと製造販売できません。海外では欧
州がこの分野進んでおり、廃棄自動車に関するELV、廃
棄家電に関するRoHS、その後化学物質全体を一度完全
に棚卸しして管理しなおすと決めて始めたREACH規則
があります。
これら全て法律ですから、普通は部資材購入時は既に法律
が適用済みなのでわざわざ購入者が確かめなおす必要など
起きるはずないと思いがちですが、法律は適用地域が限定
されてるものです。日本からその地域に輸出する製品を製
造する場合とたんに事情が違ってきます。
例えば、日本は欧州RoHS指令と等しい法律をもってま
せん。法規制対象の鉛/カドミウム/水銀/6価クロム/
PBB/PBDEは既存法により、適切な廃棄処分を制定
済みで、廃棄処理場の負担増加や広く環境を汚染する可能
性がないので、それらを含む場合は含んでいるかどうか単
純に表示するだけでよいとの見識者意見がありそうされま
した。
一方、RoHS適用地域ではこれら6物質をしきい値以上
含有してると法律違反になります。このせいで、日本企業
は自前で部資材を分析するはめに陥りました。※
②はISO14001という環境に敏感な企業活動を定め
た基準を遵守してる証明としてその監査受け認証企業と宣
言する動きが該当します。
認証受けないと納入元として認めてもらえない事情もあり
急激に増えましたが、認証に100万円ほどかかる割には
そんなメリットを実感しないのと、自己適合宣言制度も用
意されたためそちらに流れている様子です。基準には地域
交流や従業員教育も含まれてます。
③は、地球温暖化や生物多様性への対応活動が該当します。
地球に優しいかの観点から、調達品を運ぶトラックを電気
自動車にしたり電気鉄道を使ったり、製品にリサイクル材
を採用したり梱包材を省資源タイプに変えたり、リユース
可能にした等です。
グリーン調達活動全般を通じてのポイントあげるとしたら、法規
制範囲とそれを超えた要求を正しく区別し、それぞれに応じた適
切な対応に結びつけられてるかだと思います。
海外企業の年次CSRレポートを見ると、上述した狭義の内容で
活動してるため各社で特徴があり個性的ですが、日本企業は金太
郎飴のようにみごとにどれを見ても同じ調達基準で、CSRレポ
ートで報告する内容も同じ。注目すべきはおしなべて法律の規制
内の活動だということです。法律の枠内であれば別に努力しなく
ても法施行により自然に実現されてます。見かけだけのなんちゃ
ってグリーン調達といえるでしょう。
日本企業が海外企業から法を超える環境仕様を求められた時、担
当者が上に述べたポイントを実現する力量を持ち合わせてないと
確認がおろそかになる恐れがあります。法律を超える要求で、世
の中にそれを実現する部資材がまだないと、開発から始めねばな
らない事もあるでしょう。
また、中身をあまり確かめずにベンダーに提示して場合、実現可
能性/納期/価格/時期/数量 のどれかで問題が発生する恐れ
があり注意が要ります。
配慮すべきは、法律を超えた環境仕様を提示ししかも費用援助も
価格アップも無しで強引に納入を求めたら顧客の立場を利用して
無理を押し付ける悪質な行為として、独占禁止法に抵触する可能
性があることです。
が、案外気づかぬうちにやってしまってるかもしれません。
それというのも、グリーン調達を実践してる調達・資材部門は案
外、調達基準そのものを社内・社外に外注してることが多く、自
らは編纂に関係しないため、書いてある内容がどんな意味か理解
が後追いになる場合が推測されるからです。
実際に企業の擁する調達基準を見るとその境がかなり専門知識が
ないと判別しにくいと実感するでしょう。
化学物質がその規制背景理由毎にグループ分けされず、互いに混
ぜられ表中に並んでいる事が多く、さらに規制背景説明を探すと
、法令制定元サイト参照と投げられてる事(しかも海外なので英
語)もわりとあるため、調達基準だけでは完全理解にほど遠いこ
とがあります。
好みの企業名とグリーン調達の2つのキーワードで検索すると調
達基準掲載ページにたどりつきやすいです。
興味ある方はWEB検索して一読をお勧めします。(海外企業だ
と グリーン調達 ではなく Environment が有
効です。)
※J-Moss
日本がRoHS指令に合わせるかたちで用意したのが
J-Mossです。日本よりはるかに広大で多くの
国々からなる欧州で、環境・人体リスクを考慮し禁止した
物質を日本は規制せず、グリーンラベルの手数料稼ぎの
手段にしました。欧州からしたら法律の定める危険物質を
除くのは当然の義務であり、それをグリーン化とみなす
日本は環境後進国だと思うでしょう。
中国も韓国も同様なRoHS指令を設けて禁止する方向
なので日本だけ異質で浮いてます。
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