時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

ジーン・ワルツ 116

2010-11-04 | 読書
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵
人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ
人工授精の
エキスパートである彼女のもとに
それぞれの事情を抱える5人の女が集まった
神の領域を脅かす生殖医療と
人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう
『チーム・バチスタの栄光』を越える
ドラマティックな衝撃があなたを襲う!


海堂尊…やるじゃん

久しぶりに
産婦人科系の教科書引っ張り出して
読み直してしまいました

単に
生命誕生の根底を揺るがす
小説としてだけじゃない!
きちんと
社会に対する医療現場からのメッツセージ性
そして
問題提起をしている

リアルタイムで起きている
いや
進行している
小児科&産婦人科の問題
生みたくても
安心して出産できる産科がない!
深夜対応の小児科がない!

医療現場で働く
医師や看護師に対する
クレイマーも
大勢いるだろう
非常識な患者も多々いると同時に
本当に
医療の場に救いを求めている人たちもいる
その危ういバランスの狭間に
今の医療が置かれている

その危機感を
十分感じ取る事が出来ました

先進医療が進歩し
再生医療も目覚しい進歩を遂げている
人類は
確実に‘神の領域’にその一歩を踏み入れている
その進歩に
法律がついて行ってない!
‘倫理’と言うテリトリーに縛られる

自ら作り上げた
‘司法の壁’と‘医療の未来’
人類は
この先どういう道を選択するのだろう…

曾根崎理恵の選択が
正しかったのか
そうでなかったのか
それはまだ判らない

彼女自身
己の行動が
ほんのささやかな礎として
いや
礎としてすら
残らないかも知れないと
認識している
それでもなお
行動せずにはいられなかった…

ん~
読み応えありました

来年
菅野美穂さん主演で
映画が公開されるようです
はてさて
どう映像化するのやら…