時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙48 ~白鶴ノ紅~5

2015-01-12 | 読書
月日は流れ
前作「失意ノ方」の下りから
2年の歳月が
経過しております

城中では
十代家治の御不例が囁かれ
水面下で
徳川家斉の
徳川第11代将軍就位への
準備が進められる中
雨上がりの小梅村には
嫡男空也に稽古をつける
坂崎磐音の姿があった

その日の夕暮れ
尚武館の住み込み門弟
御家人田丸輝左衛門三男・田丸輝信が
突如行方をくらました
翌日
内藤新宿に姿を現した輝信は
食売旅篭の店先に立っていた

一方
八月朔日
金龍山浅草寺の門前に
新たな紅屋が店開き…



2年の歳月が流れ
‘痩せ軍鶏’と呼ばれた
松平辰平は
博多の大豪商
箱崎屋次郎平の末娘
お杏と祝言を挙げ
筑前福岡藩へ仕官を果たし
福岡藩江戸藩邸のお長屋へ
目下
国元へ帰郷中
‘でぶ軍鶏’こと
重富利次郎は
元雑賀衆のくノ一・霧子と
これまた祝言を挙げ
豊後関前藩へ仕官
こちらも
関前藩の江戸藩邸のお長屋へ
霧子と共に
引っ越しました
小梅村を去る者あれは
来る者あり
奏者番速水左近の次男・左近
御家人次男・恒柿智之助
両名が
辰平と利次郎が暮らしていた
小梅村の長屋に入りました

そんな中
辰平や利次郎と
ほぼ同時期に
神田・神保小路の直心影流
尚武館道場に入門した輝信に
迷いが生じたようです
確かに
辰平&利次郎は
江戸を離れ
修行を重ね
紀伊姨捨の郷へも参りましたしね~
引け目と申しますか
己の未来に
不安を抱いてしまったようです
がぁ~
戻るべき場所を
そして
恐らく
多分
十中八苦
伴侶と出会いました
さて
そのお相手とは…

一方
奈緒とその子供たちは
坂崎ファミリーと
なりにけり
奈緒は
磐音の妹的立ち位置に
落ち着きました
そして
本人の才覚・努力と
多くの
半端ない
地位ち実力を兼ね備えた
後見人達バックアップ
支援の元
金龍山浅草寺の門前に
最上紅前田屋を
新規開店することになりました

竹村武左衛門の
子供たちも
大きくなりました
長女・早苗は
坂崎おこんの元で
奉公しながら…
お相手も
多分見つかりました
果てさて
そのお相手とは…
長男・修太郎は
研ぎ師になるため
目下
鵜飼百助に弟子入継続中
そして
今回
次女・秋世は
最上紅前田屋の
店開きを手伝ったことがきっかけで
紅染めや紅に興味を持ち
正式に奉公することになりました
あとは
次男・市造は
これまた
最上紅前田屋で働く
姉・秋世を訪ねた事がきっかけで
紅染めに興味を持ち
紅染め職人を目指し
本所篠之助の元で奉公を始めました
それぞれに
己の道を見つけ
しかも
父親を長年見てきた成果か

地に足をつけた
生き方を選びました
武左衛門
まさに反面教師!

おそめも
修業先の京都から
ようやく戻り
ゆくゆくは
奈緒の紅染めに
縫箔を施し
あたらなコラボ商品を
世に出しそうです

幸吉と
所帯もつ気がする

そして
遂に徳川十代将軍
徳川家治が
遂に
遂に身罷りました
城内では
水面下で
熾烈な覇権争いが
繰り広げられておりましたが
それが
いよいよ表面化?
後ろ盾を失った
意次が
手負いの獅子となり
11代将軍と目される
家斉の暗殺を企てるのか!?

八代将軍
徳川吉宗の孫であり
現陸奥白河藩藩主
松平定信から
徳川家斉の
剣術指南役に就いて欲しいと
話が持ち込まれるも
今は
その時期ではない
まずは
家治公の薨去(こうきょ)を公表し
西の丸におわす家斉を
11代将軍に就けるが成すべき事と
きっぱり
剣術指南役を辞退しました

全50巻で
完結となるらしい
このシリーズ
いよいよ
残るは2巻!
年内で
幕を閉じます
一体
どうまとめるおつもりなのでしょう

空也は
剣術家として
坂崎道場を継ぐだろうね~
睦月は
今津屋の長男・一太郎?の元へ
嫁ぐとか?
と言うより
磐音と意次との
結末は?
磐音とおこんの
晩年とか
語られるのかなぁ~

日向ぼっこをして居眠りしている年寄り猫のようなので…
表現に習い
縁側で眠るように
生涯を全うした
みたいなラストは
読みたくないなぁ~
皆が幸せに
元気溌剌
笑って終わるラストがいい!