吐き出すこと、与えること

　深呼吸をして下さいと云われた時、あなたは息を初めに胸一杯吸いますか。または、初めに息を吐き出し、それから吸いますか。私の呼吸法、禅やヨガでもそうですが、まず、腹式呼吸でゆっくりと息をは吐き出します。その時、臍下丹田に意識を置き、その部分の筋肉を使い、全ての息を吐き出します。その後、吐き出す事を止めますと、空気が自然と入ります。この時も臍下丹田に意識を置きゆっくりと吸うようにします。通常、吸う息1に対して吐く息の長さは2です。慣れてくると、吐く息30秒、吸う息15秒ほどの時間は直ぐにできる様になるでしょう。私は吸う息1分、吐く息30秒ほどで呼吸をします。この呼吸をしている時には意識を臍下丹田に置き（臍下丹田の部分を只眺める）、呼吸することが重要と思います。そうすれば腹式呼吸になります。まず、通常、呼吸している時には、肺に入っている空気を全て吐き出していません。その為、新鮮な空気が肺に入るのは少ないです。ゆっくりと息を吐く呼吸法をすると非常にリラックスしますので、一度試して下さい。初めリラックスしていない時は、ゆっくりと吐けませんが、10回ほど呼吸を行うと徐々にゆっくりと吐けるようになり、リラックスします。日常生活で何時もでなく、1日に1回数分でよいので、是非行ってください。回数は多くても実害が有りません。先ずは、自分の身体の中に溜まっている悪いものを吐き出して下さい。そうすれば、自然と自分にとってよいものが身体一杯入ります。吐き出さないで、初めから一杯身体に入れようとしても、悪いもので満ち溢れた身体には何も入りません。
　最近の世相は自分の要求のみを主張し、周りの人達の事を考えない人が多くなっているような気がします。昨日のNHKのクローズアップゲンダイでの、学校現場で父兄の理不尽な要求に先生達が困っていることを放送していましたが、私などが育った時には考えられないことが、最近は起こっているような気がします。私は下町の築地に育ったのでご飯のおかずを多く作った時には、お隣さんに持て行くのが、ごく自然でした。最近は、どうも、こんなことが懐かしく思えるのは悲しいです。人は一人で生きられません。色々な方々の助けが有り、生きて行けるのです。この世相を皆で直す努力をしたいですね。自分達の周りから、人の為に代価を求めない、無償の喜びを与え、その喜びを自分の事と思い一緒に喜ぶ、皆がそうなれば、住みよい世界が出来ると思いますが。英語のgive and takeも先ずはgiveｄですよね。