中山義隆著『中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿』

2013-02-19 | 本/演劇…など

【著者に聞きたい】中山義隆さん『中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿』
 産経新聞2013.2.10 08:53
 ■島に住むことは国を守ること
 戦前に日本人が住んでいた歴史があるとはいえ、無人島である尖閣諸島を必死に守る必要があるのか、中国に譲るべきは譲っていいのではないか-と考える人も多いのかもしれない。そんな風潮に現地の市長として「領土問題の本質が理解されていないのではないか」と苦言を呈する。仮に中国が尖閣を占領すれば、次は沖縄に触手を伸ばして「ここは歴史的に中国領だ」と主張し始める恐れが大きいと警鐘を鳴らす。尖閣諸島をめぐる“棚上げ論”についても「中国が勝手に棚上げを主張しているだけのこと」と、両国間に領土問題はそもそも存在しないことを指摘する。
 尖閣諸島の歴史的事実と現状を多くの国民に知ってほしいと筆を執った。「中国は日本の国力が弱っているところをみて付け入ってきた感がある。今のままでは尖閣は守れない」と危機感を表明し、日米同盟を強化する必要性を強調する。そこでは集団的自衛権の問題も出てくるが、「それを認めるかたちで明確に謳(うた)っていかなければ現状には対処できません」と明記。憲法も改正し、自衛隊の位置づけを明確化すべきだと訴える。
 尖閣諸島の魚釣島には、先の大戦末期に遭難した人たちの慰霊碑がある。しかし遺族たちが島に上陸して慰霊祭を行いたいと申請しても、国は回答すらしない。ロシアが不法占拠している北方領土でも墓参できるのに、この扱いはひどいと憤慨する。自民党政権になったことで、上陸が認められる可能性は出てきたと感じており、「国益に反することのないよう慎重に時期を判断して、上陸の申請をしていきたい」と話す。
 もしも尖閣が有人島であり続けていたなら、中国も簡単には手を出せなかったはず。日本最西端の与那国島や、韓国に近い対馬での人口減が気にかかる。「日本人が住んでいることで島々が守られ、周辺の海域やシーレーンも守られている。そうした離島の重要性も知ってほしい」。折しも今年3月には新石垣空港が開港し、本土からの直行便も増えて石垣島が身近になる。「多くの方に訪れて、国境の島の空気を感じてほしい」と願っている。(ワニブックスPLUS新書・840円) 溝上健良
 【プロフィル】中山義隆
 なかやま・よしたか 昭和42年、沖縄県石垣市生まれ。近畿大卒。野村証券勤務を経て石垣島で家業を継ぎ、平成18年に石垣市議。22年から石垣市長を務める。


「尖閣を世界遺産に」 石垣市が国に調査要請へ 2013-02-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 
 【産経抄】2月6日
 産経新聞2013.2.6 03:15
 アホウドリは一風変わった鳥である。デービッド・アッテンボロー氏の『鳥たちの私生活』によれば卓越した滑空能力を持ち、一度舞い上がれば1600キロも飛び続ける。体も大きく「空の王者」の風格だ。ところが繁殖のため陸に下りると、とたんに不格好な姿をさらす。▼歩くのはヨチヨチで、かなり助走しないと飛び立てない。だから日本ではこんな不名誉な名前をつけられ、世界的にも羽毛を狙って乱獲されてきた。一時は絶滅説もあったが、伊豆諸島の鳥島や小笠原諸島、沖縄の尖閣諸島などで生息が確認されている。▼その尖閣の世界自然遺産登録を目指すよう、地元の石垣市が政府に働きかけるという。尖閣は豊かな「生物多様性」に恵まれている。だがアホウドリひとつとっても、持ち込まれたヤギが繁殖するなどで生息数が大幅に減っているらしい。早急な保護が必要なのだ。▼しかし上陸が厳しく規制されているため実態調査もままならない。そこで政府が進めている奄美・琉球の世界遺産登録の対象に尖閣も加え、そのための現地調査を行うべきだというのだ。しかも石垣市の中山義隆市長が考えるメリットはそれだけではない。▼「日本政府が尖閣を含めた形で登録を申請し、ユネスコが認めれば、日本領であることが国際的により明確になる」というのだ。世界中の目をこの海域に向けさせる。地元で尖閣を守るために、日々腐心している中山市長らしい発想である。▼中国は自衛艦にレーダー照射するなど、尖閣での横暴をエスカレートさせている。政府もアホウドリのようにモタモタしていては、中国の思う壺(つぼ)となってしまう。先手を打っていくためにも石垣市の提案に耳を傾けてみていい。
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「尖閣を世界遺産に」 石垣市が国に調査要請へ
産経新聞2013.2.4 00:55
 政府が世界自然遺産に「奄美・琉球」(鹿児島県、沖縄県)の登録を目指していることに関連し、沖縄県石垣市が、日本の領土である尖閣諸島を対象地域に含めるよう国に求めるとともに、登録に向けた現地調査を実施できるよう働きかける方針であることが3日、分かった。同市の中山義隆市長(45)は「国際機関に登録が認められれば、尖閣諸島が日本の領土ということがより一層、明確になる」としている。
 これまで政府は「奄美・琉球」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の登録を目指す暫定リストに追加することを決定。環境省が詳細な対象地域を検討中だ。
 そうしたなか、石垣市は固有種を含めた動植物の宝庫として知られる尖閣諸島について、「観光資源として有効活用できれば」と対象地域に含めるよう国に求めることを決断した。
 尖閣諸島は独特の「生態系」や豊かな「生物多様性」があるとされるが、島への上陸が難しいこともあり、市は「最近のデータが乏しい」と説明。環境省やユネスコへの十分な説得材料を得るため、中山市長は「現地での学術的な調査が必要」としており、早急に現地調査ができるよう国に協力を求める方針だ。
■アホウドリの生息地
 尖閣諸島に数多くいる動植物の中でも、国の特別天然記念物のアホウドリは絶滅も危惧される貴重な生物だ。日本野鳥の会(東京都)自然保護室チーフの山本裕さん(48)によると、尖閣諸島は世界で2カ所のみ確認されている生息地のうちの1カ所という。
 山本さんは「(もう1カ所の)小笠原諸島のアホウドリとは体の特徴や求愛法が違うため、固有種の可能性がある」と指摘。
 さらに以前に持ち込まれたヤギが繁殖した影響などで「昔は尖閣諸島に100万羽が生息していたというが、現在は約500羽に減った」と貴重さを説明する。
■世界の目で海域監視
 メリットは環境保全だけではない。中山市長は「日本政府が尖閣諸島を含めた形で申請し、ユネスコが登録手続きに入れば、国際機関が日本の領土として認めたことになる」ともう一つの意義を強調。現地調査に必要な上陸許可をはじめ、費用や人員の面などで国の協力を得たい考えだ。
 東海大海洋学部の山田吉彦教授(海洋政策)は「世界自然遺産への登録は、世界の目をもって尖閣諸島の周辺海域を監視するということになる。周辺海域の海洋資源、水産資源の保全のほか、中国に軍事拠点を作らせないという意味でも登録はメリットがある」と話している。
*世界自然遺産
人類共通の遺産として保護すべきだと認められた生態系や自然環境で、世界で188件が登録されている。国内では白神山地(青森県、秋田県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)の4件。
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「世界遺産登録の権利ない」 尖閣諸島めぐり中国
産経新聞2013.2.19 01:26
 日本政府が「奄美・琉球」(鹿児島県、沖縄県)の世界自然遺産への登録を目指し、石垣市が尖閣諸島(中国名・釣魚島)を対象地域に含めるよう国に求める方針だと一部で報じられた問題で、中国外務省の洪磊副報道局長は18日、「日本には中国の領土を登録申請の対象にする権利はない」などとする談話を発表した。
 日本政府は尖閣諸島を対象に含めるとは表明していない。
 洪氏は「日本国内の一部の企てはうまくいかないだろう」とも主張しており、中国政府が神経をとがらせているとみられる。中国国家海洋局も同日、「茶番劇であり、必ず失敗する」との談話を発表した。
 日本政府は1月末の関係省庁連絡会議で「奄美・琉球」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の暫定リストに追加することを決めた。リストに掲載されると正式な候補となる。(共同)
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◇ 「尖閣問題は、国際法と国連に期待せず、棚上げせず、強い姿勢で臨むことが中国に有効」ペマ・ギャルポ氏 2013-01-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 
 Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
 尖閣問題とチベット問題の共通点
2013年1月23日 (水)
 近年中国は度重ねて尖閣諸島問題で日本に対して挑発的行為を続けている。
 これに対してごく一部の良識ある人々以外のマスコミなどは冷静に対応しろ、とか、国際法と国連に頼るような発言も目立っている。中には叡智を結集して両国間で当分この問題を棚上げにすべきだと、いう極論を言う人もいる。
 この人たちの言い分だと、大人であった小平と田中角栄は、この領土問題を棚上げすることで日中の友好関係を築いてきた、とのことである。
 私がチベットの体験からはっきり申し上げたいのは、棚上げなどとは中国にとって、時間稼ぎ以外の何ものでもなく、中国が一九五〇年軍事力でチベットを侵略し五一年に十七条協定なるものを押し付けたことに対し、東チベットを中心にして猛烈な反発が出始めた頃、一九五四年毛沢東はダライ・ラマ法王に、
「我が祖国の他の領土と違ってチベットには特有性があるので、革命的改革を当分押し付けない」
 という約束をして法王を安心させた裏で、着々とチベットへの道路をつくり、多量の工作員を「チベットに奉仕する」という名目で送り込み、彼らがチベットを軍事的支配しやすいような環境を整え、最後にダライ・ラマ法王を捕まえようとした。
 その時チベット国民は決起し、ダライ・ラマ法王はインドに亡命した。一九五九年のことであった。
 もしチベットが一九五〇年代初期に一致団結して戦っていれば、中国の侵略を阻止できたかもしれない。当時の中国はチベットに簡単に入れるような道路もなかったし、兵士を養っていくだけの食料も不足していた。国民党との内戦で兵力も弱まっていた。
 その上毛沢東と人民解放軍の軍部、そして劉少奇との対立が始まっており、内部の団結力をはかる必要があったので、時間稼ぎにチベットへの改革を押し付けない、という姿勢を取っただけで、それは小平の棚上げ論と同質のものだった。
 やむを得ずインドに亡命したダライ・ラマ法王のチベット政府は国連に訴え、国際法と正義に期待した。アイルランドとマラヤ(現在のマレーシア、シンガポール)が提唱者となって国連で三度にわたって中国を批判し、非人道的行為をやめ、即時チベットから軍を撤退することを促す決議が採択された。
 また、ICJ 国際司法委員会(国際法律家委員会ともいう)はチベットにおいて中国軍による計画的組織的大虐殺があったこと、そして中国がチベットに侵略したとき、チベットが事実上の独立国家であったことを認める結論を出した。
 しかし中国は国連の決議を無視し、国際法に基づく正義も無視した。こうしたことからわかるように、中国にとって歴史的正当性、国際法の正当性、そして国連の存在は、自国の利益に合致しない限り、無視するのが当たり前のことである。
 一九四九年中華人民共和国誕生のとき、中国が有効に支配していたのは現在の中華人民共和国の三七%に過ぎない。それ以外の領土はすべて軍事力を背景に獲得し、ある時期においては友好関係にあったロシア、インド、ベトナムなどとも一戦交えているように、中国の本質は領土拡張主義以外の何ものでもない。
 日本はこうした事実から学び国際法と国連に甘い期待を抱くのをやめ、棚上げの畏にも採らず、自国の領土を守る強い姿勢を持って臨むことのみが中国に有効な対策である。
 ※ 『われわれ日本人が尖閣を守る』(高木書房)所収
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公明党・山口那津男代表の「尖閣 棚上げ論」は国益に反する 2013-01-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
 尖閣と山口氏 棚上げ論は国益に反する
産経新聞【主張】2013.1.23 03:13
 22日訪中した公明党の山口那津男代表が、沖縄県・尖閣諸島について香港のテレビや記者団の取材に対し、いわゆる「棚上げ論」に言及した。「容易に解決できないとすれば、将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」との内容だ。
 棚上げ論は、1978年に来日した当時の最高実力者、小平氏が持ち出したもので、「次の世代が良い方法を見つけるだろう」と発言したことで知られる。だが、経済、軍事両面で拡大を続ける中国は、14年後の1992年に、尖閣を自国領とする領海法を制定し、一方的に領有権主張を強め始めた。
 この時点で棚上げ論は、すでに破綻しており、日本側が持ち出すことは領有権を放棄することにつながる。山口氏の発言は国益を損なう極めて不適切な発言であると指摘せざるを得ない。
 尖閣は歴史的にも国際法上も明らかに日本固有の領土である。当然ながら、中国との間に領有権問題は存在しない。
 北京への出発に先立ち、山口氏は「領土問題は存在しない。政府・与党の共通認識だ」と語ったが氏の言動はすでに中国メディアによる宣伝戦に利用されている。
 先に訪中した鳩山由紀夫元首相も、尖閣を日中間の「係争地」などと述べて、中国メディアに大きく取り上げられた。教訓として生かされなかったのは遺憾だ。
 山口氏は今回、安倍晋三首相の親書を携えており、習近平・中国共産党総書記との会談についても調整を進めている。
 フィリピンが領有権を主張する南沙諸島のミスチーフ礁を、米軍のフィリピン撤退後に中国が占領した経緯は、尖閣を守る日本には人ごとですまされない。中国が尖閣の領海・領空侵犯を繰り返す状況下、日本側から棚上げ論を持ち出すことは中国の圧力に屈することを意味する。
 山口氏はまた、中国機の再三にわたる尖閣周辺の領空侵犯に対する航空自衛隊機の緊急発進についても、「不測の事態を招きかねない」との強い懸念を表明した。
 日本として今なすべきは、中国による国論分断をはね返して、結束して尖閣を守ることである。
 安倍首相は11日、「尖閣諸島、領土を守る姿勢に変わりはない」と述べたが、山口氏はこれを否定したとも受け止められる。国家主権をどう考えているのか。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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「尖閣は私たちの空」 “山口発言”で安倍首相が反論
産経新聞2013.1.22 23:54
 安倍晋三首相は22日夜のテレビ朝日番組で、公明党の山口那津男代表が沖縄県・尖閣諸島周辺での日中両国による軍用機飛行の自重を求めたことについて、「尖閣の上空、領空は私たちの空だ。ここに自衛隊機が入る、入らないはわれわれが決める」と反論した。
 中国側の侵入に対しては、「明らかな領空侵犯だから、国際法にのっとって対応していく」と強調。山口氏が中国が主張する尖閣の領有権の「棚上げ」に言及したことに関しては、「山口代表は『棚上げ論』ではないとはっきり述べている」と述べ、問題ないとの認識を示した。
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公明・山口代表の「棚上げ」発言に石破氏が反論、またも与党間に溝
産経新聞2013.1.22 23:52
 自民党の石破茂幹事長は22日の記者会見で、沖縄・尖閣諸島の領有権を中国が主張している問題に関し、公明党の山口那津男代表が「棚上げ」に言及したことについて、「日本政府として一度も棚上げを是認したことはない。尖閣は日本固有の領土であり、棚上げの理由はどこにもない」と反論した。両党は海外の邦人救出に関する自衛隊法改正でも温度差があり、参院選を前に与党間の“溝”が広がりつつある。
 石破氏は山口氏が尖閣周辺での日中両国による軍用機飛行の自重を求めたことにも「わが国固有の領土にわが国の飛行機、軍用機が近づかないことは極めて難しい」と述べ、山口氏の主張を否定した。
 一方、政府側の反応は抑制的だ。菅義偉官房長官は記者会見で、「領土問題は存在しないことが政府・与党の共通認識だと山口氏は明快に表明している」と述べ、問題視しない考えを示した。自民党内に「与党党首の発言としては軽率だ」(中堅)との声がある中、政府としては参院選を前に与党内の混乱を避けたいとの思惑ものぞく。
 しかし、山口氏は棚上げに触れた21日放送の香港フェニックステレビで「日本固有の領土」との表現を使わなかった。中国への配慮とみられるが、同行筋によると中国共産党の習近平総書記との会談は23日も行われないという。
 公明党は海外の紛争に巻き込まれた邦人保護のための自衛隊法改正にも一定の理解は示す。ただ、山口氏は22日、滞在先の中国・北京市内で記者団に対し、海外の邦人救出のための自衛隊法改正について「従来の憲法解釈のもとで政府が責任をもって検討していくことが重要だ」と述べ、海外における武力行使を禁じる憲法の現行解釈を変更しないよう求めた。(酒井充、北京 力武崇樹)
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◇ 竹島問題と領土紛争の解決方法 濱口和久「本気の安保論」 不法占拠しているといえども、何事もなく半世紀から1世紀の間、実効支配すれば自国領土になる 2012-09-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
 竹島問題と領土紛争の解決方法 濱口和久「本気の安保論」
NET IB NEWS 2012年9月12日~13日 日本政策研究センター研究員 濱口和久
<日本人88人が竹島に本籍を置く>
 島根県・竹島に本籍を移した日本人が88人に達していることが明らかになった(読売新聞8月25日付)。
 筆者も「日本政府の外交姿勢は消極的。領土を守るために自分にできることはないか」と考え、2008年(平成16年)3月11日に家族4人で竹島に本籍を移した。
 正式には竹島の本籍地番は、島根県隠岐郡五箇村竹島官有無番地(現在は市町村合併で五箇村から隠岐の島町)となる。詳しくは拙著『だれが日本の領土を守るのか?』(たちばな出版)をご覧いただきたい。
<韓国による過去の蛮行を日本人は知るべき>
 1952年(昭和27年)2月4日に李承晩ライン周辺で操業していた第一大邦丸が拿捕され、漁労長が射殺される事件が起きる。
 その後も、日韓基本条約が署名されるまでの13年間に、李承晩ラインを盾に韓国は日本漁船328隻を拿捕し、3,929人の日本人漁師を抑留する。その過程で44人の日本人漁師が死傷する。
 そして抑留した日本人漁師を人質に取り、日韓国交正常化交渉を有利に運ぶための外交カードとして利用してきた。
 日本政府は日本人抑留者の返還と引き換えに、「常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されている472人の在日韓国・朝鮮人を収容所より放免して在留特別許可を与える」という屈辱的な要求まで韓国政府に呑まされている。
 日本人の多くは、このような事実をほとんど知らない。竹島問題を考えるうえで、韓国の蛮行は記憶に留めておくべきである。
 また最近では2005年、韓国政府は日本人の竹島上陸に備えて「危機対応指針」を策定している。
(1)日本側艦船を確認するや、海洋警察警備艦が緊急出動し、上陸時には身柄拘束する。
(2)大型船や自衛艦が接近すれば、韓国軍による対応に切り替える。
 このような態勢を敷く韓国との間で、真の日韓友好など絶対にあり得ないのだ。
<国際司法裁判所(ICJ)への提訴>
 日本政府は8月21日、李大統領の竹島への不法上陸を受けて、竹島の領有権について国際司法裁判所(ICJ)に付託するよう韓国政府に正式に提案した。しかし、「領土問題は存在しない」という立場から、韓国政府は付託を拒否することを決定した。
 日本政府は過去、1954年(昭和29年)、昭和37年の2度にわたりICJに付託したが、いずれも韓国政府は同意していない。今回、日本政府は、韓国政府が付託を拒否した場合でも、単独で提訴することで、国際社会に竹島問題の存在をアピールする狙いがあるとしている。
<日本がICJで勝てる保障はない>
 今後も韓国政府が付託に同意する可能性は低いと思われるなか、2008年5月、マレーシアとシンガポールが領有権を主張していたペドラ・ブランカ島の帰属問題を巡るICJの判例を紹介しておきたい。
 ペドラ・ブランカ島の領有権は、そもそもマレーシアが主張していた。しかし、シンガポールは130年前から同島のホースバー灯台を管理しており、それに対してマレーシアは何の申し立てもしていなかった。このため暗黙のうちに領有権が移転したと、シンガポールは主張していた。
 ICJは最終的に「1980年までにペドラ・ブランカ島の領有権はシンガポールに移転されていたとみなし、同国に帰属する」とする判断を下した。
 ICJの判断は、誰の目にも明らかな条約に基づかない限り、「発見」や「歴史(文献を含む)」に由来する主権は退けられ、 「長期にわたる」継続的な実効支配や統治、管理の証拠の積み上げが重視されることを意味する。
 不法占拠しているといえども、何事もなく半世紀から1世紀の間、実効支配すれば自国領土になるということをICJが示したのである。
 この判例に従えば、竹島は韓国の領土となり、北方領土はロシアの領土になってしまうことにもなる。
 仮に将来、韓国政府が付託に同意して、ICJが「竹島は日本領土」と認定したとしても、判決に強制力も罰則もないため、韓国が竹島を日本に返還するとは到底思えない。
 昭和40年の日韓基本条約締結の際、竹島の領有権問題は、「外交上の経路を通じて解決を図り、これにより解決できない場合には、両国政府が合意する手続きに従い、調停による解決を図るものとする」と規定され、解決が先送りされた。
 このとき先送りせず、日本政府が竹島の領有を最後まで主張し解決を図っていれば、現在のような韓国による不法占拠が続くような状態にはなっていなかっただろう。
 現在、米国は竹島問題に介入する気は一切ないが、戦後の日韓関係を考えるうえで、竹島問題は米国にも責任の一端がある。ICJよりも米国を第3者機関とする調停役として解決を図ることを、日本政府は真剣に検討するべきである。
 そのためにも民主党政権誕生後の日米関係のギクシャクを早急に解消する必要があることは論を待たない。
(了)
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“理不尽”中国とどう向き合うべきか 南シナ海・中沙諸島スカボロー礁/フィリピン特命大使を直撃 2012-08-02 | 国際/中国
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南沙諸島:中国の基地化進む/ミスチーフ環礁に建造した「軍事拠点」 2012-08-02 | 国際/中国

    

 南沙諸島:中国の基地化進む…フィリピンが写真公開
 毎日新聞 2012年08月02日 09時53分(最終更新 08月02日 10時14分)
【バンコク岩佐淳士】海上に浮かぶコンクリート製の構造物。上には3階建ての建物などが見える。7月中旬にフィリピン海軍が撮影したこの写真は、中国が95年、南シナ海・南沙諸島(英語名スプラトリー諸島)のミスチーフ環礁に建造した「軍事拠点」だ。最近新設されたとみられる風力発電装置やヘリポートらしき施設も確認され、中国が実効支配を進めている様子が分かるという。
 ミスチーフ環礁は、中国やフィリピンなどが領有権を争う南沙諸島のほぼ中央に位置。フィリピン側は自国の排他的経済水域(EEZ)内だと主張するが、中国はこの「拠点」を建設以降、周辺に艦船を常駐させている。
 フィリピン海軍関係者によると、中国は南沙諸島にこのほか数カ所の「軍事拠点」を建設。ミスチーフ環礁のこの建造物は最大で「中国側は基地をどんどん建て増している」という。
 南沙諸島では今年に入り、中国のレーダー施設とみられるドーム型の構造物も確認されている。
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『最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2012-04-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
 Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
 2012年4月26日 (木) 中国の下心は「天皇の処刑」
 尖閣、沖縄に食指をのばした中国は、在日華僑に日本国籍取得を勧めはじめた。細胞増殖に着手した中国の「日本乗っ取り計画」の青写真とは──。
 中国の覇権主義はいまや世界の脅威となっています。最近は、海洋における覇権を確立しょうと、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島の領有を主張して、 関係各国と緊張が高まっています。
 日本も尖閣をはじめとする島嶼、そして沖縄までこうした中国の軍事的脅威にさらされています。今でこそ中国は海洋国家に脱皮すべく海軍力を増強していますが、本来中国は大陸国家であり中央アジアにその矛先を向けていました。私の祖国・チベットを狙ったのは、地政学的に中国が南アジアや南西アジアに進出するために重要な拠点だったことと、 豊富な地下資源と水資源を獲得するためでした。地政学上の重要さや、海底資源・地下資源の豊富さで日本はチベットと酷似しています。
 「始めは処女の如く、後には脱兎の如し」という兵法がありますが、中国のチベット侵攻はまさにそれでした。
 一九五一年、 チベット代表団に偽造した国璽を捺印させて締結した「一七カ条協定」で〈(チベット人の)宗教信仰自由の政策を実行して〈チベットに進駐する人民解放軍は、人民の針一本、糸一本といえども取らない〉と謳いました。しかし中国によって僧侶は虐殺され、僧院は破壊され、人民裁判が行われ、七九年までにチベット人百二十万人が犠牲になりました。
 ひるがえって日本外交は「自分が約束を守れば、相手も守るはずだ」という能天気ぶりです。これも国際法の盲点を突く研究に余念のない中国には、世迷言でしかないでしょう。
 そして今、沖縄です。
 中国のデモでは「琉球を返せ」というスローガンが叫ばれ、「中国は琉球に対する権利がある」という論文も出てきています。学者の論文も中国当局の管理下にあります。ちなみに中国は琉球と呼び、沖縄とは言いません。 たしかに琉球処分で日本になるまで、琉球王国は明・清に朝貢する冊封関係にありました。一部の沖縄県民は、仲井員弘多知事もそうですが、中国大陸にルーツを持つことを誇りとし、中国に親近感を感じているようです。
 中国がこれを見逃すはずはありません。沖縄の県民感情に働きかけて、揺さぶりをかけています。
 沖縄ではすでに中国の総領事館を作って二百万人の観光客を中国から呼び込もうとすることが既定路線になっています。すでに中国は、観光客が沖縄と往来できる三年有効の数次ピザの特権も獲得しています。私が沖縄で会った多くの地方議員や商工会議所など政財界は、これが地元の経済振興になると前向きでした。
 でも、それは甘い。
 わが半生を振り返れば、チベットに生まれ、六歳でインドに亡命、十二歳で来日した後は、師に恵まれ多くの日本人に支えられてきました。そして二〇〇五年、私は日本国籍を取得しました。
 最新刊の『最終目標は天皇の処刑』(飛鳥新社)は、中国によって祖国を奪われた者として、また日本をこよなく愛する者としての視座から著したものです。
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