時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

祝祭と予感

2022-06-10 | 読書
「祝祭と掃苔」
芳ヶ江国際ピアノコンクール
入賞者による
ツアーのはざま
栄伝亜夜と
マサル・カルロス・レヴィ・アナトールと
なぜか
風間塵が
二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする

「獅子と芍薬」
マサルの師匠であり
芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員
ナサニエル・シルヴァーバーグによる
同じく審査員
嵯峨三枝子との回想

「袈裟と鞦韆(ブランコ)」
菱沼忠明が
課題曲『春と修羅』を作曲するきっかけとなった
忘れ得ぬ教え子
小山内健次への追憶

「竪琴と葦笛」
ジュリアード音楽院
プレ・カレッジオーディションでの
マサルと
ナサニエルとの出会い
ピアノ科目玉教授
アンドレイ・ミハルコフスキーの
『才能コレクター』枠から
いかにして抜け出し
シルヴァーバーグの指導を受けるに至ったか
マサルの策略が明らかに…

「鈴蘭と階段」
亜夜が通う音楽大学の
学長の娘にして
同大学でヴァイリオンを学ぶ2年先輩の
浜崎奏が
ヴィオラ転向に伴い
唯一無二の
ヴィオラと出会うまでを描く

「伝説と予感」
音楽界に対して爆弾を仕掛けた
芳ヶ江国際ピアノコンクールに
塵を推薦した
故ユウジ・フォン=ホフマンと
幼い塵の運命的な出会いを描いている

「響きと灯り」
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最終ページから読む特別オマケ音楽エッセイ集



芳ヶ江国際ピアノコンクールに登場した
キャラクターの
アナザーストーリーです
高島明石が
登場するお話がなかったのが
残念
全編
素敵でしたけど

「鈴蘭と階段」と「伝説と予感」
好きです

「鈴蘭と階段」
プラハにいる
亜夜と塵が
コンクールで
亜夜の付き添いを務めた
奏にぴったりの
ヴィオラを見つけだすのですが
天才ピアニスト二人の
❛眼❜ならぬ❛耳❜に叶ったヴィオラと
奏の出会いは
奇跡?必然?
このヴィオラは
奏の進むべき方向(=プロの音楽家)を
決定づけると共に
奏が
音楽家としての人生を歩む上で
最強の
相棒となったのだと
感じさせるお話でした

「伝説と予感」
ユウジ・フォン=ホフマンが
塵と出会った
奇跡的な瞬間が
何ともまぁ~
感動しました
「蜜蜂と遠雷」を読んで
塵の活躍と
ホフマンの死を
知っているから
尚更
感動 感動 感動

ここに登場した
若き音楽家の卵たちの
この先の展開(未来)
描かれることはないけれど(多分)
❛光❜だけじゃない
❛闇❜もあるでしょう
それでも
音楽の世界を
自分を信じ
力強く
歩んで欲しい
歩いて行ってくれと
エールを
送りたくなりました