梶の「趣楽独言」

陶芸・家庭菜園・ダンス・碁・蕎麦打ちなど趣味三昧に生きる老人の独り言

初めての陶芸(39)円柱または円壷作り・成形

2008年01月09日 | 陶芸講座
 陶芸講座も最後の課題になりました。今までの講座で習った色々な技術を使って、円柱または円壷を紐作りで作成します。既に第三回目の講座で15cmの花瓶を作り、皿作りの窯出し時に時に練習していますが、今回は高さ20cmほどの作品の制作です。高さが高くなりますと円柱を作るのに苦労するようになります。形を成形する前に、紐を積み、綺麗な円柱を作る事がポイントになります。この講座では基本的な事を皆さんに教えました。今後は基本的なことが把握できたら自分が動きやすい動作を試行錯誤し探る事が重要です。繰り返し練習する事により、体がその動作を覚え、無意識に体が動くようになる事が重要です。ごく自然な動作が理にかなっているのです。
 最後の講座にあたり、初めに皆さんにお渡しした私の陶芸語録をここに記載しますので、思い出し、作業を行って下さい。

梶の陶芸語録
・粘土は異性に触るように優しく扱え。
・ゆっくりと時間を掛け、丁寧に作れ。
・失敗を恐れるな。そこから色々な事が分かる。
・成形は粘土の硬さが成形をし易い硬さになるまで、待て。
・粘土が乾くのを注意せよ。
・ロクロで道具を使う時には脇を締めよ。
・ロクロで作業する手の位置は同一場所。手を動かさず、ロクロを回転させろ。
・作業時の姿勢に気を付けろ。目線は手や道具の真上。
・作品が良くしてくれと泣いている。その声を聞け。
・各工程で品質を作り込め。前工程の不備は次工程の初めに直せ。最後まで諦めるな。

・成形時、作品を離れて眺めよ。全体の形を常に調整せよ。
・作品と向き合い、自分で納得が行くまで、制作せよ。
・作品のオーラは自分のエネルギーをどれだけ作品に与えたかである。
・削りに時間を掛ければ、どんな作品でも見栄えがよくなる。

1)目的
 この最後の講座で今までに習った紐作りの各工程での制作技法を再確認して貰いたいと思います。特に自分の悪い癖を直すことが重要になります。私もその点を重点的に注意します。
 この課題の紐作りで重要な事は先ず真っ直ぐな、胴の厚さが均一な円柱を作る事です。

2)土練り
 荒練は手の力は使わないで、粘土に体重を掛けて練ます。私は荒練りのポイントなる動作を先ず教える為に、また、悪い癖を直す為に、当初は各動作を極端にして教えました。最近はポイントが皆さん分かり出しましたので、櫓をこぐような感じで、リズミカルな動作が出来るように心がけてください。
 荒練が終りましたら、菊練を行い、空気を抜いて下さい。
3)形
   粘土は乾燥し、焼くと1,2割小さくなるので、その分大きく作る。
   円柱または円壷を作る。
     乾燥時の高さ20cm、幅は15cmですので、成形時は高さ22cm、幅16cmほど
4)紐積み
   底の作成
     底を良く叩き、締める事。
       轆轤を回しながら、一定の位置で、右手の親指の下の膨らみのところで叩く。
        まだ、作業位置が固定しない方がおりますが、作業する手を移動させないよう
        心がけて下さい。
     底の厚さは15mm
     円形の底を作る
       針で円を切り抜く。直径今回は11cmほどで作成。
        針は少し斜めにすると線を描き易い。
        右手で針を持つ。ロクロを時計方向に回転させる。
        針は6時の位置で、ロクロの回転方向に針先を向ける。
        針の先端を軽く、粘土に接触させる。
          針先を粘土に食い込ませない。
          目安の線を引くのだから、線が微かに見えるほどでよい。
        左手の指先で針を軽く押さえると安定する。
        定規で直径を計り、再度円を描く。
        目的の直径近くになるまで繰り返す。
       次に針を立て粘土を切り抜く。
         脇を締め、針が動かないようにして、ロクロを回転させ切る。
         針を一定の位置にキープし、ロクロを回転させる。
   底辺の円盤と積んだ粘土を接着させる為の作業
     ロクロを回しながら、底面の端に斜めの線を入れる。
       針は一定位置で斜めの線を入れる。
     水またはドベイを塗る。
     これにより底を紐に密着させる効果が有る。
     よく花瓶などを作った時に、底と胴が割れる人が居るがこれを防ぐ。
  紐の作り方
    親指の太さ以上の太めの紐を作り、使用する。
    両手の手の指の平で大きく転がし、中央から左右の端に転がす位置をずらす。

    軽く粘土を転がすようにすると作り易い。
      手の先を反らせる様な感じで、軽く粘土に接する感じで作るとよい。
      粘土を押して作ると、粘土が潰れ、皺になる。
    太さがばらついた時
      太いところを軽く触り転がし、同一の太さにする。
      こまめに調節するとよい。
    一段目は太めにする。
      一段目は底辺になり、作品の内側の湾曲した曲面になるので、太い紐にする。
       親指より太い。
  一段目の紐の積み方と繋ぎ目の消し方
    円に沿って紐を積む。
    左手の手の平に紐の左は端を乗せ、紐の右端を粘土の上に押さえるように置く。

      強く押し付けない。底が変形するようでは強すぎる。
    親指の左側の側面の少し内側で、
      内側の粘土の端を少し押し下げる底に付ける。
    人指し指は紐の外側に軽く置き、粘土を安定させる。
    粘土が少し内側に捩れる。
    この動作が上手く出来るようになると、粘土が捩れ、自然と轆轤が回転する。

    外側、内側の粘土の継ぎ目を消す。
      積んだ粘土の側面の表面を下方向に伸ばす。
        外側は親指で下に伸ばす。
        内側は親指で下に伸ばし、底辺と密着させる。
    底の部分の内側の曲面が少しできる。
    これにより、紐と底の粘土の繋ぎ目を消す。
  二段目以降の紐の積み方と繋ぎ目の消し方
    前に積んだ胴に合わせ粘土を積む。
    左手の手の平に紐の左は端を乗せ、紐の右端を粘土の上に押さえるように置く。

    少し内側に粘土を積む。
      これにより、粘土の積み段を消し易くする。
    前に積んだ粘土の縁の少し内側に粘土を押さえるように置く。
      強く押し付けて下の粘土を潰さない。
    親指の内側の側面で、内側の粘土の端を少し押し下げる。
    人指し指は紐の外側に軽く置き、粘土を安定させる。
    この動作が上手く出来るようになると、粘土が捩れ、自然とロクロが回転する。

    繋ぎ目を消す
      外側は既に積んである粘土の側面を上に伸ばすようにして、繋ぎ目を消す。

        右手の親指のを使い上に伸ばす。
      内側は積んだ粘土の側面を下に伸ばし粘土の繋ぎ目を消す。
        右手の親指を使い下に伸ばす。
        この時に左手の手の平で、外側の壁面が外に広がらないようにガードする。
  粘土を締める方法
     作品により、紐の太さにより、紐を何段積んでから粘土を締めるかは
       人により異なる。
     今回は練習を兼ね、1段ごとに粘土を締める。
     立って作業すると作業し易い。
       目線は真上から作業している場所を見る。
    両手の親指と人差し指で粘土を締める。
      両手をほんの少し離し、親指と人指し指で粘土を抑え、両手で粘土を中央に寄せる。
      親指と人指し指の間隔は胴の厚さにする。
      今回は粘土を太くして紐を積んでいるので、胴が厚くなっている。
        胴の厚さを1cmから7mmほどにする。
      親指と人指し指は真っ直ぐに伸ばす。
      余分な粘土が上に伸びる。
      自然とロクロが回転するようにする。
      一定の位置で締める。
      丁寧に、細かく締めるとよい。
      締めむらが少なくなるように締めることが重要。(初めは無理であるが)

      この作業は粘土が広がった時に広がりを直す時に使える。
   外側の粘土をヘラで締める。
      作業は3時の位置がやり易い。粘土が締まる位置を探す。
      ヘラの傾斜面を胴の粘土に広く密着させ、粘土を少し斜め上に締める。
        ヘラの先端だけでなく、ヘラノ傾斜面全体を使うことが重要。
      内側はもう一方の手の中指と薬指で内側に倒れないようにガードする。
   内側の粘土をコテで締める。
      作業は9時の位置がやり易い。粘土が締まる位置を探す。
      コテの側面を胴の粘土に密着させ、少し斜め上に締める。
      外側はもう一方の手の平で胴が外側に広がらないようにガードする。
   胴の厚さを自分の希望する厚さにする。
      ヘラで上の方に伸ばすと胴が薄くなる。
   内側の底を綺麗にする。
      ある程度紐を積んだ時に、後では手が届かないので、コテで底を綺麗にする。
      粘土が不足して凹んでいる所は粘土で埋める。
      特に底と胴の継ぎ目は注意。
      ロクロを回転させ、コテで綺麗にする。
5)成形の高さより少し高めに紐を積み、円柱を作る。
   弓を使い、口を切る。
     以後の作業で乾燥して口にひび割れが入るのを防ぐ為。
     弓は右手の親指を内側に、外側を他の指で掴む。
     ロクロを回転させる。
     弓の位置は7時の位置。
     脇を締め、弓を胴の切る場所まで、粘土に入れる。
     左手は軽く弓に添えると弓がロクロの回転で持って行かれない。
   なめし皮を用いて口を仮締めしておく。
     なめし皮は人差し指と中指の間を通し、人差し指の内側に回す。
     親指と人差し指で口を掴むような形を作り、使用する。
   円柱の芯が取れていない時にはそれを直す
     轆轤を回転させるとふらふら円柱が揺れるので分る。
   円柱の厚さを一定にする。
     胴を自分が望む厚さにする。
     胴が厚いときはヘラで粘土を上に締めることにより、薄くする。
     上からと横から眺めることにより、凹凸や胴の厚さの不均衡を知る。
     出っ張っている所や胴の厚い所を
       ヘラやコテで均し、へこんでいるに持って行く。
       ヘラで直せない場合は、出っ張っている所はカンナなどで削る。
       凹でいる所は粘土で埋める。
   円柱の内面、外面を綺麗にする。
     外面は直角な板を使い、綺麗にしてもよい。
     内面はコテを使いロクロを回転させて、綺麗にする。
     内面は円柱が高くなると手が入らない場合があるので、
       ある高さでこの作業を行い、その後それより高く紐を積む。
6)自分の思っている円壷の成形
  コテを使い成形する。
    コテを使い成形する。
    内面は自分の思う曲線に成形する。
    コテで形を作る。その時左手の手の平は外側で外形を作る。
      この時に手の平で粘土が乾かないように、濡れ雑巾で手の平を拭く。
    膨らますので外側に細かな割れ目が入るが、こまめに注意しヘラで消す。
    ロクロを回転させコテを使い、左右対称に形をする。
      初めからロクロを回転させ、コテを使い成形してもよい。
      余り底辺に丸みの有る作品はヘタル可能性がある。
        このような作品は底辺部をまず作り、少し乾燥させ上に紐を積む。
        今回は2時間で作成するので、この形は作らないように。
    少し離れて形を見て、形のバランスの悪い面を直す。      
  口の成形
    口の部分の円柱が大きい場合は、
      両手の親指と人差し指で絞りながら、自分の思っている口の大きさまで、小さくする。
      底辺より少し小さめの口にする。     
      自分が思っているより小さめに、または、高めに口の形を作る。
    弓で口を切る。
    自分の思っている口を作る。
      口の側面の厚さを一定にする。
    なめし皮を用いて口を締める。

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