金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

混乱の増すグリーン調達事情15

2016-12-31 23:57:29 | グリーン調達
≪フタレート規制の一般知識≫ 
EUROPAと米国以外のフタレート規制のゆるい地域
だと余程知識欲旺盛な人か、役人や業界経由の
情報をうのみにせず、現地情報を自分で確認する
ようにしてる人以外はまるっきり無関心です。
さざなみほどの騒ぎも無いのでしかたありません。
ですからたぶんこの記事は知らなくてもいいの
かもしれません。

①次期RoHS指令の追加制限物質は玩具規制由来
フタレート4品目は玩具規制で、子供が触れること
も避けるべきとされた物質。
その理由は、子供の時期にその物質に被爆すると
不妊体質になる可能性が高いと指摘されたため。
→動物実験では実証されてる。

②EUROPAはREACH規則という包括規制がある
注意すべきフタレート類はREACH規制の認可対象
物質に指定されており、輸入・製造が政府の
監視下にある。そのおかげで子供が玩具以外の
製品で被爆被害にあわないよう配慮されてる。

③日本の法律にはまだ規制らしい規制が無い
フタレート、DEHPは優先的に検討すべき物質に
されてるが化審法で具体的な措置はまだない。
工場からの排出量を政府に報告する義務を課す
PRTR法の対象物質には指定されており、企業
ホームページには実績が報告されている。

④日本の玩具規制
食品衛生法で6歳未満の乳幼児が使う玩具で
規制あり。平成22年の改正で塩ビに限定せず、
可塑剤使用材料全般が対象になった。
日本玩具協会の自主規制STマークでは14歳以下
までと対象広いが、規制は塩ビのDEHP/DINPのみ。
→日本は欧米に比べ6歳以上の保護が弱い

⑤日本の食器規制
食品安全委員会 器具容器包装専門調査会にて
フタレートの耐用一日摂取量が検討された。
DEHPは30μg/㎏ /日と他フタレートより
一桁から二桁も厳しい基準がでた。
実際には、食品衛生法の器具及び容器包装分野で
DEHPを材料にした塩ビを主成分とする合成樹脂を
用いてはならない と加えられたのみで、塩ビ
以外の可塑剤使用樹脂は含まれず。

⑥日本のDEHP汚染状況
上に述べたように輸入・製造の制限はなく、
工場からの排出量の報告義務があるのみ。
事業者報告の排出量は1,180,200kg/年。
その他要因も含めた大気排出量は2334トンになる。
食物連鎖により、野菜や料理を通じて身体に
とりこんでる事実があります。

 東京都が2000年に行った食事のDEHP濃度調査で
 年齢別で一番摂取量が多かったのは1歳で、
 21.7μg/㎏/日。幼児は大人より被爆量多い。

 ある、日本各地の食事中のDEHP含有量を調べた
 結果では、地域の偏りなく30μg/kgを超えた
 量を摂取してる状況がでた。市販弁当から8930
病院食から4400を超える結果がでたケースも
 あった。
 
日本はこういう現状です。家電のDEHP含有量を
メーカーが自主規制しても、最優先で守られる
べき幼児のまわりは食品を介した摂取も含め、
フタレートにまみれてるという事実があります。
これが毎年2000トンもの大気排出した結果だと
断言はできませんが、人工物なのでなんらかの
関連を思わせるような調査結果です。

自社製品は次期RoHS対応させたと宣伝しても、
日本のように化学物質包括規制の無い国では
子供を持つ親への訴求が弱いかもしれません。
家電がフタレートフリーでも食べ物を含めて
周囲はフタレート汚染が悪化してるからです。

そういう国では一生懸命なのは家電業界だけ。
包装業界など関連団体の関心が薄かったり、
協力的でなかったりと苦労する。

コメント
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