海住恒幸の松阪市議会通信 

議員活動を通して、自治体議会や自治体のあり方を考えるブログ

だれのための自治体か? 闘う都市計画家が必要です

2007年05月25日 14時57分51秒 | 自治体
松阪駅西地区再開発に対して松阪市がとってきたスタンスは、「民間主導」なので市としての立場を意見してこなかったというもの。
しかし、100億円近い事業費の6割以上は市と国の公費。
おカネは出すけれど、口は出さないーー。
ディベロッパーにとっては、本当に有り難い自治体です。

民間の地権者3社が「民主導で再開発を進めたい」と勉強会を立ち上げたのが平成14年。最大の地権者である松阪市もオブザーバーとして勉強会に加わった。
以来4年たった昨年5月。
突然示されたのが、24階建て78メートルのマンションを一番駅寄りにし、続いてホテル、立体駐車場、市の保健・福祉・医療総合センター(以下、総合センターと略)の順での配置でした。

民間のディベロッパーが描いたとみられる構成ですが、市のスタンスは「もう動かせない」。

民間のディベロッパーの提案に対して、駅前という公益性の高い立地であるのに、何も発言しなかったに等しい態度、そして、市民に対して説明しようとなかった態度。

いちばんの問題は、松阪市は、いったい、だれのための自治体であるのかという点です。

議員(33人中、19人は賛成しましたが・・)からも市民からも、ついには市が講師に招いた専門家からも、ダメな計画との烙印。

少なくとも言えることは、まちづくりに対して主体性のない自治体であること。
闘う自治体職員が必要です。

「サンフランシスコ都市計画局長の闘い」

2007年05月25日 00時01分42秒 | 自治体
「サンフランシスコ都市計画局長の闘い」

以前から読んでみたいと思っていた本です。

自分の中で忘れ去っていましたが、先だって、松阪の駅西再開発の問題を話し合うフォーラムのコーディネーターとしていらした簑原敬氏が、この本の翻訳者だったということから、この本の存在を思い出しました。

学芸出版社のホームページに詳細な案内が出ていますので、ご参考に。
「サンフランシスコ都市計画局長の闘い」

著者のアラン・ジェイコブスは、元サンフランシスコ市都市計画局長。
60~70年代の仕事を通して、当時のサンフランシスコの都市開発に対して行政当局として取り組んだ開発規制の実際を描いているようです。
米国の諸都市では、弊害をもたらした都市の成長(開発)に対して、80年代から成長管理政策が広がります。
住民からの発意で条例化され、70年代末から特にカリフォルニア州で盛んだったといいます。
おそらく、ジェイコブス・都市計画局長の取り組みは、それよりもさらに先駆的だったので、開発派とのせめぎ合いは激しかったことでしょう。
いまある、サンフランシスコの美しい町並みは、こうした取り組みの成果なのかもしれませんね。
70年代の話だから古いとは思わず、この本を読んでみることとしませんか。
日本の都市計画にはいまだ見習うべき点が多いと思います。