関東近県の
青空が突き抜ける
それでいて
ちょっとたそがれた中都市
イマドキの女子高生‘ワラ’こと笑美子(石原さとみ)は
一見普通に学園生活を送りながらも
心の底に闇を抱えている
ふと出来心で
病院の屋上のフェンスを乗り越えた時
妙な関西弁を操る
入院患者の少年‘ディノ’こと井出埜辰耶(柳楽優弥)に出会う
手首の切り傷を
「料理している時に失敗して切っただけ」と言い張る
ワラの心の闇を直感的に見抜いたディノは
ワラの乗り越えたフェンスに
ワラの手首に巻かれていた包帯を結び付ける
それは
青空になびく白い旗のよう
そうしたら気持ちがなぜか
スゥーッと楽になったワラ
包帯って
心にも効くの!?
それが「包帯クラブ」の始まりだった…
関東近県の町を舞台に
傷付いた場所や風景に包帯を巻いて癒すという
「包帯クラブ」を結成した
高校生たちを主人公に描く青春映画
原作は「永遠の仔」の天童荒太の同名小説
「Cinemacafé.net」より引用
「包帯クラブ」のメンバーの
傷ついた場所や風景に
包帯を巻く行為は
凍りついた心に
ほのかな光をもたらす
縮こまってしまった心に
少しだけど
パワーを与えれくれる
思いの残った場所や風景と
「包帯クラブ」のメンバーを通して
再び対峙することにより
自ら再生の一歩を踏み出す
彼らから送られてくる画像には
「大丈夫だよ」
「貴方は独りじゃないよ」
と語りかけてくれる
ただの「偽善」や「自己満足」と
言い切れないモノを
ひしひしと感じてしまった
クライマックス
ディノの
荒唐無稽な行動に隠された
重く苦しい現実と
ディノ自身が対峙するとき
その傍らにはワラが…
そして二人を影から見守る
タンシオ・ギモ・リスキ・テンポの姿が…
う~何だかいいぞぉ~
人は
知らず知らずのうちに
他人を傷つけるモノ
そう考えると
何も出来なくなる
何もいえなくなる
自分の存在自体が
意味のないモノに思えてくる
でも
それと同じくらいに
知らず知らずのうちに
他人を救っているかもしれない
存在自体が
誰かの支えになってかもしれない
そんな風に
思えたら
なんかいいです
心に闇を抱えながら
耐えに耐える孤高のディノ
その難しい役柄を
柳楽優弥くん
見事に演じていたと思います
見ごたえのある
作品だと思います
ディノの自虐的行為を
真似するヤカラはいないと思うが
危険なので止めましょう