時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

地球が静止する日

2008-12-13 | 映画
10日から公開されました『地球が静止する日』
原題『The Day the Earth Stood Still』
昨日の12日に
早速見てまいりました

いつの間にやら
平日でも
午前中に映画館行けば
6ユーロで見れるようになってました



地球外生物を研究するヘレン・ベンソンは
突然政府からの招集を受ける

他の科学者たちと共に向かったのは
アメリカの首都ワシントンDC

そこで目にしたものは
地球圏外から飛来した光を放つ
巨大な球体だった



球体から現れた生命体と
接触を試みるヘレンだったが
警備兵の発砲により生命体は瀕死の重傷を負う


突如
球体から巨大なロボット(ゴート)が現れると
周囲の武装車や武器は
その動きを止めた
まるでゴートに従うように

そしてゴートの破壊行為を静止するのは…



隔離された生命体は
ゼリー状の異物と化し
その中から
人間の形をした物体が現れた…

このあたりの描写は
マトリックスを彷彿させる

 

彼の名はクラートゥ
ボディーは人間だが
自分は宇宙人であると言う

地球が瀕死の状態であることを憂いた
‘Princess’の使者として
メッセージを伝えに来たと言う

我々の地球をどうするつもりなの?
君たちの地球?
それは違う…



地球が滅亡すれば
人類も滅亡する
しかし
人類が滅亡すれば
地球は生残れる




政府や科学者たちが
クラートゥの存在と
その真意を解き明かそうと奔走する中

心理測定器や
通信システムに容易く侵入し
隔離施設から姿をくらますあたりも
マトリックスっぽい(笑)

クラートゥと行動を共にする事となった
ヘレンと幼い義理のジェイコブは
クラートゥのミッションに巻き込まれていく



暫し活動を停止していた
ゴートの人類淘汰が始まった

人類の築きあげた建造物が
最新テクノロジーが
そして人そのものが
瞬時に消滅していく

‘Princess’の下したジャッジを
もう誰にも
止めることは出来ないのか…


ここで言う‘Princess’とは
‘自然界とか宇宙の意識’
みたいなモノのようです

 
                            『アキラ』?

地球のテクノロジーを
遥かに超えた存在
いや
テクノロジーだけではない
人間で言うところの
高尚な精神構造を備えた
神のごとき存在の登場

無限に広がる宇宙という空間で
共存していると思われる未知の生命体にとって

地球と言う惑星に生きる人類は
制裁を受けねばならぬ程
宇宙の秩序を脅かす未熟で
愚かな存在なのか…



ヘレンとクラートゥとの間で幾度となく
繰り返される問答

この地球は私達のもの!
それは違う
私達人類は変われる!
無理だ!

性格がネガティブな拙者としては
映画見ながら
無理だよ…ヘレン
人類は変われないと思うよ
と何度復唱したことか(笑)

                

地球を破壊しているのは
他でもない
人間だと
常日頃から思っている身としては
宇宙から審判として
潔く滅びたほうが良いような気さえしており

世界中に出現した球体が
だんだんコンパクトな地球に見えてきて

ついでに
その球体に集まる動物達を見ていると
球体が
‘ノアの箱舟’に見えてきて
遂には
クラートゥがモーゼに思えてきた~



人類が滅亡すれば
地球は生残れる

あながち
間違ってないと
思っちゃうところが
恐ろしく悲しい

クラートゥは
ボディーが人間と言うだけで
感情や思考回路は異星人
でも
ヘレンやジェイコブ
バーンハート博士たちと接していくうちに
クラートゥに人としての感情が芽生えてくる



そして
最後にクラートゥの取った行動が☆▲※$◎×です

クラートゥは
人類に引導を渡す使者なのか
はたまた人類の救世主なのか

最期の審判は果たして…



キアヌ・リーブス演じる
クラートゥの無機質な雰囲気が
次第に変化していく様がいい

派手なアクションも演技もないけれど
見せてくれてる

見終わった直後は
何かが物足りないような
疑問符が残るんだけど
時間が経つごとに
ジワジワと
緊迫感が
焦燥感が
沸いてくる

地球が静止した日

それは
時計の秒針すら
その動きを止めた瞬間であり

それは
新たなる人類の歩み
紀元0年のスタート


        

実は奥深いのだ
単なるSF娯楽映画と侮るなかれ

拙者
ある意味
神聖かつ啓示的な作品
とみた!

このままだと
本当に人類は
宇宙から制裁受けそうだ…

12月19日(土)日本全国ロードショー公開