海住恒幸の松阪市議会通信 

議員活動を通して、自治体議会や自治体のあり方を考えるブログ

反対なのに賛成のジレンマ

2005年03月24日 00時24分04秒 | Weblog
松阪市は総合運動公園なる大型プロジェクトを構想、山林を買いつづけること10年。
いままでに土地開発公社が先行買いした用地は37・8ヘクタール、27億円。これを追いかけるように松阪市が公社から買い戻しています。現在、公社からの未買取り分をあわせると99・8パーセント、市の所有となっています。
総合運動公園は事実上、事業破綻し、当初構想されていた陸上競技場やら野球場は造らないということですが、市は土地開発公社が買った土地をずっと買いつづけなければなりません。
10年も前から多い年は5億、10億と買い進められてきたのが経過。
今回議案としてあがってきたのは、土地開発公社から数千万円で買い取る契約のものです。
過去の負の遺産を買いつづけなければならない不合理。
わたしは事業には反対、過去の政策決定の誤り、用地費と相当額を要す造成等は極力中止し、自然公園とすべきと主張。国からの補助があるので難しいとされる用途目的の変更を検討せよと迫りました。
買い取り(市が公社から)を含めて反対、即、事業を中止せよという意見もありましたが、事業を中止したら、公社が持っている土地はどうなるのか、その代案はありません。

わたしは、昨日の討論の際、以下のように述べました。ジレンマです。
↓   ↓
050323討論

議案第56号 財産の取得について
議案第56号「財産の取得について」、賛成の立場から討論する。
議案にある総合運動公園を建設するために、松阪市土地開発公社が既に先行取得した約37・8ヘクタール、簿価約27億円の用地、このうち、松阪市が買い戻した約20・5ヘクタール、約15億円の用地を前に、暗たんたる思いがする。そもそも90年代初めに、立地場所の選定及び他の事業との政策的整合性がなんらないまま、松阪市の3大基幹プロジェクトに位置付けられたこと自体に大きな誤りがある。
そもそも、総合運動公園は不必要である。しかし、過去の誤った政策決定によって始められた本事業であるが、いまここで中止を求めても、松阪市がすでに買い戻しをした約37・8ヘクタール、約27億円の用地と、土地開発公社が先行買いし、松阪市からの買い戻しを待つ約17・2ヘクタール、約12・5億円の用地の活用方法は見いだされていない。
特に、本議案について言えば、松阪市の500億円を上限とする債務保障によって銀行からの融資を受けることが可能な自己資金500万円の土地開発公社が先行買いした物件を松阪市が買い戻す議案である。そもそも土地開発公社には当事者能力及び責任能力がない。かりに、松阪市がこれを買い取らず、放置すれば何が起きるか。公社が銀行に支払わなければならない金利だけが膨らみ、ひいては市民に不利益をもたらす。したがい、本議案には賛成せざるを得ない。
ただし、3月4日の議案質疑で市長が「(用途変更について)見直しを視野に入れる」と答弁されたように、このような事業によって得られた用地の活用方法については、用地費にも相当する造成その他の開発行為は極力取りやめ、環境保全に努めることを求めるものである。
この事業は、政策決定の段階での適正な判断がいかに重要であるかを申し添え、討論を終えたい。


在任特例議会の効用!?

2005年03月20日 21時08分38秒 | Weblog
1市4町が合併して、27人だった松阪市議会が80人になりましたが、思わぬ効用もあるものです。
従来の松阪市議会では「個性派」(共産党以外で質疑で何回も発言する議員)はわたし一人でしたが、4町には結構そんな議員がいました。
4町の議員にとって、過去の松阪の負の遺産(事業化がほとんど不可能な焦げ付き大型事業)は、素直にオカシイ問題であると映るようです。で、フツウの旧松阪市議会の議員なら質疑しない議案質疑にどんどん参加してくる。常任委員会でも、同じ。
旧市議会という狭い社会の中では古手のボス型議員がにらみをきかせ、会派所属議員は発言を慎む傾向にありました。狭い社会ゆえ睨みの効く社会です。
ところが4町議員が加わって、ひとつの旧文化だけが支配勢力なるのは困難で、旧式議会文化への吸引力(g)は低下しているようです。
いい意味でタガが緩んだ。
半面、市当局にとっては在任特例による現在の過渡的な議会文化は怖くもあります。
いままでなら市と議会の馴れ合いというか、あうんの呼吸で議決できたが、いまならいつ番狂わせが起きるか分からないという緊張感もあります。
7月には定数34で市議会議員選挙が行われ、現在議員としている人たちの大半はいなくなるわけですが、筋書きのないドラマが起きる余地のあるのはいまだけなのか。
しかし、時代は変わる。議会だけがいつまでも昔のままでは市民に対してあまりに申し訳ありません。
在任特例は議員報酬の増大や、8~9割の議員は議会に出勤しているだけという弊害がある半面、いろいろなカルチャーがぶつかり合うのは悪くありませんね。
その中から新しい時代への流れを読み取るようにしたい。

市議会通信15号出来上がる

2005年03月19日 08時00分26秒 | Weblog
3月議会を特集した市議会通信15号が出来上がりました。
今回のメインは「説明責任どこへ ホスピス問題で松阪市」としました。
ブログでも以前触れたテーマです。
こちらの質問と市長の答弁で一般質問の模様を再現したほか、そのやりとりの途中の経過の解説を加え、分かりやすくしました。
全8ページ中、この問題で7ページ使い、あとの1ページで議案質疑を取り上げました。

ホスピス問題

2005年03月12日 09時14分29秒 | Weblog
一般質問でホスピスの問題を取り上げて以降、ホスピスを考える市民委員会(市からの委嘱)の委員から、「いままでのわたしたちの議論はなんだったのか」という声があがっているようです。

一般質問への反響

2005年03月10日 19時16分41秒 | Weblog
ホスピスの問題で一般質問したところ、さまざまな人からこの問題について声をお寄せいただきました。
直接、議場にいて市長との議論を聴いていた議員(在籍数80人=在任特例)、市職員からもたくさん感想を寄せてくれました。
議員になってもうじき2年。
こんな手応えは初めてです。
地元の新聞にも報道されたので、何人かの市民の方からもお話をいただきました。電話をくれた市職員もありました。
新聞記者時代に特ダネを書いたときの喜びと同じです。
市政をチェックする役割が議員にはあります。
基本的に、現市長に対してわたしは好感を持っています。
しかし、この市長には、思い入れが強く、頑固なところがある部分、もしかしたら、市内部の人ではテーマ(特に、今回のホスピスのように現市長オリジナルのこだわり品目)にはモノを申しにくい雰囲気があるのかもしれません。
自分の言葉でモノをいい、決して逃げないいい市長なんだけど、思い入れの強すぎるテーマゆえ、そこが問題になったのかもしれません。
議員としての役割を今回の一件で強く感じました。

松阪市のホスピス構想

2005年03月09日 00時58分49秒 | Weblog
県によると、昨年4月20日付けで松阪市から提出されたホスピスの事前協議申出書を受理。9月10日付けで建設を許可しています。この後、翌月から半年以内の月、つまり、今年3月31日までに本申請の提出があれば正式決定する運びということです。
しかし、当然のことながら、ホスピスの設置計画については所在地をはじめ、医師数、看護師数、設置医療器具等、いつでも開院できるだけの詳細な事業計画が明示されるものです。
これについて松阪市が記載したのは、現在も使用されている松阪市老人福祉センター(平成17年度の経常経費6000万円)の所在地ほか、事業費13億円等々、でした。
市民委員会には昨年10月から今年3月までの8回の開催中、こうした事実の報告は皆無。市長が一度だけ、空きが出たので県から20床確保したと説明しています。しかし、20床確保するためには、建設することが確実な建設予定地など要件がそろっていることが前提です。
8日の一般質問では、わたしから老人福祉センターが建設予定地になっていることを示したところ、市長は「あくまでも昨年4月の申請の時点のこと」と述べました。
しかし、県が求めている要件は、確実な建設予定地です。でなければ建設を許可しません。建設予定地が不確かなら、事前協議のそもそもの前提が崩れていることになり、架空の話となってきます。
県から許可を得る資格は喪失している点を言うと、「見解の相違」「合併などの事情があったので、3月31日までの本申請がなくても時間をみてくれる」「提出できない理由書を提出するよう求められている」などと市長は答えました。
市民委員会に何も知らせなかったことについては「建設ありきの議論になってしまうといけないので知らせなかった。市民委員会にはすべてを知らせる必要はない」などと答弁しました。
県に対してはでたらめな申請をしたことになり、市民には一切伏せた状態でことを進め、議会にも報告はありませんでした。
それでも「ベッド20床を確保することがどんなに大変なことか。取れるチャンスのときにとっておかないととれなくなる」と、ベッドさえ確保できればという感じです。
このまま、進めようとすれば平成18年3月までに建設しなければならない決まりです。そんな無茶な。
市長は「老人福祉センターを移転、新築してもやりたい」と述べましたが、きょうのきょうまでひたかくしだったのですから、急に合意せよと言われても。。。



一般質問終了

2005年03月08日 12時49分11秒 | Weblog
きょう午前10時40分から一般質問でした。
テーマは、松阪市が構想しているホスピスについて、でした。
松阪市は昨年10月に「ホスピスを考える市民委員会」を設置し、建設の是非を含め、検討を重ねてきました。今月中には答申を出す予定です。
市長ら市側は市民委員会の中で「建設ありきではない」と再三のべていますが、市民委員会開設より半年早く、県にホスピス開設の事前申請を提出。設置許可を得ていました。
県に対して開設予定地、事業費13億円、医師数、看護師数等々、提出。
今年3月31日までには本申請を提出する段取りということです。
県は本申請を待っています。
一方、市はこのことを何も説明していません。
そんな点を追及しました。

3月定例会中です。

2005年03月06日 10時30分09秒 | Weblog
3月2日から3月定例会が始まりました。
新市になって初めての新年度予算案などが議案です。
4日に議案質疑に立ちました。
市長は地域内分権を盛んに述べますし、個人ができることは個人、個人でできないことは地域、地域でできないことは行政でという「補完性の原則」もよくわきまえた方です。
ところが今回の予算は合併直後の暫定予算(本予算は6月に提案)なので、旧市、旧町の寄せ集め予算です。このため、支出が膨れに膨れ、骨格予算(義務的経費とどうしても必要な継続費)であるにもかかわらず財源不足で5億円の財政調整基金(貯金)を取り崩しました。
本来、地域(この場合は旧市、旧町)で取り扱うべき事柄すべてを市が背負った感じです。分権といいながら、集権・一元化した予算です。
思うのは、分権社会なら地域が大きく、市役所の本庁舎が小さいピラミッド型であるべきが、逆ピラミッド型になっているようなかたちです。
こんな話をしていたら、最初は静かに聞いていた議員がだんだん騒がしくなり始め、そのうち、議会運営委員長が「議長!」と叫び、発言に割って入ってきました。
しだいにこちらもカリカリした気分になってしまい、非常に後味悪いものになりました。