≪ビトロス8世の日記22-我が星仲間-≫
ビトロスは気がつくと薄暗がりの中浮かんでいた。
暗くて気づくのが遅れたが、
離れた所に人がぽつんぽつんといることがわかった。
その顔は初めて見る人ではなさそうだった。
なぜか懐かしい気持ちがしたからだ。
皆自分のことを悲しげに見つめていた。
ひどく泣いている人もいた。
ふと気づくと自分のそばに幼い子供がいた。
その子も泣いていた。
抱きかかえようと手を伸ばした時
突然、自分の身体が中心からくずれ始めた。
身体が音をたてて崩壊していく。
自分の身体のかけらが子供にぶつかってしまい
その子も同じくくずれていった。
私は懸命に手をのばしてささえようとした。
しかしどうすることもできなかった。
さきほど見つめていた人たちの声が聞こえた。
-***しっかりして-
-***大丈夫かい-
-***-、-***-、-***-
ああ、思い出した。この人たち。この配置。
長きにわたりシステムをささえてきた星仲間。
かけがえのない家族だ。
思い出した。
我が名はベルーガ。
この星系の星のひとつだ。
今やっと思い出した。
(初稿 2007-03-14 20:12:53)
ビトロスは気がつくと薄暗がりの中浮かんでいた。
暗くて気づくのが遅れたが、
離れた所に人がぽつんぽつんといることがわかった。
その顔は初めて見る人ではなさそうだった。
なぜか懐かしい気持ちがしたからだ。
皆自分のことを悲しげに見つめていた。
ひどく泣いている人もいた。
ふと気づくと自分のそばに幼い子供がいた。
その子も泣いていた。
抱きかかえようと手を伸ばした時
突然、自分の身体が中心からくずれ始めた。
身体が音をたてて崩壊していく。
自分の身体のかけらが子供にぶつかってしまい
その子も同じくくずれていった。
私は懸命に手をのばしてささえようとした。
しかしどうすることもできなかった。
さきほど見つめていた人たちの声が聞こえた。
-***しっかりして-
-***大丈夫かい-
-***-、-***-、-***-
ああ、思い出した。この人たち。この配置。
長きにわたりシステムをささえてきた星仲間。
かけがえのない家族だ。
思い出した。
我が名はベルーガ。
この星系の星のひとつだ。
今やっと思い出した。
(初稿 2007-03-14 20:12:53)