はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

経緯。

2011年08月22日 18時15分52秒 | 出張中の日常シリーズ
石川県から富山県へ入り
昨晩は富山に泊まり
例のドー○ーインでのんびりして
本日富山市内から黒部市までグルグル回って
只今、新潟へと向かっている。

富山は何もかんも、店が閉まるの早いような気がする。
夜、どこかしこもきっちり閉まるから
ただでさえ寂しい感じの駅周辺や商店街周辺は
僕らたまに来る者からしたら
もっともっと寂しく感じてしまう。

名古屋の土日も
それと匹敵するくらい閉まるの早くて寂しいが
こちらは年中らしい。

それに水曜日はあちこち完全休業で
水曜の、それも遅めの夕方は
悲しくなるくらい寂しかったりする。
2度程水曜日に富山に泊まって唖然としたのを覚えている。
真っ赤な夕焼けが黒く塗り替えられ
夜の戸張が下りたら街から人が消えた。
極端に言うなれば“な~んも無くなる”イメージだ。

お取引先さんから聞いた話では
富山はそこらへんきっちりしていて
夕方早目の時間にスパン!と閉まるらしい。
そんでたんす預金額日本1ってなくらいケチなんだとのこと。
石川の方も、そして当の富山の方でもそうおっしゃる所をみると
それは当たらずとも遠からず
あながち間違いではないのかもしれない。

たんす預金は分からんし
富山のお取引先さん皆別段ケチじゃないから
そこらへんも僕にはあんまし分からんのだが
店が閉まるのが早いってのはよく分かる。
探せばあるだろうし
地元の方々からしたら
例え早くとも暮らしてる方からしたらなんも問題なんて無ぇ!てな感じだろう。
その通りである。
その土地土地の生活観やリズムがある。
僕が夜でもちゃんと開いている店を知らないだけだ。

とかなんとか言って
じゃあ今まで夕飯はどうしていたのかっちゅうと
もっぱら100パー富山の夜は
ホテルの目の前のセブン○レブンだ。
僕はコンビニん中でグンを抜いてセブンが好きである。
だから別にそれでも全く構やしない。

ここ富山のセブンには
以前から気になる店員さんがいた。
多分中国の方だろう、ネームプレートにも中国名が書かれ
接客は片言の女性である。
何が気になるって
この店員さんの働きっぷりがである。
手際、動き、接客、気配り
何をとってもこちら客からしたら大満足の仕事っぷりなのだ。

どんな経緯で日本に来て
何故に富山のセブンで働いているかは
全く知る術も無い事だが
この中国人の店員さん
実に凄い。

とにかくよく働く。
見る限り1人で2.5人分は働いているように思える。
“出来る”の最上級クラスだ。
富山へ来てセブンで買い物する度に
その店員さんを見てスゲーな~と思っていたものだ。

今回も彼女はセブンにいた。
彼女はレジにいた。
しかし実際レジを打っていたのは
年齢50過ぎくらいのおじさんだ。
おじさんは震える手でバーコードをかざし
ピッ「ひゃ、105円が1点!
に、に、252円が1点!」ピッ
と叫んでいた。
その叫びや動きを、中国人店員さんが斬る。
「違ウ!オソイ!サッキ教エタハズ!」
「すみません!」
「謝ラナイ!手ヲ止メナイ!」
「すみません!525円が1点!
あれ、バーコードが!ピッてならない!」
ピッ「あ、なった!1点!」
「温メ聞イタカ?」
「あ!」
「アナタ全然ダメ!」
「す、すみません!」
新人指導をしているようだ。

どんな経緯で
こんな年齢のおじさんがコンビニバイトの新人で入って来たかは知れない。
普通ならモウレツに切ない状況である。
しかし、彼女、中国人店員さんのかなり割り切った指導っぷりが
おっさんに漂う切なさを打ち消していた。
気持ちいいくらい、容赦なく厳しいテキパキとした見事な指導なのである。
仕事に徹底した理想的なカタチだ。

何かでおっさんが意見をしている。
言った言わない、やったやらないで抵抗している。
何を言われたのか
ちょっとムッとしている。
中国人さんその件に関しておっさんとやり合う事無く
迷わず淡々と店長を呼んだ。
店長に問う。
おっさんの間違いと無駄な抵抗が明らかになる。
おっさん、謝る。
凄い展開だ。

このおっさん
本当入りたてなのだろう
本人の内で踏ん切りがつかず
何か必死にもがいている感じだ。

レジ僕の番だ。
「いらっしゃいませこんにちは!」
おっさんは心苦しいくらい叫んでいる。
おっさんまた温めを聞き忘れた。
ハシの本数も聞き忘れ。
そのたびに中国人さんから「全然ダメ!」と指導を受ける。
ダメ出しするたび直ぐ仕事フォローをする中国人さん。
フォローして、指示を出す。
指導しつつもお客に嫌な思いはさせない。

おっさんが中国人さんに聞く
「このスナック菓子
わ、私打ちましたっけ」
「知ラナイヨ!」
すかさずお叱り、そんで見捨てる素振りでフォロー。
そんな光景に見とれる僕に中国人さんは言う。
「イマ、夜ノ割引キャンペーンヤテオリマス。
クーポン使タラ、コチラトコチラ、安クナリマス。
私クーポン切リマスカラ
是非使テ、値引シテオキマスネ」
中国人さんには損にも得にもならんのに
僕のためにクーポンを切り離して会計で使って値引いてくれた。
凄い、凄い気配りである。

お会計を済ませた。
相変わらずおっさんは叱られていた。
中国人さんが時計を見る。
おっさんに
「ドウ?疲レタ?
時間デス。
ユックリ休憩ドウゾ」
中国人さんはおっさんにむけて
ニッコリと最高に優しい笑顔で微笑んだ。
おっさん叫ぶ。
「すみません!」

僕は
セブンからホテルへ戻った。

人に仕事を教え
育てるということの
そのカタチのありかたと
やり方の重要性っちゅう事を
考えさせられた。

業種や人によって育て方も様々であって良い。
優しく丁寧に、厳しく押し付けて。
様々でよいが
結局は受け手次第である。
そこを教える側が
どこまで必要に割り切れるか
それが新人の為になってゆくのかもしれない。
いい現場を見た気がした。

めけめけ~。

写真。富山より。