月の満ち欠け

あたしは、月のように死んで、生まれ変わる
この七歳の娘が
いまは亡き我が子？
いまは亡き妻？
いまは亡き恋人？
そうでないなら
はたしてこの子は何者なのか
三人の男と一人の女の
三十余年におよぶ人生
その過ぎし日々が交錯し
幾重にも織り込まれてゆく
この数奇なる愛の軌跡

12月2日（金）から
全国ロードショー公開される
月の満ち欠け
読んでみた

原作は
第157回直木賞受賞作
佐藤正午

死んであの世に還った霊魂が
この世に
何度も生まれ変わってくる
所謂
輪廻転生に
発想をおいている作品です
この考え方は
仏教をはじめ
ヒンドゥー教などの
宗教の思想だけではく
東洋思想やインド哲学にもみられる
考え方ですよね
但し
前世の記憶だけでなく
前々々世の記憶を持ったまま
しかも
会いたいと思う
人の近くに…
と言うのは
考えたなぁ～
タイトルの
『月の満ち欠け』
と言うのも
良き

ただ
今回
転生するのは
瑠璃と言う
女性なのですが
数十年のスパンで
何度も
生まれ変わっています
ちと早過ぎやしませんか？
正木瑠璃が小山内瑠璃と小沼希美を経て
三角哲彦と再会した時
三角は53歳
縁坂ゆいは8歳

再開しても
このあと
どうするの？
社会的に
問題あるよね
となってしまいます
なので
出会ったシーンで
話が終わるしかない

むしろ
長期的スパンで
互いに
転生して
同時代＆同世代として
生まれ変わり出会って
ハッピーエンド
が望ましい
が
そうなると
作家の意図する話では
なくなるんですよ

小山内さん！いいこと教えてあげようか
生まれ変わりは
あたしだけどはかぎらないよ
生まれ変わってもアキヒコくんと会いたい
そう念じて
あたしがこうなったのなら
愛の深さが条件なら
ほかにも生まれ変わる資格のある人はたくさんいるよ
小山内さんの奥さんだって
愛の深さではぜんぜん負けてないし
有資格者のひとりだよ 　…　『午後一時』366頁16行目以降
からの～
　　　　　　
堅（つよし）さん、そう呼ぶ子がいたら本物かもよ　…　『午後一時』369頁1行目以降

自分を❛つよしさん❜と呼ぶ人物
荒谷みずき＝小山内梢！？

八戸に戻る小山内の中で
明らかに
変化が見受けられます
瑠璃が
輪廻転生を繰り返し
三角哲彦を求め思い続ける
三角も転生を信じ
信じ待ち続ける
哲彦と瑠璃の
愛の物語ではあるけれど
これは
あくまでも伏線で
実は
小山内堅と梢の
再開の序章に
過ぎなくて
これからの
小山内堅に
思いをはせ
想像してみて
って言うことなのかも？
とふと
思ってみた

と同時に
あくまでも
互いが
相思相愛だからこそ
成り立つ展開であって
転生するのが
女性だから
受け入れやすい？
これが
男性だったら？
あんまり
想像したくない
そして
現実
死んでもまた
この人と！
と思う人（しかもお互い）は
どれほどいるのだろう


最後に
なぜ
三角哲彦は
縁坂母娘と小山内との
待ち合わせの場所に
現れなかったんでしょう

映画
明日から公開されます
興味はあれど
絶対
泣くから
DVDでたら
家で見る