「広報まつさか」5月号の表紙を見て何かヘンだなと気づいた市民も多いはず。飯南町にお住まいの方なら特に。
今回の号には、表紙に第1回松阪市写真コンテストで2席受賞作品「新茶の香り」を掲載しています。撮影場所は、旧飯南町役場から目と鼻の先にある茶畑です。所在地は飯南町粥見となるはずが、表紙に添えられている写真説明は「飯南町深野」となっています。
明らかな誤りです。
松阪市と合併した旧・飯南町には、粥見、深野、柿野などといった地域ごとに大きな地域特性が見られ、景観も特徴が異なります。表紙の写真にあるなだらかな茶畑は「飯南茶」のブランドも定着するぐらい定評のある飯南茶の主産地・粥見の典型的な風景です。
一方、写真説明にある深野は、白猪山山麓の傾斜地に広がる棚田が典型的風景です。
旧・飯南町の市民でなくても、ちょっと飯南を知っている人ならだれでも景観的個性の違いに気づきます。
しかし、松阪市の公式広報媒体である「広報まつさか」では、印刷物として刷り上がるまで間違いに気づかなかったようです。
掲載された写真は、市民がコンテストに応募して受賞した作品。応募作には飯南町粥見と書かれていました(書いてなくてもわかる粥見の典型的な風景です)。
それがどのように間違った写真説明になったか。
担当課の商工観光課が「広報まつさか」用に出稿する段階で説明を付け間違えたのがそもそもの発端。
データを受け取った秘書室広報担当は、間違いに気づくどころか、ノーチェックで掲載してしまった、というのが、原因のようです。
きわめて単純で初歩的なミス。
印刷物を作る者ならだれでも間違いを経験します。
校正に校正を重ねても時にしてミスは起きるものですが、今回の場合は、間違いが間違いのまま、すり、すりとすり抜けていきました。
チェック体制とはあって、無きがごとくです。
小さな失敗かもしれませんが、2つの面で問題があると思います。
1つは、観光とか、景観保全といいながら、そのもっとも核となるポジション(商工観光課、秘書室広報担当)で新しい松阪の代表的な風景に気づく職員がいなかったこと。
2つ目は、印刷物を編集、発行する者としてのチェック体制の組織的欠如。
だれにでも勘違い的なミスはあることですから、「粥見」を「深野」だとして最初に間違えたことは責めるつもりはありません。そのあとのホローなき体制の問題です。
新聞記者をしていた経験(当然、何度か誤報は経験し痛い目に遭っています)で言えば、市役所の広報には必ず、一人や二人、持ち場(市内全域)の現場のことを頭にたたき込んでいる職員がいるものです。そして編集の工程の中で間違いの原因となりそうなにおいを嗅ぎつけ、若手に注意を喚起してエラーの未然防止を図ることが多いように思います。
いまの松阪市の広報担当はどうなのでしょうか。
実は、この組織には、独自の権限を持つ、直属の課長、部長がいません。
直属の上司と言えば、秘書室長。その上は副市長(旧・助役)と市長がいるだけです。いわば、市長、副市長直属の機関です。
役所所属とはいえ、編集に気概と誇りを持つ広報マンの存在は、こと松阪市にあっては過去のものとなってしまったのでしょうか。
それとも、ケーブルテレビ事業やインターネットの更新等、少ない人員で忙しくなったのが背景にあるというのでしょうか。
今回の号には、表紙に第1回松阪市写真コンテストで2席受賞作品「新茶の香り」を掲載しています。撮影場所は、旧飯南町役場から目と鼻の先にある茶畑です。所在地は飯南町粥見となるはずが、表紙に添えられている写真説明は「飯南町深野」となっています。
明らかな誤りです。
松阪市と合併した旧・飯南町には、粥見、深野、柿野などといった地域ごとに大きな地域特性が見られ、景観も特徴が異なります。表紙の写真にあるなだらかな茶畑は「飯南茶」のブランドも定着するぐらい定評のある飯南茶の主産地・粥見の典型的な風景です。
一方、写真説明にある深野は、白猪山山麓の傾斜地に広がる棚田が典型的風景です。
旧・飯南町の市民でなくても、ちょっと飯南を知っている人ならだれでも景観的個性の違いに気づきます。
しかし、松阪市の公式広報媒体である「広報まつさか」では、印刷物として刷り上がるまで間違いに気づかなかったようです。
掲載された写真は、市民がコンテストに応募して受賞した作品。応募作には飯南町粥見と書かれていました(書いてなくてもわかる粥見の典型的な風景です)。
それがどのように間違った写真説明になったか。
担当課の商工観光課が「広報まつさか」用に出稿する段階で説明を付け間違えたのがそもそもの発端。
データを受け取った秘書室広報担当は、間違いに気づくどころか、ノーチェックで掲載してしまった、というのが、原因のようです。
きわめて単純で初歩的なミス。
印刷物を作る者ならだれでも間違いを経験します。
校正に校正を重ねても時にしてミスは起きるものですが、今回の場合は、間違いが間違いのまま、すり、すりとすり抜けていきました。
チェック体制とはあって、無きがごとくです。
小さな失敗かもしれませんが、2つの面で問題があると思います。
1つは、観光とか、景観保全といいながら、そのもっとも核となるポジション(商工観光課、秘書室広報担当)で新しい松阪の代表的な風景に気づく職員がいなかったこと。
2つ目は、印刷物を編集、発行する者としてのチェック体制の組織的欠如。
だれにでも勘違い的なミスはあることですから、「粥見」を「深野」だとして最初に間違えたことは責めるつもりはありません。そのあとのホローなき体制の問題です。
新聞記者をしていた経験(当然、何度か誤報は経験し痛い目に遭っています)で言えば、市役所の広報には必ず、一人や二人、持ち場(市内全域)の現場のことを頭にたたき込んでいる職員がいるものです。そして編集の工程の中で間違いの原因となりそうなにおいを嗅ぎつけ、若手に注意を喚起してエラーの未然防止を図ることが多いように思います。
いまの松阪市の広報担当はどうなのでしょうか。
実は、この組織には、独自の権限を持つ、直属の課長、部長がいません。
直属の上司と言えば、秘書室長。その上は副市長(旧・助役)と市長がいるだけです。いわば、市長、副市長直属の機関です。
役所所属とはいえ、編集に気概と誇りを持つ広報マンの存在は、こと松阪市にあっては過去のものとなってしまったのでしょうか。
それとも、ケーブルテレビ事業やインターネットの更新等、少ない人員で忙しくなったのが背景にあるというのでしょうか。