時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ちょんまげぷりん2 120

2010-11-22 | 読書
木島安兵衛が
江戸に帰って早8年
遊佐友也は
14歳になっております

すくすく成長していると思いきや
剣道部は退部するわ
塾はサボるわ
コンビニエンス・ストアで万引きするわ…
昔の面影は何処へやら

万引き現場から逃走したさい
財布を落とすと言う
大失態…
家にも帰れず
深夜
スーパー「とみや」の前を
トボトボ歩いていると
巨大な水たまり状の穴の中に遭遇!

気づいたら
180前の江戸時代に
タイム・スリップしてしまいました

180年前と言えば
ちょうど
安兵衛が菓子屋を営んでいるはず…

ひとまず
安兵衛の元に身を寄せるのがベストと考え
一路
江戸時代の‘麻布’へ向かった友也でしたが

菓子屋「時翔庵」は閉店
ぶっちゃけつぶれていて
肝心の
安兵衛は行方知れず…

失意の底にいる友也だったが
勝麟太郎と名乗る少年に助けられ
市川海老蔵に弟子入りし
女方として
一躍
有名人…

ですが
有頂天になった友也が
このまま
平穏無事に暮らせるハズもなく…


純粋無垢な
あの友也が…
万引き!?

安兵衛さんは
生真面目な性格からして
江戸に戻り
順風満帆な暮らしをしていることだろう
と思っていたら
あろうことか
‘振り込め詐欺’!?
牢屋に押し込められ
目を覆いたくなるような
拷問の数々を受けているとは…

ですが
苦難を乗り越え
再び
第11代将軍・徳川家斉の前で
安兵衛&友也の師弟コンビ復活!

エンジン全開!
「時翔庵」の元祖‘至極の阜凛’が
遂に
完成するのでありました

徳川家斉と言えば…
映画『雷桜』遊~斉道~
佐伯泰英『居眠り磐音 江戸双紙』坂崎磐音~おこんさ~ん

失礼

時の時空を越え
女性の社会進出
牢屋でみた‘世の中すべて袖の下’的発想
偏見
権力vs世論・マスコミ
現代にも通ずるエピソードが
何気なく
でも
結構真面目に語られておりました

自分の意思とは関係なく
時を超え
異世界を受け入れ生きていくことの大変さ
辛いことから逃げてしまう心の弱さ
己を信じ仲間を信じる力
共に
力を合わせ
困難に立ち向かう勇気

180年と言う
時空から再び21世紀に戻った友也は
一回り二回りも成長したようです

友也自らが経験した
タイムトンネル出現のパターン解説も
納得です!

願わくば
‘からくり義衛門’こと田中久重が
東芝創始者だとは気づかなくとも
勝麟太郎が
後の‘勝海舟’ってことくらい
分っててよぉ~


時代が変わろうとも
人がやってる事や
考えてる事の本質って
さほど成長してないのかな~

個人的には
老いた木島安兵衛や
大きくなった遊佐友也
見たくないので
映画化はしないで欲しい!