小沢氏「天皇陛下、内閣判断受け行動」
民主党の小沢一郎幹事長は21日の記者会見で、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の特例会見に関連し「憲法の理念と考え方は、天皇陛下の行動は内閣の助言と承認によって行われなきゃならない。天皇陛下の行動の責任を負うのは内閣だ。内閣が判断し、その意を受け行動されるのは当然のことだ」と述べた。
ただ天皇陛下と外国要人の会見そのものに関しては「憲法で規定している国事行為にはない」との見解を示した。小沢氏は天皇の国事行為は内閣の助言と承認によると定めた憲法7条を持ち出し、天皇の政治利用に懸念を示した羽毛田信吾宮内庁長官を批判していた。
21日のテレビ東京の番組収録でも「一部局の役人が、決まった後で会見まで開いて、悪態をつく。とんでもない話だ。官僚主義の最たるものだ。頭にきた」と重ねて批判した。(日経新聞2009/12/22)
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民主・細野氏、宮内庁長官を批判
民主党の細野豪志組織委員長は20日のテレビ朝日番組で、慣例を破って行われた天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見に懸念を表明した羽毛田信吾宮内庁長官について「中でいろいろ言うのはいいが、外向きに出すのはどうか」と非難した。「政権としてこういうデリケートな問題の扱いに不慣れだったのは事実だ。内閣と宮内庁のあうんの呼吸が今回は通い合わなかった」とも指摘した。(日経新聞2009/12/21)
◆〔特例会見〕象徴天皇を政治利用 × 「宮内庁長官は憲法を理解していない」小沢氏、反論
「宮内庁長官は憲法を理解していない」 小沢氏、「特例会見」問題で反論
J-CASTニュース 12月14日20時22分
さながら「小沢一郎の憲法講座」のようだった。天皇陛下と中国の習近平副主席の「特例会見」について「天皇の政治利用ではないか」という批判が起きていることについて、民主党の小沢一郎幹事長は2009年12月14日の会見で憲法を根拠に反論した。
「日本国憲法をもう一度、読み直しなさい」と記者に言いながら、「天皇陛下の国事行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ。(宮内庁長官の懸念表明は)日本国憲法を理解していない人間の発言としか思えない」と強く批判した。
「内閣方針に反対なら、辞表を提出したのちに言うべき」
天皇陛下と外国要人との会見は、陛下の健康上の理由から1か月前までに申請するという内規がある。しかし習副主席との会見はこの内規に反して認められ、12月15日に実施されることになった。特例措置について、宮内庁の羽毛田信吾長官は「二度とこういうことがあってほしくない」と会見で述べ、天皇陛下の政治利用への懸念を表明。マスコミや野党から批判が起きただけでなく、民主党内からも異論が出ている。
ところがこのような批判に対して、中韓訪問から帰国したばかりの小沢幹事長は、憲法を盾に真っ向から反論した。「1か月ルール」に反していることを指摘した共同通信の記者に向かって、小沢幹事長は
「君は日本国憲法を読んでいるかね? 天皇の行為はなんて書いてある?」
と逆質問。記者が戸惑いながら「国事行為…」と答えると、さらに、
「どんなふうに書いてある、憲法に?」
とたたみかけた。共同の記者は答えられない。小沢幹事長は得意な様子で、
「国事行為は内閣の助言と承認で行われるんだよ」
と「正解」を口にして、宮内庁長官への批判を展開した。
「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ。それが日本国憲法の理念であり、本旨なんだ。だから、なんとかいう宮内庁の役人がどうだこうだ言ったそうだけれども、まったく日本国憲法、民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない。ちょっと私には信じられない」
小沢幹事長が法律や制度の知識を使って記者を「不勉強だ」となじりながら、自らの主張を展開するのは記者会見でおなじみの光景だが、今日はボルテージが特に高い。批判はさらに続いた。
「内閣の一部局の一役人が内閣の決定したことについて、会見して方針をどうだこうだと言うのは、日本国憲法の精神・理念や民主主義を理解していないと同時に、もしどうしても反対なら、辞表を提出したのちに言うべきだ」
「政治利用」批判にも、憲法を根拠に反論
「1か月ルール」に反して特例が認められた点についても、
「宮内庁の役人が作ったからといって、金科玉条で絶対だなんて、そんな馬鹿な話があるか。天皇陛下ご自身に聞いてみたら、『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずそうおっしゃると思うよ」
と述べ、今回の特例措置は間違っていないという見解を示した。
続いて、読売新聞の記者が「政治利用という批判があるが…」とたずねると、
「君も、憲法をもう一度、読み直しなさい」
と再び憲法を持ち出して反論した。
「みんな何をするにしたって、天皇陛下の国事行為は内閣の助言と承認で行うと、憲法にちゃんと書いてあるでしょうが。それを政治利用だといったら、なんにも天皇陛下はできない。内閣に助言も承認も求めないで、天皇陛下が個人で勝手にやるの? そうじゃないでしょ?」
そう強弁したが、記者もなんとか食い下がる。今回の特例措置を、小沢幹事長が平野博文官房長官に要請したと報道されている点について「事実なのか」と質問すると、
「私が、習近平副主席を天皇陛下とお会いさせるべきだとか、させるべきでないということを言ったような事実はありません」
ときっぱり否定した。