時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

イノセントブルー 記憶の旅人 記憶の旅人 10

2015-02-14 | 読書
ペンションを経営する森川は
海岸で倒れていた美青年を助ける
才谷梅太郎と名乗る彼は
「前世の記憶」を
見せることができるのだと言う
彼の訪れをきっかけに
ペンションに
心に悲しみを抱えた人々が
集まってくる

彼らの
前世の記憶と現世での
縁が絡み合って起こる
やがて
優しい癒しと
明日への希望につながってゆく
静かな再生の物語



輪廻転生

肉体は滅びても
その魂は
滅することなく
何度も生まれ変わる

因果応報

前世の記憶が見えたとして
あなたは
前世の人生を
繰り返しますか?
それとも
別の
道を選びますか

その前に

そもそも
違う選択肢など
あるのでしょうか…

と言うか
生まれ変わってもなお
前世の因果を
背負わなければ
いけないモノなのでしょうか

前世に
何らかのつながりを持ったいたらしい
現世に生きる人々が
とある町の
海辺に佇む
ペンションに
次々と登場~

魂が
新しい肉体に宿った時
人は
前世を出来ないんです
しかし
記憶が消えてしまったわけではありません
あなたの
能の奥底に眠っているだけなんです
あなたの前世の記憶の中に
私の探している人の手掛かりがあるかもしれません


人の前世を見ることが出来る
才谷梅太郎は
そう言って
出会った人たちの前世を
本人に見せることにより
新たな方向性
生きる力を蘇らせる
そして
彼らの記憶を共有することで
才谷自身も
己の
前世にやり残したこと
繋がりのある人を
探し続ける

何度
魂が生まれ変わろうとも
人は
同じ因果を背負い
生きるしかないのか
己の前世を知る事で
過去(前世)との因果と決別し
現世を
行き直せるのか
再生の道を
新たな人生を
歩むことが
できるのだろうか
その答えは
ありません

どちらにしても
真の救済を
得ることはないのです
ですが
ほのかな光
希望と言う光がある事を
未来を信じるσ(^_^;)が
そこにいました

ラストで
才谷梅太郎と言う名前が
坂本龍馬の変名であると
語られます
才谷(坂本)は
成すべきことを
成せないまま
放浪の旅を
相棒犬・ミラノと
続けていくようです
フィクションなのは
重々承知しておりますが
彼の魂が
いつの日か
己の因果と対峙し
答えを出せる日が来ることを
切に願うσ(^_^;)です