時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

人のセックスを笑うな

2008-08-29 | 映画



19歳磯貝みるめ(松山ケンイチ)は
堂本(忍成修吾)の運転するライトバンの助手席から
トンネル中を全力疾走する幽霊を見た

っと思ったら
それは女の人だった

終電で乗り過ごしたうえに
足にマメを作ったらしい

堂本は
「荷台ならいいですよ」
と声をかけた

ジタバタしながら
荷台に乗り込むその人の格好が滑稽で
思わず
「大丈夫ですか~?」
と笑いながら
何故だか僕は
助手席を降りて
荷台に乗り込んだ

その人と別れる時
僕は
僕のビーチサンダルを進呈した

それから暫くして
僕たちは
再び出合うことになる
しかも
僕の通う美術学校の喫煙所で…



その人の名は
ユリ(永作博美)
新任のリトグラフ講師

同級生えんちゃん(蒼井優)が
バイト先している映画館に
ユリがやって来た
映画の話から
生ロバを見に行こうってことになり
二人してファミレスに行った

それから数日後
絵のモデルを頼まれたていた僕は
ユリのアトリエに行き
されるがままに
するすると服を脱がされてしまう
以来
20歳年上のユリにすっかり骨抜きにされ
2人で過ごす濃密な時間にのめり込んだ

そんな僕を
えんちゃんは
複雑な思いで見ていたらしいんだけど
疎い僕には
そんな事
解かるはずもない…



ユリの授業が休講になった
風邪でも引いたのかと思った僕は
学生課でユリの家を調べ
様子を見に行った


家から出てきたのは
おじさん
「サユリの学校の方?どうぞおあがり下さい…」
「サユリ?」

家にあがらせてもらって
おじさんと黄粉の和菓子を食べてたら
ユリが現れた

写真屋を営んでいるらしいおじさんが
お客の接客で席を外した隙に

「(ユリ)一人暮らしだと思ってた
 お父さんと二人暮らしなんだね
 ちょっと緊張しちゃったよ」
「猪熊さん?旦那さん…」
「ん?」
「あたしの夫…」
「えぇ!?」



人妻だし
旦那さんいい人そうだし
不倫だし
別れよう
もう会うのは止めよう
そう思いつつ
自分を抑えられない僕

ユリとの連絡を絶とうと
携帯を溶接するも
携帯の着信音が鳴ると
いてもたってもいられなくなって
寒さに凍えつつ
夜空の下
居るはずのないアトリエの前から
ひたすら
ユリに携帯をかけた



その頃
ユリは
えんちゃんを
バイト先の映画館から連れ出し
学校近くのファミレスにいた

「結婚してるって聞いたんですけど?」
「そうよ」
「みるめくんとは遊びですか」
「遊び?ん…付き合っちゃだめかなぁ~」
「駄目ですぅ」
「だって…触ってみたかったんだもん
「『だもん』って…」
「みるめくんに触ってみたくないの?」
「え~ 触ってみたいけど ん~どうしょうもないし…」
「やってみなきゃいいか悪いか解かんないよ」



溶接された携帯を見たえんちゃんは
唖然としてた

「携帯鳴ってるよ」
「電話に出たくなっちゃうから」
「出ればいいじゃん」
「出たら会いたくなる」
「ったくこんなことして…ばっかじゃないの」
「ほんと ばっじゃないの! ば~か」

アトリエに行った
我慢するの苦しかった
会いたかった
僕は
思いっきりユリを抱きしめた



でも
それは突然にやって来た
ユリが
学校も辞めて
僕の目の前から忽然と姿を消した

『キスも上手くなった』

そうユリは言ってくれたのに…

年が明けて
家に引篭っている僕を心配して
えんちゃんが来てくれた

「あたし 見たよ ゆりちゃん…」

僕は再び
ユリを探しはじめた



そして
僕は一つの結論に達した



会えなければ終わるなんて

     そんなもんじゃないだろう