「神戸連続児童殺傷事件」被害者父 無差別殺人(誰でもいいから殺したかった)に対する思い 2018/6/29

2018-06-30 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

神戸連続児童殺傷事件の被害者父 昨今の凶悪事件に対する思い 黙って殺されろというのか… 酒鬼薔薇事件被害者父の叫び
 2018年6月29日 16時0分 NEWSポストセブン
 6月9日に新幹線の車両内で起きた殺傷事件。唐突に発生する無差別の犯行に対して、一般市民がいかに脆弱であるかを改めて突きつけるものだった。
 振り返れば、突然の凶行は過去に幾度となく繰り返されてきた。1997年の神戸連続児童殺傷事件、2001年の附属池田小事件、2008年の秋葉原通り魔事件、2016年の相模原障害者施設殺傷事件…。
 何の罪もない人々が犠牲になり、そのたびに悲劇を繰り返さないための提言が新聞やワイドショーを賑わす。
「地域社会全体で子供たちを見守る体制を」
「被害者と遺族に手厚いサポートを」
「前科者に偏見を持たず、社会が受け入れてサポートする体制を」
 こうした聞き心地のよい言葉の裏で、今日もどこかでまた、凶悪犯罪が繰り返されている。
「もうそろそろ、私たちは新たな一歩を進めるべきではないでしょうか」
 そう語るのは、神戸連続児童殺傷事件で酒鬼薔薇聖斗こと少年Aに襲われた堀口めぐみさん(仮名 当時10才)の父親・堀口孝史さん(仮名 58才)だ。
 1997年3月16日、友達との待ち合わせ場所に向かう途中だった小学3年生のめぐみさんは、前方から歩いてきた少年Aにすれ違いざまにナイフで腹部を刺された。
 傷は深さ8cmに達し、胃を貫いて背中の大動脈の3分の2が切断された。刃先が数mmずれていたら命は助からなかった。
 小さな体に流れる血液量の半分を輸血し、2週間後にようやく退院したが、傷口はケロイド状となり、その後も激しい痛みに襲われた。
 事件から21年。娘の地獄のような苦しみを間近で見てきた孝史さんが、昨今の凶悪事件に対する思いを口にする。
少年Aの事件以来、“誰でもいいから殺したかった”という無差別殺人が頻繁に起きています。こうした事件が起こるたびに、被害者や親族に対し、他人事とは思えない痛みを感じます
 事件は被害者の心身に癒されることのない傷を与える。現在は看護師として勤務するめぐみさんは2015年9月、本誌・女性セブンに自身のトラウマについてこう語っている。
「目の前から若い男性がやってくると恐怖心に襲われ、身が竦(すく)んでしまうんです。殺人シーンがあるテレビドラマも見ることができなかった。ナイフを使うシーンは、今でも見られません」
 めぐみさんは現在も凶悪事件が起きるたびに身も凍るような恐怖に襲われるという。
 警察庁の統計によれば、日本の犯罪の平均再犯率は40%超。凶悪事件が起きた後、犯人に対して「罪の意識の芽生え」や「更生」を期待する声は多いが、現実はそれほど甘くない。
 街に危険な人物が野放しにされ、凄惨な犯罪が繰り返される現状に、孝史さんは大きな無力感を抱く。
「異常者が街にいたとしても、誰もそれを見分ける方法を持っておらず、本当にどうしようもない。少しでも挙動不審な人物には気をつけようとか、そのような人物には近づかないようにしても、自ずと限界があります。周囲のすべてが加害者のように思わざるを得ません」
 理不尽な殺意に対し、一般人が為す術がない現状について、孝史さんは被害者の家族としてこう提言する。
「人権問題もありますから、前科者の情報を国民全体に開示するのは難しいかもしれません。でも、せめて警察や行政は危険人物の行動を常に監視できる体制にあってほしい。再犯に次ぐ再犯をするような、遵法精神を欠いた人間に対しては、やはり地域住人でも情報共有できるよう法律を整える必要があると思います。
 そうした具体的対策なしに、理想論だけを述べられても、もう立ち行かない時代に来ていると思うのです。私の娘のように、“誰でもいいから人を殺してみたい”という殺意を向けられた時、黙って殺されろというのでしょうか…。
 池田小の事件のように、今では学校の中でさえ安全とはいえません。校内に防具を設置するなどの対策も必要だと思います」
 凶悪犯罪に詳しいジャーナリストの大谷昭宏さんも、孝史さんの言葉に同意する。
「子供に対する性犯罪者に関しては、再犯率の高さも指摘されており、出所後の犯人にGPS(全地球測位システム)を取り付ける議論を進めるべきです。諸外国ではすでに適用している国もあり、米国のテキサス州では、『このまま刑務所にいるか、釈放する代わりにGPSを付けるか、自分の車に“性犯罪者です”との貼り紙をするか』などのさまざまな選択肢から選ばせている。もちろん犯罪者の人権は大切ですが、無辜の子供たちの人権と凶悪犯の人権を同等に考える必要はありません」
 大谷さんの指摘通り、米国や英国、フランスなどは特定の犯罪者にGPSの取り付けを義務付けている。
 なかでも特徴的なのは韓国だ。複数の性犯罪前科がある出所者にGPS機能のついた足輪を装着させ、居住地から半径2kmの監視範囲の外に出たり、指定された制限区域に立ち入ると保護観察所に報告される監視制度が2008年にスタートした。
 現在は未成年者誘拐や殺人、強盗などの前科にまで適用範囲を拡大し、足輪を装着する期間も当初の最長5年から30年まで延長された。特筆すべきは再犯率の変化で、制度施行前14.1%だった再犯率は、施行後1.7%まで激減した。
 世界各国で性犯罪から誘拐、殺人、強盗まで幅広く成果が出ているGPSだが、日本では「犯罪者の人権」を主な理由として議論が進まない。
 2012年に大阪府が18才未満の子供への性犯罪前科者には住所の届け出を義務付けたが、以降、全国には広がっていないのが現実だ。
 ※女性セブン2018年7月12日号

 ◎上記事は[livedoor NEWS]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖
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〈来栖の独白〉この世は、過ちを犯した者の「更生」を許さない。 『心にナイフをしのばせて』 

  

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◇ 新幹線殺人犯 小島一朗 実父語る「息子を棄てた理由」 『週刊文春』2018/6月21日号

   

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『「少年A」 この子を生んで・・・』神戸連続児童殺傷事件・酒鬼薔薇聖斗の父母著 文藝春秋刊1999年4月

   

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大阪教育大付属池田小学校児童殺傷事件 宅間守 『殺人者はいかに誕生したか』長谷川博一著

     
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「秋葉原通り魔事件」そして犯人(加藤智大被告)の弟は自殺した 『週刊現代』2014年4月26日号 齋藤剛記者
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